登録販売者 2020年 奈良・関西広域連合・福井 問33
問題文
35歳女性、咳と咽喉・食道部の異物感の症状に良い漢方処方製剤はないかドラッグストアに相談に来られた。状態や症状を確認したところ、体力は中等度で、虚弱体質でもなく、比較的神経質で胃腸が弱く、足にむくみがあることがわかった。最も推奨すべき漢方処方製剤を一つ選べ。
選択肢
1:半夏厚朴湯(正解)
2:柴朴湯
3:麻 杏 甘石湯
4:神秘湯
5:五虎湯
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半夏厚朴湯の適応【登録販売者解説】
正解の理由
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)=気分のふさぎや咽喉・食道部の異物感に、咳などを伴う場合にも用いられます。
この問題では、1の半夏厚朴湯が最も適しています。体力中等度が目安で、気分がふさぎ、咽喉(いんこう)・食道部に異物感がある人に用いられ、咳やのどのつかえ感も適応に含まれます。問題文の咳、異物感、比較的神経質という情報が、この処方の特徴に合います。
根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)」第3章「主な医薬品とその作用」の漢方処方製剤の項目です。
解法ステップ
- まず「咳」だけでなく、「咽喉・食道部の異物感」に注目します。
- 「気分がふさいで」「神経質」という特徴と組み合わさる処方を探します。
- 「体力は中等度」という情報も合わせ、半夏厚朴湯を選びます。
- 胃腸の弱さは、麻黄を含む3つの処方が不向きとされる点にも関係します。足のむくみは、今回の処方を選ぶ決め手として手引きには示されていません。
選択肢別の誤答解説
-
1 半夏厚朴湯
正解です。体力中等度が目安で、気分のふさぎや咽喉・食道部の異物感に加え、咳やのどのつかえ感にも用いられます。 -
2 柴朴湯(さいぼくとう)
体力中等度で、気分のふさぎや咽喉・食道部の異物感がある場合に用いられる処方です。半夏厚朴湯と共通する特徴がありますが、手引きでは「かぜをひきやすい」ことも特徴として挙げられています。問題文の症状・体質に最も合うものを選ぶ設問では、咳やのどのつかえ感も適応に含む半夏厚朴湯がより合致します。 -
3 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
体力中等度またはそれ以上で、咳が出て、ときにのどが渇く人に用いられます。胃腸の弱い人には不向きとされるため、問題文の体質とは合いにくい処方です。 -
4 神秘湯(しんぴとう)
体力中等度またはそれ以上で、咳、喘鳴(ぜんめい)、息苦しさがあり、痰が少ない場合に用いられます。胃腸の弱い人には不向きとされます。問題文では、喘鳴や息苦しさ、痰が少ないという特徴が示されていません。 -
5 五虎湯(ごことう)
体力中等度以上で、咳が強く出る人などに用いられます。胃腸の弱い人には不向きとされるため、体質の情報から適切な選択肢とはいえません。
よくある誤解
- 咳があるだけで、咳に用いる漢方処方のどれでも選べるわけではありません。体力や、異物感・喘鳴・息苦しさなどの特徴も確認します。
- 柴朴湯と半夏厚朴湯は、気分のふさぎや異物感が共通します。似た特徴だけで決めず、咳やのどのつかえ感など、処方ごとの適応も見ます。
- 足のむくみがあるという情報を、手引きに記載のない処方選びの条件に結びつけないようにします。
補足コラム
五虎湯・麻杏甘石湯・神秘湯は、いずれもマオウを含み、胃腸の弱い人や発汗傾向の著しい人には不向きとされます。見分けるときは、症状の組合せに注目します。
- 五虎湯:体力中等度以上/強い咳
- 麻杏甘石湯:体力中等度またはそれ以上/咳、ときにのどの渇き
- 神秘湯:体力中等度またはそれ以上/咳・喘鳴・息苦しさ、痰が少ない
FAQ
Q. 「咽喉・食道部の異物感」とは、実際に異物があることですか?
A. ここでは、のどや食道のあたりに何かがつかえているように感じる症状を指します。実際に異物があるという意味ではありません。
A. ここでは、のどや食道のあたりに何かがつかえているように感じる症状を指します。実際に異物があるという意味ではありません。
Q. 漢方処方製剤は、一般に副作用が少ないと考えてよいですか?
A. いいえ。手引きでは、体質や症状に合わない処方では効果が得られないだけでなく、副作用を招くこともあるとされています。
A. いいえ。手引きでは、体質や症状に合わない処方では効果が得られないだけでなく、副作用を招くこともあるとされています。
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