情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A) 問42
問題文
ヒューマンエラーに起因する障害を発生しにくくする方法に、エラープルーフ化がある。運用作業におけるエラープルーフ化の例として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:画面上の複数のウィンドウを同時に使用する作業では、ウィンドウを間違えないようにウィンドウの背景色をそれぞれ異なる色にする。(正解)
イ:長時間に及ぶシステム監視作業では、疲労が蓄積しないように、2時間おきに交代で休憩を取得する体制にする。
ウ:ミスが発生しやすい作業について、過去に発生したヒヤリハット情報を共有して同じミスを起こさないようにする。
エ:臨時の作業を行う際にも落ち着いて作業ができるように、臨時の作業の教育や訓練を定期的に行う。
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エラープルーフ(ポカヨケ)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
エラープルーフ(ポカヨケ)は「人が間違いやすい操作を、そもそも間違えにくくする仕組み」です。選択肢の中で、作業環境そのものを変えて誤操作を起こしにくくしているのは ア の「ウィンドウの背景色をそれぞれ異なる色にする」です。画面の見た目を変えることで、どのウィンドウで操作しているかを直感的に識別でき、誤って別ウィンドウでコマンドを実行するというミスを未然に防ぎます。これが典型的なエラープルーフの考え方です。
解法ステップ
- 「エラープルーフ(ポカヨケ)」の定義を確認する:
- 作業者の行動を変えさせるのではなく、作業条件を変えてミスを起こしにくくする仕組み。
- 各選択肢が「仕組み(設計)」か「人の行動に頼るか」を分類する:
- 設備や画面の設計変更 → エラープルーフ
- 休憩や交代、教育、情報共有 → 人の管理や教育(エラープルーフではない)
- 設計的な対策を示す選択肢を選ぶ:
- ここでは画面を変える ア が該当する。
選択肢別の誤答解説
- ア(正答):画面の背景色を変えるのは視覚的手がかりを増やし、どのウィンドウで操作しているかを誤認しにくくする。操作環境の設計変更によってミスを直接防ぐため、エラープルーフに該当する。
- イ:2時間おきに交代で休憩を取らせる体制は「疲労管理」の仕組みです。疲労を減らすことでヒューマンエラーの発生率は下がりますが、人の状態に依存する対策であり、エラープルーフ(設計でミスを防ぐ)とは区別されます。
- ウ:過去のヒヤリハット(事故には至らなかったが危険があった経験の共有)を共有することは「学習と再発防止」です。重要な対策ですが、共有に頼るため確実にミスを防ぐ設計ではありません。
- エ:臨時作業の教育・訓練は人的スキルを高める方法です。こちらも有効ですが、訓練が十分でない場合や状況が変わった場合、依然としてミスは起こり得ます。エラープルーフとは性質が異なります。
よくある誤解
- 誤解1:「エラープルーフ=教育やチェックリスト」
→ 教育やチェックリストは重要ですが、エラープルーフは「そもそも間違えにくい構造」にすることを指します。設計でミスを予防するのが本質です。 - 誤解2:「視覚的な工夫はエラープルーフにならない」
→ 視覚的手がかり(色、形、配置など)は有力なエラープルーフです。ただし色だけだと色盲の人には効かないため、色+形やラベルの併用が望ましいです。
補足コラム
職場での実運用イメージ:
- 例1(サーバ管理): ケーブルやポートを色分けし、重要な機器は鍵付きパネルや差し込み形状で間違えて接続できないようにする。これなら経験が浅い人でも誤接続を防げます。
- 例2(業務アプリ): 承認が必要な操作は「取消不能」の前に確認画面を出すより、そもそも編集できないフィールドにする(権限で制御)。確認ダイアログは抑止力になりますが、最も確実なのは誤操作そのものができないようにする設計です。
組織では、エラープルーフ(設計的対策)と教育・運用ルール(人的対策)を組み合わせるのが現実的です。たとえば色分け+簡潔なタイトル表示+手順書の併用で効果が増します。
FAQ
Q. 確認ダイアログはエラープルーフですか?
A. 部分的には「緩和策(ミスを見つける)」に当たりますが、クリックを誤れば誤操作は起こります。真のエラープルーフはそもそも誤操作できない設計です。
A. 部分的には「緩和策(ミスを見つける)」に当たりますが、クリックを誤れば誤操作は起こります。真のエラープルーフはそもそも誤操作できない設計です。
Q. 色分けだけで十分ですか?
A. 色分けは有効ですが、色覚の差やディスプレイの設定によって効かない場合があります。アイコンや明確なラベル、位置の固定など複数の手がかりを組み合わせるとより堅牢です。
A. 色分けは有効ですが、色覚の差やディスプレイの設定によって効かない場合があります。アイコンや明確なラベル、位置の固定など複数の手がかりを組み合わせるとより堅牢です。
Q. エラープルーフはすべてのミスを防げますか?
A. すべてのミスを完全に防ぐことは難しいです。重要なのは、発生確率を下げる設計と、発生時に被害を小さくする仕組み(バックアップ、ロールバックなど)を組み合わせることです。
A. すべてのミスを完全に防ぐことは難しいです。重要なのは、発生確率を下げる設計と、発生時に被害を小さくする仕組み(バックアップ、ロールバックなど)を組み合わせることです。
関連キーワード: エラープルーフ、ポカヨケ、ヒューマンエラー削減、視覚的識別、作業設計、疲労管理、ヒヤリハット、運用改善

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