登録販売者 2020年 奈良・関西広域連合・福井 問36
問題文
止瀉成分に関する記述について、正しいものを一つ選べ。
選択肢
1:ビスマスを含む成分は、妊婦または妊娠していると思われる女性に対して使用が推奨される。
2:タンニン酸アルブミンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。(正解)
3:ロペラミド塩酸塩配合の止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢に用いる。
4:ベルベリンは、腸管内に生じた有害物質の吸着成分である。
5:収斂成分を主体とする止瀉薬は、腸粘膜を弛緩させることにより、腸粘膜を保護することを目的としている。
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止瀉成分の作用と注意点【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:タンニン酸アルブミンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがあります。
正しいのは2です。各記述は、1が誤り、2が正しい、3〜5が誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の止瀉成分に関する項目です。
解法ステップ
- 「妊婦に使用が推奨」「食あたり・水あたりに用いる」など、対象者や使用目的を断定する語句に注目します。
- 「ベルベリン」の作用を、腸管内の有害物質を吸着する作用と混同していないか確認します。
- 「収斂成分」は腸粘膜を「ひきしめる」成分です。「弛緩」とあれば誤りです。
- タンニン酸アルブミンについて、ショックが重篤な副作用として記載されているため、2を選びます。
選択肢別の誤答解説
-
1:×「使用が推奨される」→ ○「使用を避けるべき」
ビスマスを含む成分は、体内に吸収されると胎盤を通過することが知られています。そのため、妊婦または妊娠していると思われる女性では使用を避けるべきです。 -
2:正しい記述です。タンニン酸アルブミンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがあります。なお、牛乳にアレルギーがある人は、アルブミンが牛乳に含まれるタンパク質から精製されているため、使用を避ける必要があります。
-
3:×「食あたりや水あたりによる下痢に用いる」→ ○「食あたりや水あたりによる下痢は適用対象でない」
ロペラミド塩酸塩配合の止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎや寝冷えによる下痢を対象とします。食あたりや水あたりによる下痢には用いないことがポイントです。 -
4:×「腸管内の有害物質の吸着成分」→ ○「抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つ成分」
ベルベリンは、オウバクやオウレンに含まれる物質の一つです。主な特徴は抗菌作用と抗炎症作用であり、腸管内の有害物質を吸着する成分ではありません。 -
5:×「腸粘膜を弛緩させる」→ ○「腸粘膜をひきしめる(収斂)」
収斂(しゅうれん)成分は、腸粘膜のタンパク質と結合して膜をつくり、腸粘膜をひきしめて保護します。「弛緩」は反対の働きです。
よくある誤解
- ビスマスを含む成分は、止瀉薬だから妊娠中にも使えると思い込まないようにしましょう。手引きでは、妊婦または妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきとされています。
- 「下痢に用いる薬」という大きなくくりだけで判断すると、ロペラミド塩酸塩の対象を取り違えます。食べすぎ・飲みすぎなどによる下痢と、食あたり・水あたりによる下痢を区別しましょう。
- 「収斂」と「弛緩」は反対の意味です。収斂成分は、腸粘膜をひきしめる作用です。
補足コラム
止瀉成分には、腸粘膜をひきしめる収斂成分のほか、腸内殺菌成分もあります。ベルベリンは腸内殺菌成分に含まれ、抗菌作用のほか、抗炎症作用も持つとされています。成分名と作用を結び付けて覚えましょう。
FAQ
下痢は、できるだけ早く止めた方がよいのでしょうか?
下痢は、腸管内の有害な物質を排出するための防御反応でもあります。原因によっては、安易に止めることで症状が悪化することがあります。
下痢は、腸管内の有害な物質を排出するための防御反応でもあります。原因によっては、安易に止めることで症状が悪化することがあります。
関連キーワード: タンニン酸アルブミン、ビスマス、ロペラミド塩酸塩、ベルベリン、収斂成分

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