登録販売者 2021年 奈良・関西広域連合・福井 問02
問題文
医薬品の効果とリスク評価に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 「無作用量」とは、薬物の効果が発現し、有害反応が発現しない最大の投与量のことである。
b 動物実験により求められる50%致死量(LD50)は、薬物の毒性の指標の一つとして用いられる。
c 投与量が少量であれば、長期投与された場合でも、慢性的な毒性が発現することはない。
d 医薬品の効果とリスクは、薬物曝露時間と曝露量との積で表現される用量-反応関係に基づいて評価される。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:正
4:a:正、b:誤、c:誤、d:正
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正(正解)
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医薬品のリスク評価【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:無作用量は効果が検出されない量、LD50は毒性の指標、少量でも長期投与で慢性的な毒性が出ることがあります。
正しい組合せは5です。aは誤り、bは正しく、cは誤り、dは正しい記述です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第1章「医薬品のリスク評価」です。
解法ステップ
- aの「効果が発現」と「最大の投与量」に注目します。無作用量は、効果の発現が検出されない量です。
- bは、動物実験で求められるLD50が毒性の指標として使われる、という記述です。
- cの「投与量が少量であれば」「発現することはない」という断定を確認します。少量でも、長期投与で慢性的な毒性が発現する場合があります。
- dの「薬物曝露時間と曝露量との積」と「用量-反応関係」を確認します。正しい組合せは、a誤・b正・c誤・d正の5です。ほかの選択肢は、1がa・d、2がa・b・c・d、3がc、4がa・bの正誤を取り違えています。
選択肢別の誤答解説
-
a
×「薬物の効果が発現」する量 → ○「薬物用量を増加させるに伴い、効果の発現が検出されない」量
「無作用量」は、薬物の効果が確認できない段階の量です。「効果が発現し、有害反応が発現しない最大の投与量」ではありません。 -
b
○ 動物実験により求められる50%致死量(LD50)は、薬物の毒性の指標の一つとして用いられます。
「50%致死量」という名称と、「毒性の指標」という役割をセットで覚えましょう。 -
c
×「少量であれば、長期投与されても毒性は発現しない」→ ○「少量の投与でも、長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合がある」
投与量が少ないことだけで、毒性が起きないとはいえません。長く投与されることで、慢性的な毒性が現れる場合があります。 -
d
○ 医薬品の効果とリスクは、薬物曝露(薬物にさらされること)の時間と量との積で表現される用量-反応関係に基づいて評価されます。
投与量だけでなく、薬物にさらされる時間も評価に関わります。
よくある誤解
- 「無作用量」を「有害反応が出ない範囲での最大量」と取り違えやすいですが、見るべき語句は「効果の発現が検出されない」です。
- 「少量なら安全」と決めつけないことが大切です。手引きでは、少量でも長期投与により慢性的な毒性が発現する場合があるとされています。
- dは、曝露量だけでなく「曝露時間」も含む点がひっかけになりやすいところです。
補足コラム
投与量と効果・毒性の関係は、次の順に整理できます。
無作用量 → 最小有効量 → 治療量 → 中毒量 → 最小致死量 → 致死量
治療量の上限を超えると、効果より有害反応が強く現れる「中毒量」に至ります。段階の順番と、それぞれの名称を押さえておきましょう。
FAQ
Q. LD50の「50%」は何を表していますか?
A. 50%致死量の名称に含まれる割合です。試験では、LD50が薬物の毒性の指標として用いられる点も合わせて確認しましょう。
A. 50%致死量の名称に含まれる割合です。試験では、LD50が薬物の毒性の指標として用いられる点も合わせて確認しましょう。
Q. 薬物のリスク評価は、動物実験だけで行われるのですか?
A. 手引きでは、動物実験で安全性が確認された後、ヒトを対象とした臨床試験が行われるとされています。
A. 手引きでは、動物実験で安全性が確認された後、ヒトを対象とした臨床試験が行われるとされています。
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