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情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A)30


問題文

PKI(公開鍵基盤)において、認証局が果たす役割の一つはどれか。

選択肢

共通鍵を生成する。
公開鍵を利用してデータを暗号化する。
失効したディジタル証明書の一覧を発行する。(正解)
データが改ざんされていないことを検証する。

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失効証明書の発行【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

PKI(公開鍵基盤:Public Key Infrastructure)は、公開鍵(だれでも使える暗号鍵)と所有者の身元を結びつける仕組みです。その中心にある認証局(Certification Authority:CA)は、公開鍵と所有者情報をまとめたディジタル証明書(電子証明書:public key certificate)を発行し、証明書に自らの電子署名を付けて信頼を与えます。
その運用上、証明書を取り消す必要が生じることがあります(例:秘密鍵が漏れた、退職した、誤って発行した等)。認証局はそのような「失効(取り消し)」を管理し、失効した証明書の一覧を公開します。これが選択肢の に当たります。公開された失効リストを確認することで、システムは「その証明書はもう使えない」と判断できます。したがって認証局の役割として正しいのは です。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている対象を明確にする(ここでは「認証局=CA」の役割)。
  2. CAの基本機能を思い出す:証明書の発行と署名、そして管理(失効管理を含む)。
  3. 各選択肢をCAの機能と照らし合わせて当てはめる。
    • CAは証明書の発行と取り消しを行う(合致)。
    • 暗号化やデータ改ざん検証はCAそのものの主たる処理ではない(除外)。
  4. 最終的に最も整合する選択肢を選ぶ()。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 共通鍵を生成する。
    共通鍵とは対称鍵(同じ鍵で暗号化・復号する鍵)です。共通鍵の生成や配布は別の仕組み(鍵管理システムや鍵配送プロトコル)で行われることが多く、CAの主な役割ではありません。CAは主に公開鍵(非対称鍵)の証明書化と管理を行います。
  • イ: 公開鍵を利用してデータを暗号化する。
    公開鍵を使った暗号化は通信の当事者(アプリケーションやソフト)が行います。CAは暗号処理(データの暗号化そのもの)を実行する役割ではなく、鍵と身元の結びつきを保証する役割です。
  • ウ: 失効したディジタル証明書の一覧を発行する。
    ここが正解です。CAは失効した証明書のリスト(CRL: Certificate Revocation List)を発行・公開したり、OCSP(Online Certificate Status Protocol:オンラインで証明書の有効性を確認する仕組み)で失効情報を提供します。
  • エ: データが改ざんされていないことを検証する。
    データの改ざん検証は受信側が署名検証などを行って判断します。CAは署名の検証そのものを行うのではなく、署名を検証するための「信頼できる証明書」を発行・管理します。つまり検証のための材料を提供する役目はあるが、実際の検証作業は利用者側の機能です。

よくある誤解

  • 誤解1: 「CAは暗号化サービスを提供する」
    → CAは暗号の処理(暗号化・復号)を行うことは基本的にありません。鍵の信頼性を保証する役割です。
  • 誤解2: 「一度発行された証明書は永久に有効」
    → 証明書には有効期限があり、さらに事情があればCAが失効(取り消し)します。運用での管理が重要です。

補足コラム

現代の運用では、CAが発行する「失効リスト(CRL)」と並んで「OCSP(Online Certificate Status Protocol)」がよく使われます。CRLは定期的に公開される失効一覧で、シンプルですが最新情報を得るのに遅れが生じることがあります。OCSPはオンラインで即座に個別の証明書の有効性を確認できる方式で、リアルタイム性が高い運用が可能です。職場では、社内のシステムやVPNで証明書を使うなら、証明書の失効手続き(離職時の即時失効など)とOCSP/CRLのチェック設定を整備しておくことが現実的な対策です。

FAQ

Q: 失効された証明書はどうやって見分けるのですか?
A: システムはCRLをダウンロードして照合するか、OCSPで即時確認します。どちらか一方、あるいは両方を使う設定が多いです。
Q: CAが不正ならどうなるのですか?
A: CA自体が信用できないと、そこから発行された証明書全体の信頼性が揺らぎます。信頼できるルートCAを厳選し、プライベートCAなら運用(鍵の保護、監査)を厳格に行う必要があります。
Q: 個人で使う証明書でも失効はあるのですか?
A: はい。個人の証明書でも秘密鍵が漏れた場合などは失効されます。ウェブサイトのSSL/TLS証明書も同様に管理されます。

関連キーワード: PKI、認証局、ディジタル証明書、CRL、OCSP、公開鍵、失効管理、証明書ライフサイクル、鍵管理
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