情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A) 問44
問題文
磁気ディスクの耐障害性に関する説明のうち、RAID5に該当するものはどれか。
選択肢
ア:最低でも3台の磁気ディスクが必要となるが、いずれか1台の磁気ディスクが故障しても全データを復旧することができる。(正解)
イ:最低でも4台の磁気ディスクが必要となるが、いずれか2台の磁気ディスクが故障しても全データを復旧することができる。
ウ:複数台の磁気ディスクに同じデータを書き込むので、いずれか1台の磁気ディスクが故障しても影響しない。
エ:複数台の磁気ディスクにデータを分散して書き込むので、磁気ディスクのいずれか1台が故障すると全データを復旧できない。
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RAID5の耐障害性【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
RAID(Redundant Array of Independent Disks:複数のディスクを束ねて冗長性や性能を高める方式)のうち、アが示す「最低でも3台が必要で、いずれか1台故障しても全データを復旧できる」という特徴は RAID5 に該当します。RAID5 はデータを複数台に分散(ストライピング)しつつ、各ストライプごとに「パリティ(復元に使う補助情報)」を分散して格納します。これにより1台の磁気ディスク(磁気ディスク=HDD:Hard Disk Drive)が故障しても、残りのデータとパリティを使って失われたデータを再構築できます。
解法ステップ
- 問題の要点を確認:必要な台数と何台まで故障に耐えられるかを比べる。
- 各 RAID レベルの代表的特徴を思い出す:
- RAID0:データを分割して高速化するが冗長性なし(故障でデータ喪失)。
- RAID1:同じデータを複数台に書く(ミラー)で1台の故障を許容。最低2台。
- RAID5:データとパリティを分散して書く。最低3台。1台故障に耐える。
- RAID6:RAID5 のパリティを2重にして2台故障に耐える。最低4台。
- 選択肢と照合:最低台数と耐障害台数が RAID5 の定義と合うものを選ぶ(該当は ア)。
選択肢別の誤答解説
- ア:正解。RAID5 の基本仕様(最低3台、単一障害耐性、分散パリティ)に合致します。
- イ:誤り。最低4台で2台故障に耐える構成は RAID6 の特徴です。RAID6 は二重パリティを持ちます。
- ウ:誤り。「複数台に同じデータを書き込む」方式はミラーリングで RAID1 の説明に近いです(最低2台)。RAID5 はデータを分割して各ディスクに書き、パリティを分散保存します。
- エ:誤り。「データを分散して書き、1台故障で全データを復旧できない」は RAID0 の説明です。RAID0 は高速化のためストライピングのみ行い、冗長性はありません。
よくある誤解
- RAID5 は「完全なバックアップ」だと勘違いする
- RAID はディスク故障からの可用性を高めますが、誤ってファイルを削除した場合やランサムウェア攻撃、火災などの災害からは守れません。バックアップは別途必要です。
- RAID5 は故障中も安全だと思い込む
- 1台故障状態で運用を続けると「再構築(リビルド)」中にさらに故障が起きるとデータ損失につながります。再構築は負荷が高く、時間もかかります。
- RAID5 と RAID6 を混同する
- RAID5 は1台まで、RAID6 は2台まで耐えられる、という違いを明確に覚えておくとよいです。
補足コラム
- 容量の考え方:N 台のディスクを RAID5 にした場合の有効容量は概ね (N − 1) × ディスク容量です。例えば 3 台×1TB の場合は有効 2TB になります。
- パリティの仕組み(簡単なイメージ):パリティは各ストライプの「補助ビット列」です。ビットごとの XOR 演算で生成され、1 台が失われても XOR を使って元のデータを復元できます。
- 実務での運用イメージ:監視でディスク故障を検知したら速やかに故障ディスクを交換し、予備のホットスペア(空きディスク)から自動でリビルドする設定を用意するのが一般的です。また、重要データは RAID に加えて定期バックアップとオフサイト保管を行います。
FAQ
Q1. RAID5 の再構築中に業務影響はありますか?
A1. はい。再構築中はディスクI/Oが増え、応答が遅くなることがあります。重要なサービスではリビルド用の専用リソースや時間帯を考慮します。
A1. はい。再構築中はディスクI/Oが増え、応答が遅くなることがあります。重要なサービスではリビルド用の専用リソースや時間帯を考慮します。
Q2. RAID5 と RAID1、どちらがいいですか?
A2. 用途次第です。RAID1(ミラー)は書き込みの単純さと高速な復旧が利点で、ディスク数が少ない環境向け。RAID5 は容量効率が良く冗長性も確保できますが、再構築時間と書き込み性能のペナルティがあります。
A2. 用途次第です。RAID1(ミラー)は書き込みの単純さと高速な復旧が利点で、ディスク数が少ない環境向け。RAID5 は容量効率が良く冗長性も確保できますが、再構築時間と書き込み性能のペナルティがあります。
Q3. SSD を使う場合も同じですか?
A3. 原理は同じですが、SSD 特有の故障モード(突然の書き込み劣化など)や寿命を考慮し、RAIDレベルや監視方針を検討する必要があります。
A3. 原理は同じですが、SSD 特有の故障モード(突然の書き込み劣化など)や寿命を考慮し、RAIDレベルや監視方針を検討する必要があります。
関連キーワード: RAID、パリティ、冗長化、ミラーリング、ストライピング、ディスク再構築、ホットスペア、可用性、バックアップ、HDD

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