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情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A)48


問題文

ITアウトソーシングの活用に当たって、委託先決定までの計画工程、委託先決定からサービス利用開始までの準備工程、委託先が提供するサービスを発注者が利用する活用工程の三つに分けたとき、発注者が活用工程で行うことはどれか。

選択肢

移行計画やサービス利用におけるコミュニケーションプランを委託先と決定する。
移行ツールのテストやサービス利用テストなど、一連のテストを委託先と行う。
稼働状況を基にした実績報告や利用者評価を基に、改善案を委託先と取りまとめる。(正解)
提案依頼書を作成、提示して委託候補先から提案を受ける。

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アウトソーシング活用工程【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

発注者(サービスを依頼する側)にとって、活用工程は「委託したサービスを実際に使い続け、運用上の問題や改善点を整理して委託先と協議する段階」です。選択肢のうち、稼働状況を基にした実績報告や利用者評価を基に改善案をまとめる作業は、この「運用・改善」に該当します。したがって正しいのは です。
ここでの重要語を説明します。
  • 発注者:サービスを外部に依頼する会社や部署のこと。
  • 委託先:サービスを提供する外部のベンダや事業者のこと。
  • SLA(Service Level Agreement:サービス水準合意)は、可用性や応答時間などの合意指標です。
  • KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は、サービスの達成度を測る指標です。
活用工程では、SLAやKPIに対する実績報告、利用者からの評価(満足度調査など)を受け、改善要求や変更要求を委託先と取りまとめます。これらはサービス開始後の継続的な運用管理の仕事であり、移行や選定段階の作業(提案依頼書作成、テスト計画など)とは役割が異なります。

解法ステップ

  1. 「計画工程・準備工程・活用工程」の目的を整理する。
    • 計画工程:委託先の選定準備(要件定義、RFP=提案依頼書の準備など)。
    • 準備工程:移行・テスト・契約や運用ルールの整備などサービス開始前の作業。
    • 活用工程:サービス稼働後の運用・監視・改善。
  2. 各選択肢のキーワードを確認する。
    • 「提案依頼書を作成」→計画工程。
    • 「移行ツールのテスト」「サービス利用テスト」→準備工程。
    • 「稼働状況」「利用者評価」「改善案を取りまとめる」→活用工程。
  3. キーワード対応で該当する工程を選ぶ。上の対応から が活用工程の業務であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 移行計画やコミュニケーションプランの確定は、サービス開始に向けた調整作業です。これは「準備工程」に属します。したがって活用工程の説明ではありません。
  • イ: 移行ツールのテストやサービス利用テストは実際に稼働を始める前に問題を潰すための作業で、これも「準備工程」です。
  • : 稼働状況の実績報告や利用者評価をまとめ、改善案を委託先と取りまとめるのは、運用中に継続的に行う仕事です。活用工程の中心的な役割であり正解です。
  • エ: 提案依頼書(RFP:Request For Proposal)は委託先を選ぶための文書で、選定フェーズ=「計画工程」の作業です。

よくある誤解

  1. 「テストや移行も運用の一部だ」と考える誤り
    テストや移行はサービス開始前に問題を取り除く準備作業で、開始後の改善(活用工程)とは目的が異なります。
  2. 「改善はすべて委託先任せ」だと思う誤り
    実績評価や改善要求の取りまとめは発注者側の責任です。発注者が状況を把握し、優先度付けをして委託先に伝える必要があります。
  3. 「SLAで定めた指標だけ見れば良い」と考える誤り
    SLAは重要ですが、利用者満足度や業務効率など定性的な評価も活用工程で扱うべきです。

補足コラム

活用工程は「PDCA(Plan-Do-Check-Act)」で言えば Check/Act に相当します。具体的な運用イメージを短く示します。
  • 操作例:メールシステムを委託した場合
    1. 稼働状況(障害件数、ダウン時間)を月次で委託先から受領。
    2. 利用者アンケートで操作性や迷惑メールの状況を収集。
    3. 実績とKPI(例:稼働率、平均復旧時間)を比較し、改善項目を優先順位付けする。
    4. 改善要求を委託先に出し、対応のスケジュールや費用、評価方法を合意する。
用語メモ:
  • MTTR(Mean Time To Repair:平均復旧時間)は、障害発生から復旧までに要した平均時間を表す指標です。
  • 契約には改善プロセスや変更管理(Change Management)の手順を明記しておくと、運用開始後の揉めごとを防げます。
セキュリティ面では、運用中に見つかった脆弱性の対応やログの提供、アクセス管理の改善提案なども活用工程で扱います。発注者側は定期的にレポートをチェックし、必要に応じてインシデント対応(事故時の対応)フローを見直してください。

FAQ

Q1: 準備工程で発生した問題は活用工程で対応しないといけないの?
A1: 準備工程で残った問題は可能な限りリリース前に解決するべきです。しかし運用でしか検出できない問題は活用工程で改善策を講じます。重要なのは「誰がいつまでに対応するか」を明確にすることです。
Q2: 発注者は具体的にどんなデータを委託先から受け取るべき?
A2: 稼働率、障害件数、平均復旧時間(MTTR)、応答時間、ユーザー満足度などの定量・定性データを定期的に受け取り、KPIと照らし合わせます。
Q3: 委託先が改善要求に消極的な場合の対処は?
A3: 契約時に改善プロセスやエスカレーション(問題を上位に報告して解決を促す手順)を定めておくと有効です。SLAに罰則や報告義務を組み込むことも選択肢です。

関連キーワード: アウトソーシング、委託先管理、活用工程、移行準備、SLA(Service Level Agreement)、KPI(Key Performance Indicator)、MTTR(Mean Time To Repair)、運用改善、変更管理、インシデント対応
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