情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A) 問09
問題文
ネットワーク障害の発生時に、その原因を調べるために、ミラーポート及びLANアナライザを用意して、LANアナライザを使用できるようにしておくときに、留意することはどれか。
選択肢
ア:LANアナライザがパケットを破棄してしまうので、測定中は測定対象外のコンピュータの利用を制限しておく必要がある。
イ:LANアナライザはネットワークを通過するパケットを表示できるので、盗聴などに悪用されないように注意する必要がある。(正解)
ウ:障害発生に備えて、ネットワーク利用者に対してLANアナライザの保管場所と使用方法を周知しておく必要がある。
エ:測定に当たって、LANケーブルを一時的に抜く必要があるので、ネットワーク利用者に対して測定日を事前に知らせておく必要がある。
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LANアナライザ運用上の留意点【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
ミラーポート(スイッチの特定ポートの通信内容をコピーする機能)で流れるパケットをLANアナライザ(パケットを捕まえて中身を解析するツール)に送ると、ネットワーク上の通信内容をそのまま観察できます。したがって、通信の中に含まれる個人情報や機密情報を第三者が見られないよう、盗聴に悪用されない対策が必要です。選択肢の中ではこの点を指摘している イ が正解です。
ポイントは「ミラーリング+アナライザ=通信の可視化→情報漏えいリスクがある」という因果関係です。運用時はアクセス制御や暗号化、ログ管理などの対策が重要になります。
解法ステップ
- ミラーポートとLANアナライザの動作を簡単に理解する(通信のコピーを取得して解析する仕組み)。
- その仕組みから生じる主なリスクを考える(何が見えるか、誰が見られるか)。
- 各選択肢がそのリスクに対応しているかを照らし合わせる。
- 「通信を盗聴できる点に注意する」を指摘する選択肢が該当するため イ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「LANアナライザがパケットを破棄してしまうので、測定中は利用制限が必要」
→ ミラーポートはネットワーク上の通信をコピーするだけで、通常は本来の通信を止めたり破棄したりしません。局所的にキャプチャ機器がパケットを取りこぼす(記録漏れ)ことはあっても、それがネットワーク利用の停止を必要とする理由にはなりません。よって誤りです。 -
イ: 「ネットワークを通過するパケットを表示できるので、盗聴などに悪用されないよう注意する必要がある」
→ 正解。捕獲したパケットには平文のパスワードや個人情報が含まれる可能性があります。適切な管理と制限が必須です。 -
ウ: 「利用者に対してLANアナライザの保管場所と使用方法を周知しておく必要がある」
→ 保管・運用規程を整備することは良い運用ですが、問題文の「留意すること」として最も重要な点は盗聴対策であり、周知事項の細部(保管場所や手順の周知)は優先度が下がります。よって不適切。 -
エ: 「測定に当たってケーブルを抜く必要があるので測定日を知らせる必要がある」
→ ミラーリングやTAP(物理分岐器)によるキャプチャは通常、ネットワークの接続を遮断せずに行えます。したがって事前に利用者へ停止連絡する必要は基本的にありません。よって誤り。
よくある誤解
- ミラーポートやLANアナライザは「ネットワークを壊す」ことがあると考える誤解。多くの場合は受動的にコピーするだけで、ネットワーク自体には影響しません。ただし高負荷でキャプチャ機器が遅延することはあり得ます。
- キャプチャデータは「ただのファイル」だから安全、と考える誤解。パケットには個人情報や社内機密が含まれるため厳重に管理する必要があります。
- 「暗号化されていれば安全」と思い込む誤解。暗号化されていない通信や、暗号化の設定・証明書の問題で復号可能な場合もあります。
補足コラム
実務では以下のような運用ルールを用意すると安全に使えます。
- 事前承認:誰がいつ何を目的にキャプチャするかを承認する仕組み。
- 最小権限:キャプチャデータへアクセスできる人を限定する。
- 保管と削除:キャプチャファイルは暗号化して保管し、目的が達成したら速やかに安全に削除する。
- 監査ログ:いつ誰がキャプチャを開始・停止したかを記録する。
- 物理管理:キャプチャ機器は施錠した場所に保管する。
- 代替手段:作業中に利用者へ影響を与えないようTAP(Network TAP)や管理VLANでの取得を検討する。
職場イメージ:総務が監査のためにネットワークのトラフィックを取る場面でも、必ずIT管理者と共に手続き・ログ・保存規則を決め、個人情報保護ルールに従います。
FAQ
Q: ユーザに事前連絡は必要ですか?
A: 原則としてキャプチャ自体がネットワークを切らない限り、全社的な停止通知は不要です。ただし法務や個人情報保護の観点で事前承認や関係者への通知が求められる場合があります。
A: 原則としてキャプチャ自体がネットワークを切らない限り、全社的な停止通知は不要です。ただし法務や個人情報保護の観点で事前承認や関係者への通知が求められる場合があります。
Q: どれくらいの期間キャプチャファイルを保持すべきですか?
A: 最小限の期間にとどめ、目的達成後は速やかに削除するのが原則です。保持期間は社内ポリシーで定めてください(例:7日〜30日など)。保存中は暗号化とアクセス制御を必ず行ってください。
A: 最小限の期間にとどめ、目的達成後は速やかに削除するのが原則です。保持期間は社内ポリシーで定めてください(例:7日〜30日など)。保存中は暗号化とアクセス制御を必ず行ってください。
Q: 捕まえたデータを第三者サービスで解析しても良いですか?
A: 機密情報や個人情報を含む可能性が高いので安易に外部サービスへ渡すのは避け、必要なら法務・委託管理の手続きを行ってください。
A: 機密情報や個人情報を含む可能性が高いので安易に外部サービスへ渡すのは避け、必要なら法務・委託管理の手続きを行ってください。
関連キーワード: ミラーポート、LANアナライザ、パケットキャプチャ、盗聴対策、監査ログ、TAP、管理VLAN、暗号化、アクセス制御、キャプチャファイル管理

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