登録販売者 2021年 奈良・関西広域連合・福井 問18
問題文
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 妊娠している女性が、滋養強壮保健薬として販売されたサリドマイド製剤を使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生した。
b 1961年11月、西ドイツ(当時)のレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、日本では、同年中に速やかに販売停止及び回収措置が行われた。
c サリドマイド訴訟は、日本では、国及び製薬企業を被告として提訴され、その後に和解が成立した損害賠償訴訟である。
d この薬害事件をきっかけとして、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られた。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:誤、b:正、c:正、d:誤
3:a:誤、b:誤、c:正、d:正(正解)
4:a:誤、b:誤、c:誤、d:正
5:a:正、b:誤、c:誤、d:誤
🔒 解説は解答すると表示されます
サリドマイド薬害の経緯【登録販売者解説】
正解の理由
サリドマイドは催眠鎮静剤等として販売され、日本での販売停止・回収は警告後すぐではありませんでした。
正しい組合せは 3 です。aは誤り、bは誤り、cは正しく、dも正しいです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の薬害の歴史です。
解法ステップ
- aは「滋養強壮保健薬」という販売目的に注目します。手引きにある販売区分と一致するかを確認します。
- bは「1961年中に速やかに」という時期・対応の表現を確認します。日本の販売停止・回収の年と照らし合わせます。
- cは、誰を被告として提訴したか、和解が成立したかを確認します。
- dは、薬害をきっかけに副作用情報の収集体制が整備された、という流れが手引きの記述と一致するかを見ます。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
×「滋養強壮保健薬として販売」→ ○「催眠鎮静剤等として販売」
妊娠中の女性がサリドマイド製剤を使用し、出生児に四肢欠損(ししかけっそん)や耳の障害などの先天異常(せんてんいじょう)が発生した点は正しいです。この先天異常はサリドマイド胎芽症(たいがしょう)と呼ばれます。誤りは販売目的です。 -
b:誤り
×「日本では、同年中に速やかに販売停止及び回収」→ ○「販売停止及び回収措置は1962年9月」
1961年11月に西ドイツのレンツ博士が催奇形性(さいきけいせい:胎児に形態上の異常を起こす性質)を警告しました。しかし、日本の対応は速やかではありませんでした。出荷停止は1962年5月、販売停止・回収は同年9月です。 -
c:正しい
日本では、1963年に製薬企業を被告として提訴され、翌年には国と製薬企業を被告とする提訴もありました。その後、1974年に和解が成立しています。 -
d:正しい
サリドマイド薬害をきっかけに、市販後の副作用情報を集める重要性が改めて認識されました。WHO加盟国を中心に各国で情報収集体制の整備が図られ、1968年にはWHO国際医薬品モニタリング制度の確立につながりました。
組合せの確認
- 1は「a正・b正・c誤・d誤」です。a・bは誤り、c・dは正しいため一致しません。
- 2は「a誤・b正・c正・d誤」です。bは誤り、dは正しいため一致しません。
- 4は「a誤・b誤・c誤・d正」です。cも正しいため一致しません。
- 5は「a正・b誤・c誤・d誤」です。aは誤り、c・dは正しいため一致しません。
- a誤・b誤・c正・d正の組合せは 3 です。
よくある誤解
- 被害の内容が正しければ、記述全体も正しいと思う:aは被害の説明は正しい一方、販売目的が誤っています。文の一部だけを変えた問題に注意します。
- 警告が出た年と、日本で販売停止・回収された年を同じにする:警告は1961年、販売停止・回収は1962年です。
- 「速やかに」という評価を見落とす:この問題では、日本の対応が遅れたことが重要なポイントです。
補足コラム
サリドマイド訴訟とスモン訴訟を契機として、1979年に医薬品副作用被害救済制度が創設されました。薬害の歴史は、訴訟の経緯だけでなく、その後に整備された安全対策や救済制度と結び付けて覚えると整理しやすくなります。
FAQ
Q. サリドマイド製剤は、催眠鎮静剤としてだけ使われていたのですか?
A. 手引きでは、催眠鎮静作用を目的に胃腸薬にも用いられたことが記されています。「滋養強壮保健薬」として販売された、という記述とは区別しましょう。
A. 手引きでは、催眠鎮静作用を目的に胃腸薬にも用いられたことが記されています。「滋養強壮保健薬」として販売された、という記述とは区別しましょう。
Q. WHOの副作用情報収集の仕組みは、薬害訴訟そのものですか?
A. いいえ。訴訟は被害に対する損害賠償を求めるものです。一方、副作用情報の収集体制は、薬の安全性に関する情報を集め、各国の安全対策に生かすための仕組みです。
A. いいえ。訴訟は被害に対する損害賠償を求めるものです。一方、副作用情報の収集体制は、薬の安全性に関する情報を集め、各国の安全対策に生かすための仕組みです。
関連キーワード: サリドマイド、サリドマイド胎芽症、催奇形性、薬害、副作用情報、WHO国際医薬品モニタリング制度、医薬品副作用被害救済制度

\ せっかくなら /
登録販売者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!
