登録販売者 2021年 中国・四国 問119
問題文
塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)含有医薬品に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 2000年5月米国において、女性が糖質吸収抑制剤(我が国での鼻炎用内服薬等における配合量よりも高用量)として使用した場合に、出血性脳卒中の発生リスクとの関連性が高いとの報告がなされた。
b 米国食品医薬品庁(FDA)から、米国内におけるPPA含有医薬品の自主的な販売中止が要請された。
c 日本では、2003年に「塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する医薬品による心臓病に係る安全対策について」という医薬品・医療機器等安全性情報が独立行政法人医薬品医療機器総合機構より出された。
d 厚生労働省から代替成分としてプソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)等への速やかな切替えの指示がなされた。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、d)
3:(b、c)
4:(b、d)(正解)
5:(c、d)
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PPA含有医薬品の安全対策【登録販売者解説】
正解の理由
PPAは米国で食欲抑制剤として使われた際の出血性脳卒中リスクが問題となり、日本では脳出血の副作用報告を受けて対応が進みました。
正しい組合せは4(b、d)です。aは誤り、bは正しく、cは誤り、dは正しい記述です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第5章「医薬品の適正使用・安全対策」のPPA含有医薬品に関する記述です。
解法ステップ
- aの「糖質吸収抑制剤」に注目します。米国で報告された使用目的は、食欲を抑えることでした。
- bの「FDA」「自主的な販売中止の要請」は、米国での対応として押さえます。
- cの「心臓病」と、2003年の安全性情報の題名を照らします。問題となったのは脳出血です。
- bが正しいと確認したら、bを含み、誤りのa・cを含まない組合せを選びます。さらに、dの切替え指示も正しいため、(b、d)の組合せに絞れます。
選択肢別の誤答解説
-
a
×「糖質吸収抑制剤」→ ○「食欲抑制剤」
2000年5月、米国では、女性がPPAを食欲抑制剤として使用した場合に、出血性脳卒中の発生リスクとの関連性が高いとの報告がありました。日本の鼻炎用内服薬などにおける配合量より高用量での使用でした。 -
b
FDA(米国食品医薬品庁)は、米国内でのPPA含有医薬品について自主的な販売中止を要請しました。記述は正しいです。 -
c
×「心臓病に係る安全対策」→ ○「脳出血に係る安全対策」
2003年に関連して取り上げられた安全性情報は、PPA含有医薬品による脳出血に係るものです。また、問題文の「独立行政法人医薬品医療機器総合機構より出された」という部分も正しくありません。記述は誤りです。 -
d
PPAが配合された一般用医薬品による脳出血などの副作用症例が複数報告されたことを受け、厚生労働省から代替成分としてプソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)などへ速やかに切り替える指示がなされました。記述は正しいです。
組合せを確認すると、(a、b)は誤りのaを含み、正しいdを含みません。(a、d)はaを含み、bを含みません。(b、c)は誤りのcを含み、dを含みません。(c、d)もcを含み、bを含みません。したがって、(b、d)である4が正しい組合せです。
よくある誤解
- 米国で問題となった使用目的を「糖質吸収抑制」と取り違えやすいですが、手引きでは「食欲抑制剤」です。
- 2003年の安全対策を「心臓病」と結び付けてしまいがちです。PPAに関するこの問題の中心は、脳出血です。
- FDAによる米国での販売中止要請と、日本での対応は別のものです。国や機関、対応内容を混同しないようにします。
補足コラム
PPAは、鼻みずや鼻づまりなどの緩和を目的として、鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬などに配合されていました。日本では食欲抑制剤として承認されていなかったことなどから、米国の要請と同時に直ちに販売中止とはならず、注意喚起が行われました。その後、日本国内でも副作用症例が報告され、対応が見直されました。
FAQ
Q. 米国での報告と日本での副作用報告は、どちらも同じ内容ですか?
A. どちらも脳卒中・脳出血に関する安全性の問題ですが、米国では食欲抑制剤としての使用に関する報告、日本では一般用医薬品による副作用症例の報告が対応の背景になっています。
A. どちらも脳卒中・脳出血に関する安全性の問題ですが、米国では食欲抑制剤としての使用に関する報告、日本では一般用医薬品による副作用症例の報告が対応の背景になっています。
Q. PSEはPPAと同じ成分ですか?
A. 同じ成分ではありません。PSEはプソイドエフェドリン塩酸塩の略称で、PPAからの代替成分として挙げられています。
A. 同じ成分ではありません。PSEはプソイドエフェドリン塩酸塩の略称で、PPAからの代替成分として挙げられています。
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