情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A) 問28
問題文
電子メールの本文を暗号化するために使用される方式はどれか。
選択肢
ア:BASE64
イ:GZIP
ウ:PNG
エ:S/MIME(正解)
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電子メール暗号化方式【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
電子メールの本文を「暗号化」して第三者から読めなくするには、メール自体のための暗号化・署名の規格である S/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions:メールの暗号化と電子署名の標準)が使われます。したがって選択肢のうち暗号化機能を持つのは エ の S/MIME です。
- S/MIME は公開鍵暗号方式(PKI:Public Key Infrastructure、公開鍵基盤)を使い、送信者が受信者の公開鍵で本文を暗号化します。受信者は自分の秘密鍵で復号して本文を読む仕組みです。
- 他の選択肢は「暗号化」ではなく、データの変換や圧縮、画像形式など別目的の技術です。これらは本文を読めなくする目的(機密保持)には適しません。
解法ステップ
- 問題の目的を確認:本文を「暗号化」して第三者に読まれないようにする方法を探す。
- 各選択肢の役割を短く思い出す:
- BASE64:バイナリ→テキストの「エンコード(変換)」
- GZIP:データの「圧縮」
- PNG:画像ファイル形式
- S/MIME:メールの「暗号化/電子署名」規格
- 暗号化を行うものを選ぶ。よって S/MIME(エ)が該当。
選択肢別の誤答解説
- ア: BASE64(ベース64)
- 役割:バイナリデータをメール本文で扱えるように文字列に変換する「エンコード」。暗号化ではないため、復号(デコード)すれば誰でも元の内容が読めます。機密性を保つ手段ではありません。
- イ: GZIP(ジーザップ)
- 役割:データ圧縮の方式。送信データを小さくする目的で使います。圧縮は可逆的なので暗号化とは異なり、圧縮を解けば内容は読み取れます。
- ウ: PNG(ピング)
- 役割:画像ファイル形式(Portable Network Graphics)。メール本文の暗号化とは無関係です(画像にテキストを埋めるステガノグラフィ等は別話)。
- エ: S/MIME(エス・マイム)
- 役割:メールの本文・添付ファイルの暗号化および電子署名の標準。公開鍵/秘密鍵でエンドツーエンドの保護が可能。したがって正解。
よくある誤解
- 「BASE64は暗号化だ」と思う誤解
- BASE64はあくまでデータ形式を変換するだけ。隠す手段ではありません。メールソフトは自動でBASE64のエンコード/デコードを行います。
- 「転送経路が TLS なら中身は安全」と考える誤解
- TLS(送受信時の通信路暗号化)は送信経路上の盗聴を防ぎますが、メールサーバで復号される場合があり、受信者以外の第三者(中継サーバ管理者など)に内容が見える可能性があります。S/MIMEは受信者だけが復号できる「エンドツーエンド」暗号化です。
- 「S/MIME を使えば件名も隠せる」との期待
- 多くの実装では件名などの一部ヘッダは暗号化されません。本文や添付の保護が主眼です。
補足コラム
S/MIME とよく比較される技術に OpenPGP(オープンピージーピー)があります。どちらも公開鍵暗号を使ってメールの内容を暗号化・署名しますが、実装や証明書(鍵)の配布方法、互換性に違いがあります。企業では社内の証明書を発行して S/MIME を導入することが多く、運用では証明書の発行・更新・失効(リボーク)管理が重要です。
職場での運用イメージ:
- 社内のメールを暗号化したい場合、社員一人ひとりに証明書(公開鍵と秘密鍵)を配布します。
- 管理部門は証明書の発行・失効管理、メールクライアントの設定配布を行います。
- 社外の相手にも暗号化付きメールを送りたい場合は相手の公開鍵を事前に入手しておく必要があります。互換性がない相手には、パスワード付き暗号化ファイルで送る運用も併用します。
FAQ
Q1: 受信メールが暗号化されているかどうかはどう見分ける?
A1: 多くのメールソフトは暗号化や署名の有無をアイコンで示します。本文が読めず「暗号文」として届くか、ヘッダに S/MIME 関連の表示("S/MIME Encrypted" 等)が出ます。
A1: 多くのメールソフトは暗号化や署名の有無をアイコンで示します。本文が読めず「暗号文」として届くか、ヘッダに S/MIME 関連の表示("S/MIME Encrypted" 等)が出ます。
Q2: S/MIME 用の証明書はどうやって手に入れる?
A2: 企業は自前の CA(認証局)を立てて発行するか、商用の認証局から購入します。個人向けには無料・有料のサービスがあります。
A2: 企業は自前の CA(認証局)を立てて発行するか、商用の認証局から購入します。個人向けには無料・有料のサービスがあります。
Q3: 添付ファイルも暗号化されますか?
A3: はい。S/MIME ではメール本文だけでなく添付ファイルも同時に暗号化できます。
A3: はい。S/MIME ではメール本文だけでなく添付ファイルも同時に暗号化できます。
Q4: Gmail などの Web メールでも使えますか?
A4: 一部の Web メールやブラウザ拡張で S/MIME をサポートするものがありますが、標準の Web UI が対応していないこともあります。企業向けには専用の設定やクライアント利用が多いです。
A4: 一部の Web メールやブラウザ拡張で S/MIME をサポートするものがありますが、標準の Web UI が対応していないこともあります。企業向けには専用の設定やクライアント利用が多いです。
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