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情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A)18


問題文

社内ネットワークとインターネットの接続点に、ステートフルインスペクション機能をもたない、静的なパケットフィルタリング型のファイアウォールを設置している。このネットワーク構成において、社内のPCからインターネット上のSMTPサーバに電子メールを送信できるようにするとき、ファイアウォールで通過を許可するTCPパケットのポート番号の組合せはどれか。ここで、SMTP通信には、デフォルトのポート番号を使うものとする。
情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A) 問18の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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SMTPの送受信ポート組合せ【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

この問題では、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol:電子メール送信のための通信規格)を使って社内PCから外部のSMTPサーバへメールを送る場面です。TCP(Transmission Control Protocol:信頼性のある通信プロトコル)では、通信を始める側が「送信元ポート(通常は1024以上の一時ポート=エフェメラルポート)」を使い、相手の「宛先ポート(サーバの待ち受けポート)」に接続します。SMTPのデフォルト待ち受けポートは25番です。
問いのファイアウォールは「静的なパケットフィルタリング型」(接続の状態を追跡しない)ため、返送パケット(サーバ→クライアント)を許可するには、サーバ側の送信元ポートとクライアント側の宛先ポートの組合せも明示的に許可する必要があります。したがって、クライアント→サーバの組合せが「送信元:1024以上、宛先:25」になり、サーバ→クライアントが「送信元:25、宛先:1024以上」となる選択肢、すなわち が正解です。

解法ステップ

  1. SMTPの標準ポート番号を確認する。答え:25番。
  2. クライアント(社内PC)は接続を開始する側なので、送信元ポートは通常1024以上のエフェメラルポートを使う。
  3. TCPは双方向の応答(SYN/SYN-ACK/ACK)を行うので、戻りのパケット(サーバ→PC)もファイアウォールで許可する必要がある。
  4. 静的パケットフィルタは「状態を覚えない」ため、戻りパケットについても送信元・宛先ポートの組合せで明示許可が必要。
  5. 以上を満たす組合せを選ぶと、クライアント→サーバが「送信元:1024以上/宛先:25」、サーバ→クライアントが「送信元:25/宛先:1024以上」である

選択肢別の誤答解説

  • ア:クライアント側の送信元ポートが25になっている(「送信元: PC/送信元ポート:25」)。これは通常ありえません。サーバの待ち受けポート25に対し、クライアントはエフェメラルポートを送信元に使います。
  • イ:110番はPOP3(Post Office Protocol 3:メール受信プロトコル)のポートです。今回の送信はSMTPの通信なのでポート番号が異なります。
  • :クライアント→サーバが「src:1024以上 → dst:25」、サーバ→クライアントが「src:25 → dst:1024以上」となり、静的フィルタで双方向のTCP通信を成立させる正しい組合せです。
  • エ:宛先ポートが110となっており、これもPOP3に対応する番号でSMTP送信には不適切です。

よくある誤解

  • 静的フィルタでも「戻り通信は自動で通る」と考えてしまうこと。実際は状態を保持しないため明示許可が必要です。
  • 「25番がどちら側か混同する」問題。サーバの待ち受けポートが25で、クライアントは高い番号(1024以上)を送信元に使います。
  • SMTP送信=メール全般と思い込み、POP3(受信)やIMAPのポートを混同すること。用途ごとにポートが異なります。

補足コラム

  • 「静的なパケットフィルタリング型ファイアウォール」は、IPアドレスやポート番号などパケットの表層情報で判定します。一方で「ステートフルインスペクション(stateful inspection)」は、TCPの接続状態(セッション)を追跡して、クライアントが開始した接続の戻りパケットを自動で許可できます。実務では、セキュリティと使い勝手の両面からステートフルなものが一般的です。
  • 実際のメールクライアントは、認証付き送信に「587(Submission)」や暗号化の「465(SMTPS)」を使うことが多く、社内運用ではこれらのポートも検討します。本問題は「デフォルトのポート番号」を前提にしている点に注意してください。
  • エフェメラルポートの範囲はOSによって違いますが、試験問題では「1024以上」として扱うことが多いです。職場でルールを作る際は、どのポートが使われるかを明確にしてファイアウォールの設定に反映させましょう。

FAQ

Q. なぜクライアントの送信元ポートは1024以上か?
A. 0〜1023は「ウェルノウンポート(よく使われる標準サービス)」で、サーバが待ち受けに使う番号です。クライアントは一時的な識別子として高い番号(エフェメラルポート)を割り当てられます。
Q. ステートフルなファイアウォールなら設定はどう違う?
A. ステートフルでは「クライアント→宛先ポート25へのアウトゴーイング」を許可すれば、返りのパケットは接続状態に基づき自動で許可されるため、個別にサーバ→クライアントのルールを追加する必要は通常ありません。
Q. メールの受信(ユーザ端末がメールを読む)ではどのポート?
A. 代表的なのはPOP3で110番、IMAPは143番(暗号化はそれぞれ465/993など)。送信はSMTPの25番(あるいは587/465)です。

関連キーワード: SMTP、TCP、ポート番号、パケットフィルタリング、ステートフル、エフェメラルポート、ファイアウォール設定、ネットワーク基礎
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