登録販売者 2021年 奈良・関西広域連合・福井 問30
問題文
小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)及びその配合生薬に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。
a 柴胡加竜骨牡蛎湯を小児の夜泣きに用いる場合は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているため、症状の改善がみられるまで比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用する必要がある。
b カンゾウを含有する漢方処方製剤を乳幼児に使用する場合、体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがあるので注意する必要がある。
c 小建中湯は、体力中等度をめやすとして幅広く用いることができ、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの小児虚弱体質、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜なきに適すとされる。
d ゴオウ、ジャコウは、いずれも動物を基原とする生薬で、緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用等を期待して配合される。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、c)
3:(b、d)(正解)
4:(c、d)
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小児鎮静薬の配合生薬【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:小児の夜泣きに用いる柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、改善がなければ1週間程度で見直し、ゴオウ・ジャコウは鎮静と血液循環促進を期待して用います。
正しい記述は 3 の組合せです。bとdが正しく、aとcは誤りです。根拠は「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の、小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤に関する項目です。
解法ステップ
- aは「1ヶ月位継続」に注目します。柴胡加竜骨牡蛎湯を小児の夜泣きに用いる場合、改善がなければ服用を中止して見直す期間は「1週間位」です。
- bは、乳幼児では体格の個人差により、体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがある、という注意点に合っています。
- cは、処方名と体力の目安、適応症の組合せを確認します。「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」と「体力中等度を目安に幅広く用いる」という説明が一致しません。
- dは、ゴオウ・ジャコウに期待される作用が「緊張や興奮を鎮めること」と「血液の循環を促すこと」である点を確認します。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤りです。
×「症状の改善がみられるまで比較的長期間(1ヶ月位)継続」→ ○「1週間位服用しても改善がみられないときは、いったん中止して専門家に相談するなど、使用が適しているか見直す」です。漢方処方製剤には比較的長期間服用されるものもありますが、この小児の夜泣きへの使用については、漫然と続ける説明になっていません。 -
b:正しい記述です。
カンゾウを含む製剤を乳幼児に使う場合、体格の個人差によって体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがあります。乳幼児への使用では、この点に留意する必要があります。 -
c:誤りです。
小建中湯は、体力虚弱で疲れやすく、腹痛があり、血色がすぐれない人などに適するとされます。記述の「体力中等度を目安に幅広く用いる」「やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがある」という特徴は、小建中湯の説明とは一致しません。
見分けるための目安は次のとおりです。- 小建中湯:体力虚弱/疲れやすい、腹痛、血色がすぐれない
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):体力中等度を目安/やや消化器が弱く、神経がたかぶる、怒りやすい、イライラする
-
d:正しい記述です。
ゴオウ、ジャコウは、緊張や興奮を鎮め、血液の循環を促す作用などを期待して用いられます。記述の作用の説明は、手引きの内容に合っています。
組合せも確認しましょう。選択肢1は誤りのaを含み、正しいdを含みません。選択肢2は誤りのa・cを含み、正しいb・dを含みません。選択肢4は誤りのcを含み、正しいbを含みません。b・dの組合せである 3 が適切です。
よくある誤解
- 漢方処方製剤は長期間使うものがあるからといって、どの処方も同じ期間続けるとは限りません。aは「1ヶ月位」という期間を、柴胡加竜骨牡蛎湯の小児の夜泣きへの注意点と取り違えています。
- 小児向けの処方名だけを見て、適応や体力の目安まで合っていると思い込まないようにしましょう。cは、別の処方の特徴が小建中湯の説明に混ざっています。
- 「生薬製剤だから副作用がない」とは限りません。乳幼児では体格による摂取量の違いにも注意が必要です。
補足コラム
小児の疳に用いる製剤には、鎮静作用のほか、血液の循環を促す作用などを期待する生薬が配合されます。ゴオウ・ジャコウは、そのうち緊張や興奮を鎮める作用と血液循環を促す作用を期待して用いられる生薬です。
また、柴胡加竜骨牡蛎湯は、体力中等度以上で、精神不安があり、動悸(どうき)・不眠・便秘などを伴う場合にも用いられます。小児の夜泣きに用いる場合の「1週間位」という見直しの目安と、別の適応・体力の目安を分けて覚えましょう。
FAQ
Q. 小児の夜泣きや疳の虫には、必ず小児鎮静薬を使うのですか?
A. いいえ。身体的な問題がなく生じる夜泣きや疳の虫は、成長に伴って自然に治まることが通常とされています。保護者側の安眠を優先して使用することは適当ではありません。
A. いいえ。身体的な問題がなく生じる夜泣きや疳の虫は、成長に伴って自然に治まることが通常とされています。保護者側の安眠を優先して使用することは適当ではありません。
Q. カンゾウは、漢方処方製剤以外からも摂取することがありますか?
A. あります。カンゾウはほかの医薬品にも配合されることがあり、食品などにも用いられます。複数の製品を使う場合は、グリチルリチン酸の摂取が継続して多くならないよう注意が必要です。
A. あります。カンゾウはほかの医薬品にも配合されることがあり、食品などにも用いられます。複数の製品を使う場合は、グリチルリチン酸の摂取が継続して多くならないよう注意が必要です。
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