情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問31
問題文
電子署名法に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:電子署名には、電磁的記録以外で、コンピュータ処理の対象とならないものも含まれる。
イ:電子署名には、民事訴訟法における押印と同様の効力が認められる。(正解)
ウ:電子署名の認証業務を行うことができるのは、政府が運営する認証局に限られる。
エ:電子署名は共通鍵暗号技術によるものに限られる。
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電子署名の効力【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢イが正しいのは、我が国の「電子署名及び認証業務に関する法律」(通称:電子署名法)が、要件を満たす電子署名については手書きの署名や押印と同等の証明力(真正性の推定など)を認めているためです。つまり、電子署名が「署名作成に使用された秘密鍵が当該署名時に本人の管理に属すること」などの要件を満たせば、民事上の証拠能力や効力で手書き署名と同様の扱いを受けます。したがって選択肢イが正解です。
(補足)法的には「電子署名」が一定の条件を満たすと「真正である」と推定され、その結果、民事手続や契約上の証拠力が高まります。
解法ステップ
- 「電子署名」が何を指すかを確認する(電子的な記録に付された署名であること)。
- 各選択肢が法律や技術の事実と合っているかを順に検証する。
- 範囲:電子署名は電磁的記録に関するものか?(はい)
- 法的効力:法律は電子署名に手書きと同等の効力を与えているか?(条件付きではい)
- 認証業務の提供主体:政府のみか?(いいえ、民間も可)
- 暗号方式:共通鍵(対称鍵)に限るか?(いいえ、公開鍵暗号が主)
- 条件に合わない選択肢を除外して、最も正しいものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 電子署名には、電磁的記録以外で、コンピュータ処理の対象とならないものも含まれる。
→ 誤り。電子署名は「電磁的記録※」に付される署名を指します。物理的な押印や紙の署名は該当しません。※電磁的記録=電子データ(ファイル、メール等) -
イ: 電子署名には、民事訴訟法における押印と同様の効力が認められる。
→ 正しい。電子署名法により、所定の要件を満たす電子署名は手書き署名や押印と同様の証拠的効力が認められます(真正性の推定など)。ただし「要件を満たす」ことが前提です。 -
ウ: 電子署名の認証業務を行うことができるのは、政府が運営する認証局に限られる。
→ 誤り。認証局(CA: Certification Authority/認証局)は民間企業でも運営できます。政府機関に限る規定はありません。民間CAや企業内のプライベートCAが一般的です。 -
エ: 電子署名は共通鍵暗号技術によるものに限られる。
→ 誤り。電子署名は主に公開鍵暗号(公開鍵と秘密鍵を使う方式)を使います。共通鍵(対称鍵)は暗号通信の一部で用いられますが、署名の仕組みは公開鍵暗号が中心です。
よくある誤解
- 「電子署名=それを付ければ必ず法的効力がある」
→ 誤り。法的効力は自動的には付与されず、秘密鍵の管理状況や署名の完全性(改ざんされていないこと)など特定の要件が必要です。 - 「認証局は政府だけがやるもの」
→ 誤り。民間CAや企業内のCAが広く使われており、業務委託やサードパーティのサービスも一般的です。 - 「署名イコール画像として貼ったサインでも同一」
→ 誤り。署名画像は単なる画像データで、電子署名法が想定する署名作成の安全性(秘密鍵での署名)を満たさないことが多いです。
補足コラム
- 電子署名と電子証明書の違い:
電子署名は「誰かがデータに付けた署名情報」です。電子証明書は「その署名が本当にその人の公開鍵に対応するか」を第三者(CA)が証明する文書(電子的)です。署名は本人の秘密鍵で作られ、証明書は公開鍵に本人性を結びつけます。 - 技術的な代表例:RSAやECDSAといった公開鍵アルゴリズムが署名に使われます。職場ではPDFや契約書に「電子署名付きPDF」を使う例が増えています。運用面では秘密鍵(署名に使う鍵)を職場でどう安全に管理するかが重要です(専用のハードウェアやスマートカードの利用など)。
FAQ
Q1: スキャンした押印画像をPDFに貼れば電子署名になる?
A1: いいえ。単に画像を貼るだけでは電子署名法が想定する「本人が管理する署名作成手段で作成された署名」には該当しない場合が多く、証拠力は弱くなります。
A1: いいえ。単に画像を貼るだけでは電子署名法が想定する「本人が管理する署名作成手段で作成された署名」には該当しない場合が多く、証拠力は弱くなります。
Q2: 社内で使う電子署名は自社で認証局を立てないとダメですか?
A2: いいえ。自社でプライベートCAを設置する方法もあれば、外部の信頼できるCAサービスを利用する方法もあります。業務とコスト、信頼性に応じて選びます。
A2: いいえ。自社でプライベートCAを設置する方法もあれば、外部の信頼できるCAサービスを利用する方法もあります。業務とコスト、信頼性に応じて選びます。
Q3: 電子署名があればなりすましは完全に防げますか?
A3: 部分的に防げますが、秘密鍵が漏えいすれば署名は偽造されます。鍵管理とアクセス制御が肝心です。
A3: 部分的に防げますが、秘密鍵が漏えいすれば署名は偽造されます。鍵管理とアクセス制御が肝心です。
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