登録販売者 2019年 奈良・関西広域連合・福井 問30
問題文
鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a ジフェニドール塩酸塩は、眠気、排尿困難、散瞳といった副作用は示さない。
b ジメンヒドリナートやメクリジン塩酸塩は、一般用医薬品では専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分である。
c スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗コリン成分であり、消化管からよく吸収される。
d ジプロフィリンは、胃粘膜への局所麻酔作用により嘔吐刺激を和らげる。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:正
2:a:正、b:正、c:誤、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:誤(正解)
4:a:誤、b:正、c:誤、d:正
5:a:誤、b:誤、c:正、d:誤
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鎮暈薬の配合成分【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:ジフェニドールには特徴的な副作用があり、ジプロフィリンは脳に軽い興奮を起こす成分です。
3が正しい組合せです。aは誤り、bとcは正しく、dは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の鎮暈薬の項目です。
解法ステップ
- aの「副作用は示さない」に注目します。ジフェニドール塩酸塩の副作用として、眠気・排尿困難・散瞳が挙げられているため、この記述は誤りです。
- bの「専ら乗物酔い防止薬に配合」と、cの「消化管からよく吸収」に注目します。どちらも手引きにある説明と一致するため、正しい記述です。
- dの「胃粘膜への局所麻酔作用」に注目します。ジプロフィリンはキサンチン系成分で、脳に軽い興奮を起こす成分です。a〜dを「誤・正・正・誤」の順に組み合わせると、3に絞れます。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
×「眠気、排尿困難、散瞳といった副作用は示さない」→ ○これらの副作用が現れることがある
ジフェニドール塩酸塩には、抗ヒスタミン成分や抗コリン成分に似た作用があります。そのため、眠気や排尿困難、散瞳(瞳孔が開くことによる異常なまぶしさ)などが現れることがあります。「副作用は示さない」という否定が誤りです。 -
b:正しい
ジメンヒドリナートとメクリジン塩酸塩は、一般用医薬品では専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分です。抗ヒスタミン成分は、乗物酔いによるめまいや吐きけを防いだり、和らげたりする目的で用いられます。 -
c:正しい
スコポラミン臭化水素酸塩水和物は抗コリン成分です。抗コリン作用(副交感神経の働きを抑える作用)を持ち、消化管からよく吸収されます。 -
d:誤り
×「ジプロフィリンは胃粘膜への局所麻酔作用により嘔吐刺激を和らげる」→ ○ジプロフィリンは脳に軽い興奮を起こすキサンチン系成分
局所麻酔作用とは、体の一部の感覚を一時的に鈍らせる作用です。ジプロフィリンはその作用で吐きけを抑える成分ではなく、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減する目的で配合されることがあります。
よくある誤解
- 「副作用は示さない」のように、症状をまとめて否定する表現に注意します。ジフェニドール塩酸塩にも、眠気などの副作用が現れることがあります。
- スコポラミンの「消化管からよく吸収される」という説明と、「作用の持続時間が長い」という説明は別です。手引きでは、肝臓で速やかに代謝されるため、作用の持続時間は抗ヒスタミン成分などより短いとされています。
- ジプロフィリンを、胃粘膜に作用する局所麻酔成分と取り違えないようにします。ジプロフィリンはキサンチン系成分です。
補足コラム
乗物酔い防止薬には、抗めまい成分・抗ヒスタミン成分・抗コリン成分・鎮静成分などが配合されることがあります。これらの成分には、眠気を促す作用があります。また、抗コリン成分では、眠気のほかに目のかすみや異常なまぶしさが現れることがあります。
ジプロフィリンやカフェインは、脳に軽い興奮を起こすキサンチン系成分です。ただし、カフェインが配合されていても、ほかの成分による眠気が解消されるわけではありません。
FAQ
ジメンヒドリナートとジフェンヒドラミンは別の成分ですか?
手引きでは、ジメンヒドリナートはジフェンヒドラミンテオクル酸塩の一般名とされています。名称が異なっていても、同じ成分を指す場合があります。
手引きでは、ジメンヒドリナートはジフェンヒドラミンテオクル酸塩の一般名とされています。名称が異なっていても、同じ成分を指す場合があります。
抗コリン成分と抗ヒスタミン成分は、乗物酔いにどう関係しますか?
抗ヒスタミン成分は、嘔吐中枢への刺激や内耳の自律神経反射を抑えます。また、抗ヒスタミン成分の多くは抗コリン作用も示し、この作用も乗物酔いによるめまいや吐きけの防止・緩和に関係すると考えられています。
抗ヒスタミン成分は、嘔吐中枢への刺激や内耳の自律神経反射を抑えます。また、抗ヒスタミン成分の多くは抗コリン作用も示し、この作用も乗物酔いによるめまいや吐きけの防止・緩和に関係すると考えられています。
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