情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A) 問31
問題文
サイバーセキュリティ基本法の説明はどれか。
選択肢
ア:国民は、サイバーセキュリティの重要性に関する関心と理解を深め、その確保に必要な注意を払うよう努めるものとすることを規定している。(正解)
イ:サイバーセキュリティに関する国及び情報通信事業者の責務を定めたものであり、地方公共団体や教育研究機関についての言及はない。
ウ:サイバーセキュリティに関する国及び地方公共団体の責務を定めたものであり、民間事業者が努力すべき事項についての規定はない。
エ:地方公共団体を“重要社会基盤事業者”と位置づけ、サイバーセキュリティ関連施策の立案・実施に責任を負う者であると規定している。
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サイバーセキュリティ基本法の趣旨【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
サイバーセキュリティ基本法は、国家全体でサイバー攻撃などの脅威に対応するための基本的な枠組みを定める法律です。選択肢アが示すように、国や地方公共団体、事業者だけでなく、国民にも「関心と理解を深め、確保に必要な注意を払うよう努める」ことを求める、いわゆる「努力義務(努めるべき事項)」を規定しています。したがって、国民に対する努力義務を明記している点でアが正しい説明です。
(補足)「努力義務」とは、法的に罰則を伴う強制ではなく、社会全体で取り組むべき方向性を示す規定です。企業や自治体には実効的な対応が期待されますが、国民には主に認識・注意喚起の役割が求められます。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:サイバーセキュリティ基本法が「誰に何を求めているか」を問う問題だと認識する。
- 各選択肢で対象(国、地方公共団体、事業者、国民)と義務の有無を比べる。
- 基本法の役割を思い出す:国家・自治体・事業者の責任を示し、国民への努力義務も明記する点をチェック。
- 選択肢と照合して、国民への努力義務を明記しているアを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正答)
国だけでなく国民にも「関心と理解を深め、注意を払うよう努める」ことを定める努力義務がある点を正しく説明しています。 -
イ(誤り)
「地方公共団体や教育研究機関についての言及はない」とするのは誤りです。基本法は国だけでなく地方公共団体の役割や、必要に応じた関係者の協力を位置づけています。したがって「言及はない」は事実に反します。 -
ウ(誤り)
「民間事業者が努力すべき事項についての規定はない」とありますが、基本法は情報通信事業者など民間事業者の責務や協力を求める点も扱っています。民間の努力義務や連携の重要性を無視する表現は誤りです。 -
エ(誤り)
「地方公共団体を“重要社会基盤事業者”と位置づける」との表現は不正確です。基本法は地方公共団体の責務を定めますが、法文上で地方公共団体を一律に“重要社会基盤事業者(重要インフラ事業者)”と位置づけるものではありません。重要社会基盤や重要インフラの指定は、別の法令や分野ごとの規定によるため、この選択肢は誤りです。
よくある誤解
-
「努力義務=違反したら罰せられる」と誤解する
努力義務は社会的・行政的な要請であり、通常は直接的な刑罰は伴いません。とはいえ、実効性を高めるための指導や監督、関連する法令による義務化は別途あり得ます。 -
「基本法はIT部門だけの法律」と思う
基本法は国家・自治体・事業者・国民など広い関係者を対象とします。したがって、総務・人事・営業などIT部門以外の組織単位にも関係するルールや役割分担を示します。
補足コラム
職場での運用イメージ:
サイバーセキュリティ基本法は「方針」を示す法律です。具体的な実施は各組織で行います。例えば総務部であれば、社員向けの啓発(フィッシング対策の周知、パスワード管理の教育)を行い、人事は入退職時のアカウント管理手順を整備します。これらは法律の示す方向性(国民や事業者が努めるべき事項)を、組織レベルで具体化したものです。
サイバーセキュリティ基本法は「方針」を示す法律です。具体的な実施は各組織で行います。例えば総務部であれば、社員向けの啓発(フィッシング対策の周知、パスワード管理の教育)を行い、人事は入退職時のアカウント管理手順を整備します。これらは法律の示す方向性(国民や事業者が努めるべき事項)を、組織レベルで具体化したものです。
また、重要インフラの扱いや事業者の義務の詳細は、分野別の規制やガイドラインで補完されます。基本法はその土台としての役割を持ちます。
FAQ
Q. サイバーセキュリティ基本法に罰則はありますか?
A. 基本法自体は主に責務や努力義務を示す枠組み法です。直接的な刑罰規定は少なく、具体的な強制力のある規制や罰則は別の法律や個別規定で定められることが多いです。
A. 基本法自体は主に責務や努力義務を示す枠組み法です。直接的な刑罰規定は少なく、具体的な強制力のある規制や罰則は別の法律や個別規定で定められることが多いです。
Q. 私(一般の社員)も何かしなければいけませんか?
A. 法律は国民にも「関心と理解を深め、注意を払う」ことを求めています。職場では社内研修を受ける、怪しいメールを報告する、端末の基本的な設定を守る等が該当します。
A. 法律は国民にも「関心と理解を深め、注意を払う」ことを求めています。職場では社内研修を受ける、怪しいメールを報告する、端末の基本的な設定を守る等が該当します。
Q. 地方公共団体は何をするべきですか?
A. 地方公共団体には、住民生活や行政サービスを守るための施策立案や実施が求められます。具体的には、情報資産の管理、緊急時の対応計画、職員教育などです。
A. 地方公共団体には、住民生活や行政サービスを守るための施策立案や実施が求められます。具体的には、情報資産の管理、緊急時の対応計画、職員教育などです。
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