登録販売者 2019年 奈良・関西広域連合・福井 問12
問題文
妊婦又は妊娠していると思われる女性あるいは母乳を与える女性(授乳婦)に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 一般用医薬品には、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が容易であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものは少ない。
b 胎盤には、胎児の血液と母体の血液が混ざり合う仕組みがある。
c 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。
d 乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避ける必要がある。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:正、d:正
2:a:正、b:正、c:正、d:誤
3:a:正、b:正、c:誤、d:誤
4:a:誤、b:正、c:誤、d:正
5:a:誤、b:誤、c:正、d:正(正解)
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妊婦・授乳婦と医薬品【登録販売者解説】
正解の理由
妊婦では安全性の評価が困難、胎盤では血液は混ざらず、成分は乳汁へ移行することがあります。
正しい組合せは5です。a・bは誤り、c・dは正しい記述です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の、妊婦と授乳婦に関する項目です。
解法ステップ
- aの「安全性に関する評価が容易」に注目します。妊婦への使用は、安全性の評価が難しいとされているため、この記述は誤りです。
- bの「血液が混ざり合う仕組み」は、胎盤の説明として正しいかを確認します。手引きでは、母体と胎児の血液は混ざらないとされています。
- c・dは、成分の乳汁への移行と、乳児への影響が知られている場合の対応を示しています。どちらも正しい記述です。
- a:誤、b:誤、c:正、d:正に一致する組合せを選びます。
選択肢別の誤答解説
記述a
×「安全性に関する評価が容易」→ ○「安全性に関する評価が困難」
妊婦が一般用医薬品を使用した場合の安全性は、評価が難しいことが多いため、妊婦の使用について「相談すること」とされているものは少なくありません。したがって、aは誤りです。
記述b
×「胎児の血液と母体の血液が混ざり合う仕組み」→ ○「胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み」
胎盤には、母体と胎児の血液が混ざらない仕組みがあります。ただし、血液が混ざらないことは、医薬品の成分が胎児へ移行しないことを意味しません。したがって、bは誤りです。
記述c
医薬品の種類によっては、使用した成分の一部が乳汁中に移行することが知られています。母乳を介して乳児が成分を摂取する場合があるため、cは正しい記述です。
記述d
乳児に好ましくない影響が知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらく授乳を避けられるよう、情報提供が必要です。dは正しい記述です。
組合せの確認
よくある誤解
- 「胎盤で血液が混ざらない」から「薬の成分も胎児に届かない」と考えるのは誤りです。成分の胎児への移行がどの程度防がれるかは、未解明のことも多いとされています。
- 「安全性の評価が容易」と「困難」を逆にする書き換えに注意しましょう。妊婦の使用については、安全性の評価が困難なため、相談が必要とされるものがあります。
- 乳汁中への移行と、乳児への悪影響を同じ意味だと考えるのも誤りです。成分が移行しても、通常の使用範囲で具体的な悪影響が判明していない場合もあります。
補足コラム
妊婦と授乳婦では、注意の理由が異なります。
- 妊婦:母体を通じて胎児に影響が及ぶ可能性があり、安全性の評価が困難なことがあります。
- 授乳婦:医薬品の成分が乳汁中に移行し、乳児が摂取する場合があります。乳児への好ましくない影響が知られている医薬品では、授乳中の使用や授乳の継続に注意が必要です。
FAQ
胎盤の血液が混ざらない仕組みを、何といいますか?
「血液‐胎盤関門」といいます。この仕組みがあっても、医薬品の成分が胎児へ移行する可能性はあります。
「血液‐胎盤関門」といいます。この仕組みがあっても、医薬品の成分が胎児へ移行する可能性はあります。
成分が乳汁に移行する医薬品は、すべて授乳を避ける必要がありますか?
すべてではありません。乳汁への移行が知られていても、通常の使用範囲で具体的な悪影響が判明していないものもあります。
すべてではありません。乳汁への移行が知られていても、通常の使用範囲で具体的な悪影響が判明していないものもあります。
関連キーワード: 妊婦、授乳婦、胎盤、血液‐胎盤関門、乳汁中への移行

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