登録販売者 2021年 奈良・関西広域連合・福井 問26
問題文
解熱又は鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤及び生薬成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 桂枝加朮附湯は、体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの慢性頭痛、神経症、高血圧傾向のあるものに適すとされる。
b 芍薬甘草湯は、筋肉の痙攣や腹痛、腰痛といった症状があるときのみの服用にとどめ、連用は避ける。
c シャクヤクは古くから「熱さまし」として用いられ、エキスを製剤化した製品には、「感冒時の解熱」の効能・効果がある。
d 生薬成分が解熱又は鎮痛をもたらす仕組みは、化学的に合成された成分と異なるものと考えられている。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:正
4:a:正、b:誤、c:誤、d:正
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正(正解)
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解熱鎮痛に用いる漢方処方と生薬【登録販売者解説】
正解の理由
シャクヤクは鎮痛・鎮痙、ジリュウは「熱さまし」、生薬成分の作用の仕組みは化学合成成分と異なると考えられています。
正しい組合せは5で、aは誤り、bは正しい、cは誤り、dは正しいです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の解熱鎮痛成分・生薬成分、漢方処方製剤の項目です。
正しい組合せは5で、aは誤り、bは正しい、cは誤り、dは正しいです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の解熱鎮痛成分・生薬成分、漢方処方製剤の項目です。
解法ステップ
- aは、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)の体力区分と症状を確認します。「慢性頭痛、めまい、肩こり」は、別の処方の特徴です。
- bは、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)の服用方法に注目します。「症状があるときのみ」「連用は避ける」という条件が手がかりです。
- cは、「熱さまし」と「感冒時の解熱」の生薬名を確認します。シャクヤクとジリュウを取り違えないようにします。
- dは、生薬成分の仕組みが化学的に合成された成分と同じか、異なると考えられているかを見ます。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
×(体力中等度で、慢性頭痛・めまい・肩こりなどに適す)→ ○(体力虚弱で、汗が出て手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ない人の関節痛・神経痛に適す)
桂枝加朮附湯は、体力虚弱で、冷えや手足のこわばりがある人の関節痛・神経痛に用いられる処方です。問題文にある慢性頭痛・めまい・肩こりなどの特徴は、釣藤散(ちょうとうさん)のものです。釣藤散は体力中等度で、慢性頭痛・めまい・肩こりなどがある人に適すとされます。 -
b:正しい
芍薬甘草湯は、体力に関わらず、筋肉の急激な痙攣(けいれん)を伴う痛みがある人のこむらがえり、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛に適すとされます。ただし、症状があるときのみの服用にとどめ、連用は避けます。 -
c:誤り
×(シャクヤクは古くから「熱さまし」として用いられ、エキス製品に「感冒時の解熱」の効能がある)→ ○(ジリュウは古くから「熱さまし」として用いられ、エキス製品に「感冒時の解熱」の効能がある)
シャクヤクは、鎮痛・鎮痙作用や鎮静作用を示す生薬です。「熱さまし」として用いられ、感冒時の解熱を効能とする生薬はジリュウです。 -
d:正しい
生薬成分が解熱または鎮痛をもたらす仕組みは、化学的に合成された成分とは異なるものと考えられています。手引きでは、化学的に合成された解熱鎮痛成分について、プロスタグランジンの産生を抑える作用が示されています。
選択肢の正誤の組合せ
- 1はaを正、dを誤とするため、a・dが異なります。
- 2はaを正、bを誤、cを正、dを誤とするため、a・b・c・dすべてが異なります。
- 3はcを正とするため、cが異なります。
- 4はaを正、bを誤とするため、a・bが異なります。
- 5はaを誤、bを正、cを誤、dを正とする組合せです。
よくある誤解
- 「熱さまし」という言葉から、シャクヤクも解熱に使うと思い込むことがあります。手引きで「熱さまし」とされるのはジリュウです。
- 桂枝加朮附湯と釣藤散の症状を入れ替えないようにします。前者は冷えや手足のこわばり、後者は慢性頭痛・めまい・肩こりが見分ける手がかりです。
- 芍薬甘草湯の適応症状だけを覚え、服用上の「症状があるときのみ」「連用は避ける」を落とすことがあります。
補足コラム
この問題に出てくる処方は、体力区分と特徴的な症状をセットで覚えると整理できます。
- 桂枝加朮附湯:体力虚弱。汗が出る、手足が冷えてこわばる、ときに尿量が少ない。関節痛・神経痛。
- 芍薬甘草湯:体力に関わらず。筋肉の急激な痙攣を伴う痛み。こむらがえり、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛。
- 釣藤散:体力中等度。慢性頭痛・めまい・肩こりなど。
生薬の役割も対比しておきましょう。ジリュウは「熱さまし」、シャクヤクは鎮痛・鎮痙、鎮静です。鎮痙とは、筋肉のけいれんを抑える働きです。
FAQ
Q. 「感冒時の解熱」を効能とする生薬製品は、何を覚えればよいですか?
A. ジリュウのエキスを製剤化した製品が該当します。「熱さまし」と「ジリュウ」を結びつけて覚えます。
A. ジリュウのエキスを製剤化した製品が該当します。「熱さまし」と「ジリュウ」を結びつけて覚えます。
Q. 生薬成分は、化学的に合成された解熱鎮痛成分を使えない場合に使えると考えられているのですか?
A. 手引きでは、生薬成分の仕組みは化学的に合成された成分とは異なると考えられ、アスピリンなどの使用を避けなければならない場合にも使用できるとされています。
A. 手引きでは、生薬成分の仕組みは化学的に合成された成分とは異なると考えられ、アスピリンなどの使用を避けなければならない場合にも使用できるとされています。
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