情報セキュリティマネジメント 2026年 科目A 問07
問題文
刑法の電子計算機損壊等業務妨害に該当する行為はどれか。
選択肢
ア:自社のWebサイトで海賊版のソフトウェアを故意に販売した。
イ:存在しない商品をインターネットのオークションサイトに故意に出品し、落札者に現金を振り込ませてだまし取った。
ウ:他人の著作物を著作者に許可なく、引用元の記載もせずに、営業目的の自社のWebサイトに故意に掲載した。
エ:プロバイダのサーバに侵入し、サーバに保管されていたある企業が業務に使用しているWebページの内容を故意に消去したり、書き換えたりした。(正解)
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電子計算機損壊等業務妨害【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
サーバ(サービスを提供するコンピュータ)に不正に侵入し、業務で使われているウェブページの内容を消去や書き換えを行う行為は、コンピュータのデータや機能を損壊・改変して業務を妨害する典型的なケースです。刑法上の「電子計算機損壊等業務妨害」は、こうしたデータの消去・改ざんやシステムを使用不能にする行為を処罰対象とします。したがって選択肢のうちエが該当します。
(言葉の補足)不正アクセスは「許可なく他人のコンピュータやアカウントに入り込む行為」です。これがあってデータを消したり書き換えたりすると、業務妨害の要件を満たします。
解法ステップ
- 「電子計算機損壊等業務妨害」が何を問うかを確認する
- 要点は「コンピュータ上のデータやプログラムを損壊・変更・使用不能にし、業務に支障を与えるか」です。
- 各選択肢を上の基準で当てはめる
- 行為が「コンピュータデータの削除・改ざん・機能停止」を伴うかをチェックします。
- 該当すれば本罪、該当しなければ別の犯罪(詐欺・著作権侵害等)か民事問題と判断する
短いテスト法:その行為は「(1)不正アクセス等でコンピュータに入り込み、(2)データやプログラムを消したり書き換えたりして、(3)業務に実際の妨害をもたらすか?」 → Yesなら該当。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 自社のWebサイトで海賊版のソフトウェアを故意に販売した。
- これは主に著作権法違反(著作権侵害)や商取引上の違法行為です。確かに刑事罰や民事責任が生じ得ますが、コンピュータの「損壊・改ざん・使用不能」を行って業務を妨げる行為ではないため本罪には該当しません。
-
イ: 存在しない商品を出品し、落札者から金をだまし取った。
- これは詐欺罪(他人をだまして財物を得る行為)に当たります。インターネットを手段にしていても、本質は「だます」行為なので、電子計算機損壊等業務妨害ではありません。
-
ウ: 他人の著作物を許可なく営業目的で掲載し、引用元の記載もしていない。
- これは著作権侵害(および場合によっては人格権侵害)です。掲載行為自体がコンピュータのデータを「損壊・改ざん」して業務を妨げるわけではないため、本罪には該当しません。
-
エ: プロバイダのサーバに侵入し、企業が業務で使用するWebページの内容を消去・書き換えした。
- サーバに不正に侵入(不正アクセス)してデータを消去・改ざんし、業務に支障を与えています。これがまさに電子計算機損壊等業務妨害の構成要件に合致するため正解です。選択肢はエ。
よくある誤解
- 「インターネット上の悪い行為は全部この罪になる」
- 実際は行為の種類で分かれます。だます行為は詐欺、無断掲載は著作権侵害、システムの破壊・改ざんは電子計算機損壊等業務妨害です。
- 「データを消しただけでなく、公開しただけでも同じ罪になる」
- 公開(無断掲載)が業務の妨害につながらない場合は、本罪になりにくく、別の権利侵害(著作権等)になります。
- 「サーバがプロバイダ管理なら自社の業務被害ではないから無関係」
- プロバイダ上であっても、そこにある企業の業務用データが消されたり改ざんされたりすれば業務妨害に当たります。
補足コラム
- 法的な取り扱いと職場での対応イメージ:
- こうした侵害を防ぐために職場では、アクセス権限の最小化、定期的なバックアップ、ログの保全、侵入検知(IDS/IPS: Intrusion Detection/Prevention System)などを行います。万一被害があれば、被害拡大を防ぐために該当サーバの隔離、ログの保存、プロバイダや警察への通報といった初動対応が重要です。
- DDoS(Distributed Denial of Service:分散型サービス妨害)について:
- サービスを利用不能にする攻撃で、業務を妨げれば電子計算機損壊等業務妨害に該当することがあります。攻撃手段によっては別途不正アクセス禁止法違反なども問題になります。
FAQ
Q1: サーバに侵入してファイルを消したら必ず犯罪になるの?
A1: 業務に影響を与えた場合は電子計算機損壊等業務妨害に当たる可能性が高いです。加えて不正アクセス禁止法違反など他の罪に問われることもあります。
A1: 業務に影響を与えた場合は電子計算機損壊等業務妨害に当たる可能性が高いです。加えて不正アクセス禁止法違反など他の罪に問われることもあります。
Q2: DDoS攻撃はこの罪に当たりますか?
A2: サービスを利用不能にして業務に支障を与えれば、電子計算機損壊等業務妨害に該当することがあります。具体的な評価は被害状況や手段に依ります。
A2: サービスを利用不能にして業務に支障を与えれば、電子計算機損壊等業務妨害に該当することがあります。具体的な評価は被害状況や手段に依ります。
Q3: 無断で他人の著作物をネットに載せたらどうなる?
A3: 著作権侵害です。民事上の損害賠償や、悪質な場合は刑事罰が科されることがありますが、コンピュータを損壊・改ざんしたわけではないので本罪とは通常別扱いです。
A3: 著作権侵害です。民事上の損害賠償や、悪質な場合は刑事罰が科されることがありますが、コンピュータを損壊・改ざんしたわけではないので本罪とは通常別扱いです。
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