登録販売者 2021年 中国・四国 問92
問題文
殺菌消毒成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a アクリノールは、一般細菌類、真菌、結核菌、ウイルスに殺菌消毒作用を示す。
b 消毒用エタノールは、手指・皮膚の消毒のほか、創傷面の殺菌・消毒にも用いられることがある。
c 創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し適用すると、殺菌消毒成分により組織修復が妨げられ、かえって治癒しにくくなることがある。
d オキシドール(過酸化水素水)は、作用が持続的で、組織への浸透性が高い。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:正
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:誤(正解)
4:a:誤、b:誤、c:正、d:正
5:a:誤、b:正、c:誤、d:誤
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殺菌消毒成分の作用範囲【登録販売者解説】
正解の理由
アクリノールとオキシドールは作用する微生物が限られ、創傷部への殺菌消毒薬の繰り返し使用は治癒を妨げることがあります。
正しい組合せは3です。aは誤、bは正、cは正、dは誤です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の「きず口等の殺菌消毒成分」です。
解法ステップ
- aの「真菌、結核菌、ウイルスにも作用する」という範囲を確認します。アクリノールは、これらには効果がありません。
- bは、消毒用エタノールの使用目的に「創傷面の殺菌・消毒」も含まれるかを見ます。
- cは「繰り返し適用すると治癒しにくくなることがある」という説明が、創傷部の注意に合っているかを確認します。
- dは、オキシドールの作用が「持続的」「浸透性が高い」とされているかを見ます。作用の仕組みは、過酸化水素の分解に伴う酸化と、酸素の泡立ちによる物理的な洗浄です。
選択肢別の誤答解説
組合せの違い
- 1は、aを正、cを誤、dを正としているため、いずれも正しい正誤と異なります。
- 2は、aを正、bを誤としているため、どちらも正しい正誤と異なります。
- 4は、bを誤、dを正としているため、どちらも正しい正誤と異なります。
- 5は、cを誤としているため、正しい正誤と異なります。
- 3は、a誤・b正・c正・d誤の組合せです。
各記述の確認
a
×「一般細菌類、真菌、結核菌、ウイルス」→ ○「一般細菌類の一部」
アクリノールは、連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの化膿菌に殺菌消毒作用を示します。一方、真菌、結核菌、ウイルスには効果がありません。「一般細菌類に作用する」を「すべての微生物に作用する」と広げている点が誤りです。
b
消毒用エタノールは、手指・皮膚や器具類の消毒のほか、創傷面の殺菌・消毒にも用いられることがあります。ただし、皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して貼り付けることは避けるとされています。
c
創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し使うと、皮膚常在菌(皮膚に通常存在する細菌)が殺菌されるほか、殺菌消毒成分によって組織の修復が妨げられることがあります。その結果、治癒しにくくなったり、状態が悪化したりする場合があります。
d
×「作用が持続的で、組織への浸透性が高い」→ ○「作用の持続性はなく、組織への浸透性も低い」
オキシドールは、過酸化水素の分解で生じる活性酸素による酸化作用と、発生する酸素の泡立ちによる物理的な洗浄作用を示します。「泡立つ」ことを「作用が持続する」「組織の奥まで浸透する」と結び付けないようにしましょう。
よくある誤解
- 作用範囲の広げすぎ:「一部の一般細菌類に作用する」を「真菌やウイルスにも作用する」と書き換えるひっかけに注意します。
- 泡立ちと浸透性の混同:オキシドールの泡立ちは洗浄作用に関係します。組織への浸透性が高いという意味ではありません。
- 殺菌すればするほどよい、という思い込み:創傷部では、殺菌消毒薬の繰り返し使用が組織修復を妨げることがあります。
補足コラム
消毒用エタノールは創傷面にも用いられることがありますが、皮膚刺激性や粘膜への使用に注意が必要です。一方、アクリノールやオキシドールは、真菌・結核菌・ウイルスには効果がないとされています。成分ごとに「何に効くか」を分けて覚えましょう。
FAQ
「殺菌・消毒」と「滅菌」は同じ意味ですか?
同じではありません。殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らす処置です。滅菌は、物質中のすべての微生物を殺滅または除去することです。
同じではありません。殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らす処置です。滅菌は、物質中のすべての微生物を殺滅または除去することです。
オキシドールの泡は、汚れを洗い流す働きがありますか?
酸素の泡立ちによる物理的な洗浄作用があります。ただし、その泡立ちだけで、あらゆる微生物に効果があるとはいえません。
酸素の泡立ちによる物理的な洗浄作用があります。ただし、その泡立ちだけで、あらゆる微生物に効果があるとはいえません。
関連キーワード: アクリノール、オキシドール、消毒用エタノール、創傷部、殺菌消毒作用、皮膚常在菌

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