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情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A)38


問題文

システム監査人が、監査報告書の原案について被監査部門と意見交換を行う目的として、最も適切なものはどれか。

選択肢

監査依頼者に監査報告書を提出する前に、被監査部門に監査報告を行うため
監査報告書に記載する改善勧告について、被監査部門の責任者の承認を受けるため
監査報告書に記載する指摘事項及び改善勧告について、事実誤認がないことを確認するため(正解)
監査報告書の記載内容に関して調査が不足している事項を被監査部門に口頭で確認することによって、不足事項の追加調査に代えるため

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監査報告の事実確認【情報セキュリティマネジメント解説】

システム監査人(情報システムの監査を行う人)が監査報告書原案について被監査部門(監査を受ける部署)と意見交換する主な目的は、報告に書く指摘や改善勧告の事実関係に誤りがないかを確かめることです。選択肢では がこれに当たります。

正解の理由

監査の基本は「事実に基づく指摘」を行うことです。監査報告書には、観察した事実(例:設定ミス、手続きの不備)と、それに基づく評価や改善勧告が記載されます。被監査部門との意見交換は、報告書に記載する事実誤認(事実の取り違えや記載漏れ)がないかを確認し、必要ならば事実を訂正・補強するために行います。したがって、意見交換の目的は報告内容の正確性確認であり、選択肢の が最も適切です。
ここで重要なのは、意見交換は「被監査部門の承認を得る場」でも「追加調査をすべて代替する場」でもない点です。監査人の独立性(独立性:外部からの影響を受けずに判断すること)や職責は保たれます。

解法ステップ

  1. 「監査人が被監査部門と意見交換する目的」を単純化する:事実確認か承認か調査代替かを判別する。
  2. 各選択肢を「監査の原則(事実基づくこと・独立性・十分な監査手続き)」に照らして評価する。
  3. 「承認を得る」「調査不足を口頭で補う」は監査の原則と矛盾するため除外する。
  4. 残った「事実誤認の確認」が監査の目的に一致するため正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • : 「監査依頼者に提出する前に被監査部門に監査報告を行うため」
    誤り。被監査部門への報告は事実確認が目的であり、「監査報告を行う(報告承認)」こと自体が目的ではない。監査報告書の正式な提出・配布は監査手続きや組織のルールに従う。
  • : 「改善勧告について、被監査部門の責任者の承認を受けるため」
    誤り。監査人は改善勧告を提案する立場であり、被監査部門の承認を得ることは目的ではない。承認を求めると監査人の独立性や客観性が損なわれる可能性がある。
  • : 「指摘事項及び改善勧告について、事実誤認がないことを確認するため」
    正解。意見交換は事実の確認と、必要に応じた訂正や補足のために行う。監査結果の正確性を担保するための重要な手続きである。
  • : 「調査が不足している事項を被監査部門に口頭で確認して、追加調査に代えるため」
    誤り。口頭確認だけで調査不足を補うことは不十分。監査証拠(監査の根拠となる記録や記述)を残す必要があり、必要なら監査人自ら追加の調査や証拠収集を行うべきである。

よくある誤解

  1. 「被監査部門と意見交換=改善勧告の同意を得る場」
    実務では同意を得る場ではありません。あくまで事実の確認や誤解を解くための場です。改善の実施や合意は別のフォローアップで扱います。
  2. 「口頭で説明を受ければ調査は不要」
    口頭説明は参考になりますが、監査証拠として十分かどうかは別問題です。重要な点は文書やログなどの客観証拠で裏付けることです。

補足コラム

実務での意見交換のやり方(簡単な手順例)
  • 事前に原案を配布し、被監査部門に目を通してもらう。
  • 意見交換は会議として記録(日時・参加者・主な論点)を残す。
  • 被監査部門からの指摘は「事実誤認」「評価の誤解」「追加証拠の提示」に分類。
  • 事実誤認があれば監査人は証拠を再確認・訂正する。
  • 評価や勧告についての意見は参考意見として記録し、監査人の最終判断は監査職責に基づき行う。
    これにより、報告の透明性が高まり、後のトラブル(「言った・言わない」)を防げます。
職場でのイメージ:書類の誤字を見つけて担当者に確認するのと同じです。ただし、単に承認を得るためではなく、事実関係を正確にするために行います。

FAQ

Q1: 被監査部門が事実誤認を指摘したら必ず報告を修正するべきですか?
A1: 指摘の内容を証拠で確認し、正当なら修正します。被監査部門の主張だけで修正するのは不適切です。
Q2: 意見交換で出た説明は記録しなくてもよいですか?
A2: 記録(議事録やメール)は残すべきです。後で証拠や説明の裏付けとして必要になるためです。
Q3: 意見交換で改善勧告の「承認」を得ても意味がありますか?
A3: 形式的な承認は監査人の独立性を損なう危険があるため、承認を目的にしてはいけません。被監査部門の反応は記録し、勧告は監査人が最終判断します。

関連キーワード: 監査報告、事実確認、被監査部門、監査証拠、改善勧告、独立性、意見交換、内部監査、監査手続き
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