登録販売者 2021年 北海道・東北 問72
問題文
一般用医薬品の有効成分の吸収に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 全身作用を目的とする医薬品では、その有効成分が消化管等から吸収されて、循環血液中に移行することが不可欠である。
b 内服薬の有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受けることはない。
c 一般に、消化管からの吸収は、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象ではなく、消化管が積極的に医薬品成分を取り込む現象である。
d 坐剤は、直腸内で溶解し、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分が吸収される。
選択肢
1:a:正、b:正、c:正、d:正
2:a:正、b:誤、c:誤、d:正(正解)
3:a:誤、b:誤、c:正、d:誤
4:a:正、b:正、c:正、d:誤
5:a:誤、b:誤、c:誤、d:正
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有効成分の吸収【登録販売者解説】
正解の理由
全身作用には血液への移行が必要、消化管吸収は受動的拡散
正しい組合せは2です。aは正、bは誤、cは誤、dは正です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「人体の働きと医薬品」の「薬の生体内運命」です。
全身作用を目的とする薬では、有効成分が吸収され、循環血液中に移行することが必要です。一方、消化管からの吸収は、消化管が成分を積極的に取り込むのではなく、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散する現象です。また、内服薬の吸収量や吸収速度は、消化管の内容物や他の医薬品の作用で変わることがあります。坐剤(ざざい)は直腸(ちょくちょう)内で溶け、有効成分が粘膜(ねんまく)から吸収されます。
解法ステップ
- aの「全身作用」と「循環血液中に移行」に注目します。全身に作用するには、成分が血液に入る必要があります。
- bの「影響を受けることはない」は断定です。消化管内容物や他の医薬品の作用が吸収に影響するかを確認します。
- cは「受動的」か「積極的」かを見ます。消化管吸収は、濃度の高い方から低い方への受動的な拡散です。
- dは坐剤の吸収経路を確認します。直腸内で溶け、直腸の粘膜から成分が吸収される記述です。
選択肢別の誤答解説
記述 a:正
全身作用を目的とする医薬品では、有効成分が消化管などから吸収され、循環血液中に移行することが不可欠です。血液に入ることで、有効成分が全身へ運ばれます。
記述 b:誤
×「影響を受けることはない」→ ○「影響を受ける」
内服薬の有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受けます。「影響を受けることはない」とする点が誤りです。
記述 c:誤
×「受動的に拡散していく現象ではなく、消化管が積極的に取り込む」→ ○「濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象」
受動的拡散とは、成分が濃度の高い方から低い方へ移動することです。消化管が積極的に医薬品成分を取り込む、という説明は誤りです。
記述 d:正
坐剤は肛門から挿入され、直腸内で溶けます。有効成分は、薄い直腸内壁の粘膜から吸収されます。
選択肢の組合せ
よくある誤解
- 「吸収は、消化管が成分を取り込む働き」と考えがちです。消化管からの吸収は、濃度差による受動的な拡散です。
- bの「影響を受けることはない」のような強い断定を見落としがちです。手引きでは、吸収量や吸収速度は消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受けるとされています。
- 全身作用と局所作用を混同しがちです。全身作用では血液への移行が必要ですが、局所作用を目的とする薬は、必ずしも血液に入って作用するわけではありません。
補足コラム
坐剤のように、内服以外の方法でも、有効成分が適用部位から吸収されて全身作用を示す薬があります。一方、局所作用を目的とする薬では、成分が目的の組織に浸透して作用するものが多くあります。「どこから吸収されるか」と「どこで作用するか」は別の視点として整理しましょう。
FAQ
吸収された有効成分は、必ず薬効を示しますか?
必ずとは限りません。全身作用を目的とする薬では血液への移行が必要ですが、薬効を示すには、有効成分が作用する組織などに届くことも関係します。
関連キーワード: 全身作用、局所作用、受動的拡散、循環血液、坐剤、消化管吸収

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