情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問37
問題文
システムテストの監査におけるチェックポイントのうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:テスト計画は事前に利用者側の責任者だけで承認されていること
イ:テストは実際に業務が行われている環境で実施されていること
ウ:テストは独立性を考慮して、利用者側の担当者だけで行われていること
エ:例外ケースや異常ケースを想定したテストが行われていること(正解)
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例外・異常ケースの検証【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
システムテスト(システム全体の検証)で最も重要なのは、正常系だけでなく異常系や例外ケースも含めて検証することです。エ「例外ケースや異常ケースを想定したテストが行われていること」は、障害発生時の挙動、エラーハンドリング、データ整合性、ログ記録、復旧手順などが正しく機能するかを確認する点で監査の主要チェック項目です。攻撃や想定外入力、誤操作があった場合に備えることは情報セキュリティ上も重要であり、監査人はこれらのネガティブテスト(負の検証)を重視します。
解法ステップ
- 問題の目的を確認:監査のチェックポイントは「欠陥やリスクを見つけられるか」が中心であると認識する。
- 各選択肢を「監査が重視する観点」で評価する:網羅性、独立性、環境の安全性、テスト内容。
- 正常系だけでなく異常系(例:不正入力、通信断、リソース枯渇)の検証があるかを基準に選ぶ。
- 結果として、異常・例外系を想定したテストを含む エ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: テスト計画は事前に利用者側の責任者だけで承認されていること
- 誤り。承認は重要ですが、「利用者だけ」では偏りが出ます。開発側や品質保証(QA:Quality Assurance)担当、運用担当など関係者の合意と文書化が必要です。監査では誰が承認したかだけでなく、承認者の関与範囲や合意内容も確認します。
-
イ: テストは実際に業務が行われている環境で実施されていること
- 誤り。実運用(本番)環境で直接テストするのはリスクがあります。ステージング環境(本番に近い検証用環境)で本番と同等の条件を再現してテストするのが一般的です。本番でのテストは最小限かつ厳格な制御(窓口、バックアップ、ロールバック手順)下でのみ行うべきです。
-
ウ: テストは独立性を考慮して、利用者側の担当者だけで行われていること
- 誤り。「独立性」とは、テスト実施者が結果に影響されないことを意味しますが、利用者だけで行うのは独立性に反します。独立したテストチームや第三者評価が望ましく、利用者はユーザー受入(UAT:User Acceptance Test)などで関わるのが適切です。
-
エ: 例外ケースや異常ケースを想定したテストが行われていること
- 正解。異常系テストにより、エラーハンドリング、障害時の安全性、情報漏えい防止、データ保全などが確認でき、監査で重視されます。監査人は異常時のログや復旧手順の検証痕跡(テスト結果・証跡)を求めます。
よくある誤解
- 「テストは本番でやれば一番正確」
- 本番でのテストは現実的ですがリスクが大きいです。代わりに本番に近いステージング環境で行い、問題が無ければ慎重に本番投入します。
- 「ユーザーが確認すれば十分」
- ユーザー確認は重要ですが、独立したテストと組み合わせることでバイアスを減らし、品質やセキュリティを高められます。
- 「正常に動けばテスト完了」
- 正常系だけではエラー・攻撃・例外時の挙動が不明瞭です。異常系テストを行わないと重大な欠陥を見落とします。
補足コラム
監査で求められる実務的な準備例(職場での運用イメージ):
- テスト計画書に「正常系」「異常系」「境界値」「性能」「セキュリティ」などのテスト項目を明記する。
- 各テストケースに対して期待結果と実施結果を記録し、担当者がサイン(電子署名可)する。
- ステージング環境の構成図、テストデータの作成・消去手順、復旧(ロールバック)手順を用意する。
- 異常時のログ出力やエラーメッセージが適切か、個人情報が誤って表示/流出しないかも確認する。
監査人はこれらの文書と実行痕跡(ログ、結果報告)を確認します。短く言えば、「どう試したか」「何が起きたか」「どう対処したか」が記録されていることが重要です。
FAQ
Q. 本番データを使って異常系テストしてもよいですか?
A. 個人情報など機微なデータは模擬データで代替してください。本番データを使う場合はマスキングや厳格なアクセス制御が必要です。
A. 個人情報など機微なデータは模擬データで代替してください。本番データを使う場合はマスキングや厳格なアクセス制御が必要です。
Q. どの程度の例外ケースを用意すればよいですか?
A. 代表的なものは、入力値の異常(長さ、型、範囲外)、通信断、リソース不足(ディスク満杯)、権限不正、同時アクセスなどです。要件やリスクに応じて優先順位付けします。
A. 代表的なものは、入力値の異常(長さ、型、範囲外)、通信断、リソース不足(ディスク満杯)、権限不正、同時アクセスなどです。要件やリスクに応じて優先順位付けします。
Q. 監査に提出する資料は何が必要ですか?
A. テスト計画書、テストケース(期待結果含む)、実施結果(ログ・スクリーンショット)、不具合一覧と対応履歴、最終的な受入判定書などが一般的です。
A. テスト計画書、テストケース(期待結果含む)、実施結果(ログ・スクリーンショット)、不具合一覧と対応履歴、最終的な受入判定書などが一般的です。
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