登録販売者 2020年 奈良・関西広域連合・福井 問35
問題文
胃腸の不調を改善する目的で用いられる生薬及び漢方処方製剤に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。
a オウバク、オウレン、センブリ等の生薬成分が配合されている健胃薬は、苦くて非常に飲みにくいので、散剤をオブラート等で包んで飲むとよい。
b 安中散は、体力中等度以下で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、食欲不振、吐きけなどを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適するとされる。
c 大黄甘草湯は体力に関わらず広く応用され、便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などの症状の緩和に適すとされる。
d センナ、ダイオウが配合された瀉下薬は生薬由来であるため、授乳中の女性でも安心して使用できる。
選択肢
1:(a、b)
2:(b、c)(正解)
3:(b、d)
4:(c、d)
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胃腸薬の生薬・漢方処方【登録販売者解説】
正解の理由
苦味を隠すと健胃薬の効果が期待できず、安中散(あんちゅうさん)と大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)は記述どおりの適応、センナ・ダイオウは授乳中に注意が必要です。
正しい組合せは 2 の「b、c」です。aは誤り、bとcは正しく、dは誤りです。根拠は、厚生労働省『試験問題の作成に関する手引き』の第3章「主な医薬品とその作用」にある、健胃薬の生薬、漢方処方製剤、瀉下薬(しゃげやく)の項目です。
解法ステップ
- aは「オブラート等で包むとよい」に注目します。苦味を隠す飲み方が適切かどうかが判断のポイントです。
- bは、安中散の体力区分「体力中等度以下」と、胃痛・腹痛などの特徴が処方の説明に合うかを確認します。
- cは、大黄甘草湯の「体力に関わらず」と、便秘に伴う症状の並びを確認します。
- dは「生薬由来だから安心」という理由づけを疑います。授乳中の使用に関する注意と照らし、bとcを含む組合せを選びます。
選択肢別の誤答解説
-
a 誤り
× 散剤をオブラート等で包んで飲むとよい → ○ 味や香りを遮蔽する方法で服用すると効果が期待できず、適当ではありません。
オウバク、オウレン、センブリなどは、苦味による健胃作用を期待して用いられます。味を隠して飲む方法は、適切な服用方法ではありません。 -
b 正しい
安中散は、体力中等度以下で腹部の筋肉が弛緩(しかん)する傾向にあり、胃痛・腹痛、ときに胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐きけなどを伴う人の神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適するとされます。記述は手引きの内容と一致します。 -
c 正しい
大黄甘草湯は体力に関わらず広く応用され、便秘や、それに伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵(ちょうないいじょうはっこう)、痔などの症状の緩和に適するとされます。記述は手引きの内容と一致します。 -
d 誤り
× 生薬由来なので授乳中でも安心して使用できる → ○ 使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要があります。
センナやダイオウに含まれる成分の一部は乳汁(にゅうじゅう)に移行し、乳児に下痢を生じるおそれがあります。「生薬由来だから安全」とは判断できません。
組合せの確認
- 選択肢1「a、b」は、誤りのaを含み、正しいcを含まないため誤りです。
- 選択肢3「b、d」は、誤りのdを含み、正しいcを含まないため誤りです。
- 選択肢4「c、d」は、誤りのdを含み、正しいbを含まないため誤りです。
- 選択肢 2「b、c」は、正しい記述の組合せです。
よくある誤解
- **「苦くて飲みにくいなら、味を隠せばよい」**とは限りません。この問題では、味や香りを遮る飲み方が健胃薬の効果を期待できない点がひっかけです。
- **「生薬なら授乳中でも安心」**は誤りです。生薬成分でも、乳汁に移行して乳児に影響する場合があります。
- 「体力に関わらず」は、どのような人にも注意なく使えるという意味ではありません。大黄甘草湯にも、体の虚弱な人や胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きとされる注意があります。
補足コラム
センナ、センノシド、ダイオウは、大腸を刺激して排便を促す成分として扱われます。手引きでは、これらの成分について、授乳中は使用を避けるか、使用期間中の授乳を避ける必要があるとされています。成分の由来ではなく、作用や注意点で覚えましょう。
FAQ
Q. 「体力に関わらず広く応用」は、体力の弱い人にも注意なく使えるという意味ですか?
A. いいえ。処方の適応を示す表現であり、注意事項がなくなるわけではありません。大黄甘草湯には、体の虚弱な人や胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きとされる説明もあります。
A. いいえ。処方の適応を示す表現であり、注意事項がなくなるわけではありません。大黄甘草湯には、体の虚弱な人や胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きとされる説明もあります。
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