情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問34
問題文
著作権法による保護の対象となるものはどれか。
選択肢
ア:ソースプログラムそのもの(正解)
イ:データ通信のプロトコル
ウ:プログラムに組み込まれたアイディア
エ:プログラムのアルゴリズム
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著作物の保護範囲【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
著作権(著作者の創作した表現を保護する権利)は、具体的な「表現」そのものを保護します。人が書いたプログラムのソースコードは、文章や記述として固定された表現ですから、著作権の保護対象になります。したがって、選択肢の中では ア のソースプログラムそのものが著作権で保護されます。
一方で、プロトコルやアイディア、アルゴリズムは「方法」「考え方」「手順」といった抽象的なものです。著作権は抽象的なアイディアや手法そのものを保護しません。これらは特許(patent:発明を保護する制度)や営業秘密(trade secret)など、別の法制度や管理手段で守ることになります。
解法ステップ
- 著作権の保護対象が「表現」であることを確認する。
- 著作権は「思想・感情そのもの」ではなく、それを具体的に表現した文章や図面などを守る。
- 各選択肢を「表現か否か」で分類する。
- ソースプログラム:人が書いたコード → 表現 → 保護対象。
- データ通信のプロトコル:通信の手順やルール → 方法・手続き → 保護対象外(ただし仕様書の文書は表現として保護され得る)。
- プログラムに組み込まれたアイディア:発想そのもの → 保護対象外。
- アルゴリズム:問題を解く手順 → 方法・手続き → 保護対象外(ただし特許の対象になり得る)。
- 最も直接的に「著作物」に該当するものを選ぶ → ア。
選択肢別の誤答解説
-
ア: ソースプログラムそのもの
- 正しい。ソースコードは文字列として記述された創作的表現であり、著作権によって複製・翻案などが制限される。
- 補足:コンパイルしたバイナリ(オブジェクトコード)も、ソースコードの「翻訳」と見なされ著作権で保護されます。
-
イ: データ通信のプロトコル
- 間違い。プロトコル自体は通信を行う「手順・方式」であり、著作権の保護対象ではない。ただし、プロトコルの仕様書や説明文書は文書として著作権で保護される可能性がある点に注意。
-
ウ: プログラムに組み込まれたアイディア
- 間違い。アイディアや概念そのものは著作権で保護されない。アイディアを守りたい場合は、特許や秘密保持(NDA)、契約での権利帰属などを検討する。
-
エ: プログラムのアルゴリズム
- 間違い。アルゴリズムは問題解決の手順・方法であり、著作権の対象外。ただし、アルゴリズムが「発明」の要件(新規性・進歩性など)を満たせば、特許で保護できる可能性がある。
よくある誤解
- 「仕様やアイディアを文書にすれば著作権で完全に守れる」
- 文書自体は著作権で保護されますが、文書に書かれた手順や方法(仕様そのもの)は著作権でその効力を制限できません。公開すると営業秘密性は失われます。
- 「アルゴリズム=著作権で守られる」
- アルゴリズムは原則著作権外です。技術的に守るなら特許か社内管理(秘密保持)を検討します。
- 「ソースを渡せば著作権は移る」
- 成果物を渡すだけでは著作権の帰属は自動で移らないことがあります。委託開発時は契約で著作権の帰属や利用許諾を明文化することが重要です。
補足コラム
職場でソフトウェア開発を外注する場合は次を確認してください。
- 契約書に「著作権の帰属」や「利用許諾(ライセンス)」を明記する。帰属を受注者に放置すると社内利用に制約が生じることがあります。
- 仕様書や設計書は著作権で保護されますが、競争上重要なノウハウは公開しない、あるいはNDA(秘密保持契約)で保護する。
- アルゴリズムを独占的に守りたい場合は、特許出願の可否を検討する(特許は公開要件や出願手続きが必要)。実務では弁理士や法務担当と相談してください。
FAQ
Q: コンパイル後の実行ファイル(バイナリ)は著作権で守られますか?
A: はい。バイナリはソースコードの変形(翻訳)とみなされ、著作権の保護対象です。無断複製や逆コンパイルに制限がかかる場合があります。
A: はい。バイナリはソースコードの変形(翻訳)とみなされ、著作権の保護対象です。無断複製や逆コンパイルに制限がかかる場合があります。
Q: プロトコルの「仕様書」を公開したらどうなりますか?
A: 仕様書の文章は著作権で保護されますが、公開するとその手順自体は公開情報になり、営業秘密としての保護は失われます。公開の可否は業務方針で判断してください。
A: 仕様書の文章は著作権で保護されますが、公開するとその手順自体は公開情報になり、営業秘密としての保護は失われます。公開の可否は業務方針で判断してください。
Q: アルゴリズムを特許にできますか?
A: アルゴリズム自体は特許の対象になり得ますが、国や出願内容によって要件(新規性・進歩性・技術性など)が異なります。特許にするには出願手続きと公開が伴います。専門家に相談してください。
A: アルゴリズム自体は特許の対象になり得ますが、国や出願内容によって要件(新規性・進歩性・技術性など)が異なります。特許にするには出願手続きと公開が伴います。専門家に相談してください。
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