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情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A)29


問題文

WAF(Web Application Firewall)におけるブラックリスト又はホワイトリストの説明のうち、適切なものはどれか。

選択肢

ブラックリストは、脆弱性があるWebサイトのIPアドレスを登録するものであり、該当する通信を遮断する。
ブラックリストは、問題がある通信データパターンを定義したものであり、該当する通信を遮断又は無害化する。(正解)
ホワイトリストは、暗号化された受信データをどのように復号するかを定義したものであり、復号鍵が登録されていないデータを遮断する。
ホワイトリストは、脆弱性がないWebサイトのFQDNを登録したものであり、登録がないWebサイトへの通信を遮断する。

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ブラック/ホワイトリスト【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

WAF(WAF:Web Application Firewall、Webアプリケーションを保護するための装置やソフト)は、送られてくるWeb通信(HTTP/HTTPS)の「内容」を見て不正な振る舞いや攻撃のパターンを検出します。ブラックリストは「問題がある通信データパターン(シグネチャやルール)」を定義し、該当する通信を遮断または無害化する方式です。したがって、通信のデータパターンを基にブロックすることを示す選択肢、つまり が正しいです。
(補足説明)
  • ブラックリスト(blacklist):禁止項目のリスト。悪いものを列挙して遮断する方式。
  • ホワイトリスト(whitelist):許可項目のリスト。許可されたものだけを通す方式。
  • シグネチャ:既知の攻撃パターンを表す特徴(例:特定の文字列やリクエスト形式)。

解法ステップ

  1. WAF が何を見る機器かを思い出す(HTTP/HTTPS の「中身」を検査する装置)。
  2. ブラックリスト/ホワイトリストの基本概念を確認する(禁止列挙vs許可列挙)。
  3. 各選択肢が「通信の何を基準にしているか」を照合する。
    • IPアドレスやFQDNはネットワーク層やDNSの情報であり、WAFの典型的な説明ではない。
    • 復号鍵の登録は暗号解除の話であり、リスト運用の説明ではない。
  4. 最もWAFの動作説明に近い選択肢を選ぶ(通信データパターンを扱うもの → )。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「ブラックリストは、脆弱性があるWebサイトのIPアドレスを登録する…」
    • 誤り。IPアドレスのブロックは一般的なファイアウォールやネットワークのブラックリストの説明に近く、WAFの典型的説明(アプリケーション層のデータパターン検査)とはずれる。WAFでもIPベースの制御は可能だが、問題文はブラックリストの定義として「通信データパターン」を扱う方が適切。
  • : 「ブラックリストは、問題がある通信データパターンを定義したものであり、該当する通信を遮断又は無害化する。」
    • 正解。WAFはシグネチャやパターンマッチングで攻撃を検出し遮断・無害化(例:悪意あるスクリプトを除去)する。
  • ウ: 「ホワイトリストは、暗号化された受信データをどのように復号するかを定義したものであり…」
    • 誤り。復号(復号化:暗号化されたデータを元に戻すこと)は暗号処理の話。ホワイトリストは許可対象の列挙であり、復号鍵管理の定義ではない。
  • エ: 「ホワイトリストは、脆弱性がないWebサイトのFQDNを登録したものであり…」
    • 誤り。ホワイトリストは「許可された振る舞い(リクエストの形式やURI、パラメータなど)」を基にすることが多く、FQDN(Fully Qualified Domain Name:完全修飾ドメイン名)だけを列挙するものではない。加えて「脆弱性がないサイト」を事前に確定するのは現実的でない。

よくある誤解

  • ブラックリスト = 単に悪いIPを登録するもの、という誤解
    → WAFのブラックリストは主に「悪いリクエストの特徴(パターン)」を対象とします。IPブロックは別のレイヤーの手法です。
  • ホワイトリストは万能で安全、という誤解
    → ホワイトリストは厳格にすればセキュリティは高まりますが、運用が難しく正当なリクエストまで遮断(業務停止)するリスクがあります。
  • WAFはすべてのHTTPS通信をそのまま解析できる、という誤解
    → 暗号化された通信の解析にはTLS復号(復号鍵や中継の設定)が必要で、単純なリスト設定とは別の作業です。

補足コラム

  • ブラックリスト型(ネガティブセキュリティモデル)とホワイトリスト型(ポジティブセキュリティモデル)
    • ブラックリスト:既知の攻撃パターンをブロック。既知の攻撃には有効だが未知の攻撃は漏れる可能性がある。
    • ホワイトリスト:許可された振る舞いだけを通す。未知の攻撃も遮断しやすいが、許可リストの作成と運用が手間。業務に必要な例外管理が重要。
  • 実務での運用イメージ(非IT部門向け)
    • Webサイトに対するルール更新はIT担当と協力して行います。例えば新しいフォームを導入したら、それに合った許可ルールを追加しないと正当な利用者が弾かれることがあります。運用は「検知ログを監視→誤検知のチューニング→ルール更新」が基本サイクルです。
  • HTTPS の検査について
    • WAFでHTTPS通信を検査するには、WAFでTLSを終端(復号)する設定が必要です。これは証明書や鍵の管理、プライバシー配慮(個人情報の取り扱い)などが伴います。

FAQ

Q: WAFのブラックリストとネットワークファイアウォールのブラックリストは同じですか?
A: 同じ「禁止リスト」という考え方ですが、対象が異なります。ネットワークファイアウォールは主にIPやポートなどネットワーク層を扱い、WAFはHTTP/HTTPS の中身(URLやパラメータ、ヘッダ、リクエストボディ)を検査します。
Q: ホワイトリスト方式にすれば誤検知は起きませんか?
A: ホワイトリストは誤検知(正当な通信の遮断)というより「正当な通信を許可していない」ことで業務が止まるリスクがあります。運用段階で業務要件に合わせた細かなルール追加が必要です。
Q: WAFでHTTPSをどうやって読むのですか?
A: WAF側でTLS終端(復号)を行うか、プロキシ方式で復号した通信をWAFに渡す必要があります。復号には証明書と鍵の管理、法的・プライバシー面の配慮が必要です。

関連キーワード: WAF、ブラックリスト、ホワイトリスト、シグネチャ、パターンマッチング、TLS復号、入力検査、XSS、SQLインジェクション
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