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情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A)10


問題文

SPF (Sender Policy Framework)の仕組みはどれか。

選択肢

電子メールを受信するサーバが、電子メールに付与されているディジタル署名を使って、送信元ドメインの詐称がないことを確認する。
電子メールを受信するサーバが、電子メールの送信元のドメイン情報と、電子メールを送信したサーバのIPアドレスから、ドメインの詐称がないことを確認する。(正解)
電子メールを送信するサーバが、送信する電子メールの送信者の上司からの承認が得られるまで、一時的に電子メールの送信を保留する。
電子メールを送信するサーバが、電子メールの宛先のドメインや送信者のメールアドレスを問わず、全ての電子メールをアーカイブする。

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送信ドメイン認証(SPF)【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

選択肢が正解なのは、SPF(Sender Policy Framework:送信元を検証する仕組み)が「送信元ドメインがそのメールを送ることを許可した送信サーバのIPアドレスか」を受信側がDNS(Domain Name System:ドメイン名とIPアドレスを対応付ける仕組み)に設定されたTXTレコードで確認する仕組みだからです。
具体的には、送信ドメインが公開しているSPFレコードに記載された許可IPと、実際に接続してきた送信サーバのIPを突き合わせて、詐称(なりすまし)を検出します。したがって、選択肢の説明がSPFの動作と一致します。
(補足)選択肢アは電子署名を使う仕組みで、これはDKIM(DomainKeys Identified Mail:電子署名による認証)に当たります。SPFは署名ではなくIPの照合です。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている用語を特定する(今回なら「SPF」)。
  2. SPFの目的を思い出す:「送信元ドメインの詐称を検出して迷惑メールやフィッシングを防ぐ」。
  3. 各選択肢のキーワードで仕組みを照らし合わせる。
    • 「ディジタル署名」はDKIMに一致する(SPFではない)。
    • 「送信元ドメイン情報と送信サーバのIPアドレスの突合」はSPFそのもの。
    • その他(上司の承認、一括アーカイブ)はメール運用の別機能でSPFと無関係。
  4. 一番合致する選択肢を選ぶ(この場合は)。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 電子メールに付与されたディジタル署名を使う仕組みはDKIMです。DKIMはメール本文やヘッダに署名を付け、受信側が公開鍵で検証します。SPFは署名ではなく、送信に使われたサーバのIPとDNSのSPFレコードを比較します。
  • イ: 受信サーバが送信元ドメインのDNSにあるSPFレコードと、実際に接続してきた送信サーバのIPアドレスを照合して詐称を確認する、これがSPFの基本です。
  • ウ: 送信を上司の承認で保留するのは組織の業務ポリシーやワークフローの話で、SPFの機能ではありません。
  • エ: すべてのメールをアーカイブするのはメールアーカイブ機能やコンプライアンス対策で、SPFとは無関係です。

よくある誤解

  1. 「SPFはFromヘッダ(ユーザーに見える差出人)を直接検証する」
    • 実際にはSPFはSMTPセッションで使われるエンベロープ送信者(MAIL FROM)やReturn-Pathに基づいて検査します。ユーザーが表示するFromヘッダと一致しない場合があります。
  2. 「SPFがあればメールのなりすましは完全に防げる」
    • SPFは有効な手段ですが、転送(フォワーディング)で破綻する場合や、Fromヘッダを偽る他の手法には無力です。DKIMやDMARCと組み合わせるのが望ましいです。
  3. 「SPFの設定はメールサーバ側でするもの」
    • SPFレコードは送信ドメインのDNSにTXTレコードとして設定します。メールサーバではそのDNS情報を参照して検証します。

補足コラム

  • SPFのDNSレコード例(よくある形式):
v=spf1 ip4:203.0.113.10 include:mail.example.com -all
  • v=spf1:SPFバージョン
  • ip4:...:許可する送信元IP
  • include::外部サービス(例:メール配信業者)を許可する指定
  • -all:記載以外はすべて拒否する(fail)
  • 運用での注意点(職場での実務イメージ)
    • 社外のメール配信サービスやクラウドサービスを使うときは、必ずSPFレコードにそのサービスの送信IPやincludeを追加します。マーケティング部が外部ツールでメール送信する場合、総務やIT窓口に連絡してDNSを更新するルールを作ると実務がスムーズです。
    • DNSの参照(include)や多重の参照は、SPFで許されるDNSルックアップ回数(上限)があるため注意が必要です。

FAQ

Q1: SPFは誰が設定するのですか?
A1: ドメインのDNSを管理する担当(会社では総務やITベンダー、外部DNS管理業者)がSPFレコード(TXT)を登録します。送信に使う外部サービスがあれば、その情報をもらってDNSに追記します。
Q2: 送信元が拒否されたら受信側でどう扱われますか?
A2: SPF検証で「fail」になった場合、受信側ポリシーによって拒否、隔離(迷惑メールフォルダへ)、または受信して警告を付ける、など様々です。組織のメールセキュリティポリシーで決めます。
Q3: SPFだけで十分ですか?
A3: 完全ではありません。SPFは有効ですが、転送問題やFromヘッダの偽装には弱いので、DKIM(署名)やDMARC(ポリシー連携)と組み合わせて導入するのが推奨です。

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