登録販売者 2020年 中国・四国 問34
問題文
医薬品の代謝及び排泄に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢
1:循環血液中に存在する医薬品の有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。
2:肝機能が低下した人では、正常な人に比べて全身循環に到達する医薬品の有効成分の量がより多くなり、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。
3:医薬品の有効成分が代謝を受けると、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい脂溶性の物質に変化する。(正解)
4:排泄の過程において、医薬品の有効成分と血漿タンパク質との複合体は、腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることになり、作用が持続する原因となる。
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医薬品の代謝と排泄【登録販売者解説】
正解の理由
代謝で排泄されやすくなるのは脂溶性ではなく水溶性の物質です。
誤っている記述は3です。選択肢1・2・4は正しく、選択肢3の「脂溶性」が誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「薬の生体内運命」です。
誤っている記述は3です。選択肢1・2・4は正しく、選択肢3の「脂溶性」が誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「薬の生体内運命」です。
解法ステップ
- 問題は「誤っているもの」を選ぶため、正しい記述を先に確かめます。
- 「腎臓から尿中に排泄」「肝機能低下で全身循環に到達する量が増える」「血漿タンパク質との複合体は腎臓で濾過されない」は、手引きの説明と合っています。
- 残った選択肢の「脂溶性」に注目します。排泄されやすくなる性質はどちらかを確認します。
選択肢別の誤答解説
-
選択肢1:正しいです。
循環血液中の有効成分の多くは、未変化体(代謝されていない状態)または代謝物(体内で化学的に変化した物質)として、腎臓から尿中に排泄されます。 -
選択肢2:正しいです。
肝臓は有効成分を代謝する働きを担っています。肝機能が低下すると代謝する能力が低くなり、全身循環に到達する有効成分の量が増えることがあります。その結果、効き目が過剰に現れたり、副作用が生じやすくなったりします。 -
選択肢3:誤りです。
×「脂溶性の物質」→ ○「水溶性の物質」
代謝によって有効成分が水に溶けやすい性質になると、体外へ排泄されやすくなります。「脂溶性」と「水溶性」の取り違えが誤りです。 -
選択肢4:正しいです。
血漿タンパク質(血液中にあるタンパク質)と結合した有効成分は、複合体を形成します。この複合体は腎臓で濾過されないため、有効成分が循環血液中に長く留まり、作用が持続する原因になります。
よくある誤解
- 「体外へ排泄されやすい」と「脂溶性」を結びつけてしまうことがあります。ここでは、代謝によって水溶性になり、排泄されやすくなると整理します。
- 肝機能の低下は「薬の効き目が弱くなる」と考えがちですが、この記述では、代謝されにくくなることで全身循環に到達する量が増え、効き目が過剰になったり副作用が生じやすくなったりする点が問われています。
- 血漿タンパク質と結合した複合体は、腎臓で濾過されないため、排泄が進みにくくなります。「血液中に長く留まる」という説明と結びつけましょう。
補足コラム
「代謝」は、体内で有効成分の構造が変化することです。代謝の結果、作用を失う場合もあれば、作用が現れる場合もあります。また、水溶性の物質に変化して排泄されやすくなる場合もあります。
「排泄」は、未変化体や代謝物が尿・胆汁・呼気などを通じて体外へ出ることです。代謝と排泄は、同じ意味ではありません。
「排泄」は、未変化体や代謝物が尿・胆汁・呼気などを通じて体外へ出ることです。代謝と排泄は、同じ意味ではありません。
FAQ
Q. 代謝を受けると、必ず作用が弱くなりますか?
A. いいえ。作用を失う場合だけでなく、代謝によって作用が現れる場合もあります。
A. いいえ。作用を失う場合だけでなく、代謝によって作用が現れる場合もあります。
Q. 腎機能が低下すると、薬の有効成分はどうなりやすいですか?
A. 尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくくなることがあります。
A. 尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくくなることがあります。
関連キーワード: 薬物代謝、排泄、水溶性、肝初回通過効果、血漿タンパク質、腎臓の濾過

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