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ITサービスマネージャ 2022年 午前2 問19


問題文

プロジェクトマネジメントにおけるリスク対応の例のうち、転嫁に該当するものはどれか。

選択肢

ア:完了時期は守れるが、実コストは予定コストを超過することが分かったので、予備費を充てる。
イ:個人情報の漏えいが起こらないように、システムテストで使用する本番データの個人情報部分はマスキングする。
ウ:損害の発生に備えて、損害賠償保険を契約する。(正解)
エ:取引先の業績が悪化して、信用リスクが高まっているので、新規取引をやめる。

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リスク対応策の転嫁【午前2解説】

正解の理由

リスク対応における「転嫁」とは、リスクそのものをなくすのではなく、リスクが発生した場合の損失や責任を、保険会社などの第三者に移すことです。
ウは、損害が発生したときに備えて損害賠償保険を契約しています。保険によって損害の負担を保険会社に移す対応なので、「転嫁」に該当します。

解法ステップ

  1. 選択肢の行動が、リスクを「受け入れる」「小さくする」「避ける」「第三者に移す」のどれに当たるかを考えます。
  2. 保険契約のように、損害発生時の金銭的な負担を第三者に移す対応を探します。
  3. 損害賠償保険を契約するウが「転嫁」だと判断します。

選択肢別の誤答解説

  • ア:予備費を充てる
    コスト超過というリスクを受け入れ、あらかじめ用意した予備費で対応しています。リスクの影響を受容する対応です。
  • イ:本番データの個人情報部分をマスキングする
    個人情報漏えいの可能性を低くする対応です。リスクの発生確率や影響を小さくする「軽減」に当たります。
  • ウ:損害賠償保険を契約する
    損害が発生した場合の金銭的な負担を保険会社に移すため、「転嫁」に当たります。
  • エ:新規取引をやめる
    信用リスクの原因となる取引そのものをやめ、リスクを避ける対応です。「回避」に当たります。

よくある誤解

  • 保険に入ればリスクそのものがなくなると思う
    保険はリスクの発生を防ぐものではなく、発生後の金銭的な損失を移すものです。
  • 予備費の利用を転嫁と考える
    予備費はプロジェクト内で損失に対応するための資金です。第三者に負担を移していないため、転嫁ではありません。
  • リスクを小さくする対応と、避ける対応を混同する
    発生確率や影響を下げるのは「軽減」、リスクの原因となる活動をやめるのは「回避」です。

補足コラム

代表的なリスク対応策は、次のように整理できます。
対応策考え方例
回避リスクの原因となる活動をやめる信用リスクの高い取引を中止する
軽減発生確率や影響を小さくする個人情報をマスキングする
転嫁損失や責任を第三者に移す保険を契約する
受容リスクを認識したうえで受け入れる予備費を確保しておく

FAQ

Q. 保険に加入すると、すべての損害が補償されますか?
A. いいえ。補償範囲や上限額、免責条件は契約内容によって異なります。保険はリスク対応の一つですが、契約条件の確認が必要です。
Q. リスクの「軽減」と「転嫁」を見分けるポイントは何ですか?
A. リスクの発生確率や影響を小さくするなら「軽減」、発生後の損失負担を第三者に移すなら「転嫁」です。

関連キーワード: リスク対応、リスク転嫁、リスク回避、リスク軽減、リスク受容、損害賠償保険
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