情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A) 問11
問題文
UPSの導入によって期待できる情報セキュリティ対策としての効果はどれか。
選択肢
ア:PCが電力線通信(PLC)からマルウェアに感染することを防ぐ。
イ:サーバと端末間の通信における情報漏えいを防ぐ。
ウ:電源の瞬断に起因するデータの破損を防ぐ。(正解)
エ:電子メールの内容が改ざんされることを防ぐ。
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UPSによるデータ保護【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
この問題の正解は ウ です。UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)は停電や瞬断の際にバッテリーで電力を一時的に供給します。これにより、作業中のデータを書き込む途中で電源が途切れることを防ぎ、ファイル破損やデータベースの整合性破壊など「電源の瞬断に起因するデータの破損」を防げます。
他の選択肢(ネットワーク経路の暗号化やメールの署名など)が扱う情報漏えいや改ざん防止とは目的が異なり、UPSは電源の安定供給に特化した対策です。
他の選択肢(ネットワーク経路の暗号化やメールの署名など)が扱う情報漏えいや改ざん防止とは目的が異なり、UPSは電源の安定供給に特化した対策です。
解法ステップ
- UPS の正体を確認する:UPS = 無停電電源装置(非常用バッテリーで電力を供給する装置)。
- UPS ができることを列挙する:瞬断の吸収、一定時間の電力供給、シャットダウンの猶予、電力品質の改善(機種による)。
- 各選択肢を「電源に関係あるか」で絞る。電源問題に直接関係するのはデータ破損の防止のみ。
- よって「電源の瞬断に起因するデータの破損を防ぐ」ウを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: PCが電力線通信(PLC:Power Line Communication)からマルウェアに感染することを防ぐ。
→ UPS は電力の供給・バックアップを行う装置であり、通信経路上のマルウェア感染を防ぐ機能はありません。PLC経由のマルウェア対策は通信フィルタ、エンドポイント対策、ネットワーク分離などが必要です。 -
イ: サーバと端末間の通信における情報漏えいを防ぐ。
→ 情報漏えいは通信の盗聴や不正アクセスが原因です。通信の秘匿には暗号化(TLSなど)やアクセス制御が必要で、UPSはこれらの通信防護には関与しません。 -
ウ: 電源の瞬断に起因するデータの破損を防ぐ。
→ 正答。UPSが電力を一時供給することで、書き込み途中のファイルやデータベースの破損を防ぎます。サーバに対してはOS連携で自動シャットダウンを行う設定も可能です。 -
エ: 電子メールの内容が改ざんされることを防ぐ。
→ メールの改ざん防止はデジタル署名(S/MIME、PGP)や送信経路の暗号化で対応します。UPS は電力対策であり、メールの整合性確保機能は持ちません。
よくある誤解
-
UPSは「あらゆるセキュリティ対策」を兼ねると思い込む。
→ 実際は電源の安定と短時間のバックアップに特化しています。マルウェア対策や通信暗号化は別の対策が必要です。 -
サージプロテクタ(雷サージ対策)とUPSを同じものと考える。
→ サージプロテクタは過電圧の抑制が主目的で、バッテリーによるバックアップはありません。機種によってはUPSにサージ保護機能が付くことがありますが、別機能です。 -
「バッテリーがあるから永遠に動く」と思う。
→ UPSは短時間の電源確保を目的とします。長時間稼働や連続稼働は設計容量(VA/W、バッテリー容量)に依存します。
補足コラム
職場での運用イメージ:サーバや重要なネットワーク機器にUPSを接続しておくと、停電が起きても数分〜十数分は稼働します。この間に自動的に安全にシャットダウンするスクリプトをOSに組み込めば、ファイルシステムの整合性を保てます。定期的なバッテリー点検と負荷(接続機器の合計消費電力)確認が重要です。UPSを選ぶときは、想定負荷に対して必要な「稼働時間(runtime)」と「出力波形(正弦波が望ましい)」を確認してください。
補足技術用語:
- 出力波形:疑似正弦波と正弦波(純正弦波)があり、サーバやUPS対応機器では純正弦波が好ましい。
- シャットダウン連携:UPS管理ソフトでOSへシャットダウン指示を送る機能がある。
FAQ
Q: UPSはどのくらいの時間もつべきですか?
A: 目的で異なります。安全にシャットダウンするだけなら数分〜10分程度で足ります。短時間でも継続業務を維持したい場合は、必要な稼働時間(例:30分、1時間)を想定して選びます。
A: 目的で異なります。安全にシャットダウンするだけなら数分〜10分程度で足ります。短時間でも継続業務を維持したい場合は、必要な稼働時間(例:30分、1時間)を想定して選びます。
Q: ノートPCのバッテリーとUPSは同じ役割ですか?
A: 似ていますが用途が違います。ノートPCは個人の移動用で、UPSは複数機器やサーバの「常時」バックアップ・電力品質改善を目的とします。
A: 似ていますが用途が違います。ノートPCは個人の移動用で、UPSは複数機器やサーバの「常時」バックアップ・電力品質改善を目的とします。
Q: 停電以外にUPSが役立つ場面は?
A: 電圧低下(ブラウンアウト)や瞬間的な電圧変動の吸収、短時間の電源ノイズの緩和にも寄与します。
A: 電圧低下(ブラウンアウト)や瞬間的な電圧変動の吸収、短時間の電源ノイズの緩和にも寄与します。
関連キーワード: UPS、無停電電源装置、データ破損防止、電源冗長化、シャットダウン連携、サージ保護、電力品質管理

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