登録販売者 2021年 奈良・関西広域連合・福井 問35
問題文
止瀉薬に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 収斂成分を主体とする止瀉薬は、腸の運動を鎮める作用があり、細菌性の下痢や食中毒のときの下痢症状を鎮めるのに適している。
b タンニン酸アルブミン配合の止瀉薬は、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
c ロペラミド塩酸塩配合の止瀉薬は、2~3日間使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。
d 抗菌作用を持つベルベリン配合の止瀉薬は、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的に用いられる場合がある。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:正、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:正
3:a:正、b:正、c:誤、d:誤
4:a:誤、b:正、c:正、d:正(正解)
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正
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止瀉薬の成分と使用上の注意【登録販売者解説】
正解の理由
収斂成分は腸の運動を鎮めますが、細菌性の下痢や食中毒が疑われる場合は、安易な使用を避けます。
正しい組合せは4です。aは誤り、b・c・dは正しい記述です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の止瀉薬に関する項目です。
解法ステップ
- aは「細菌性の下痢や食中毒に適している」という部分を確認します。収斂成分の作用があっても、こうした下痢には安易に使わないことがポイントです。
- bは「タンニン酸アルブミン」と「牛乳アレルギー」の関係に注目します。アルブミンは牛乳に含まれるタンパク質に由来します。
- cは「ロペラミド塩酸塩」と「2~3日間使用しても改善しない場合の対応」を確認します。
- dは「ベルベリン」と「抗菌作用・細菌感染による下痢」の組合せを見ます。b・c・dが正しいため、それらがすべて正しい選択肢に絞れます。
選択肢別の誤答解説
-
a 誤り
×「細菌性の下痢や食中毒のときの下痢症状を鎮めるのに適している」→ ○細菌性の下痢や食中毒が疑われる場合は、安易な使用を避けることが望ましい
収斂(しゅうれん)成分を主体とする止瀉薬(ししゃやく)は、腸の運動を鎮める作用があります。しかし、細菌性の下痢や食中毒が疑われるときには、下痢を止めることで症状を悪化させるおそれがあるため、適しているとはいえません。 -
b 正しい
タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質であるカゼインから精製されています。そのため、牛乳にアレルギーがある人は使用を避ける必要があります。 -
c 正しい
ロペラミド塩酸塩配合の止瀉薬は、2~3日間使用しても症状が改善しない場合、医師の診療を受けるなどの対応が必要です。長引く下痢の原因が、一般用医薬品で対処するのに適さないものかもしれないためです。 -
d 正しい
ベルベリンには抗菌作用があり、細菌感染による下痢の症状を鎮める目的で用いられる場合があります。手引きでは、ベルベリン塩化物やタンニン酸ベルベリンなどが腸内殺菌成分として挙げられています。
組合せの確認
- 1は、aを正、bを誤、dを誤としています。正しい正誤はaが誤、bとdが正なので、この3つが異なります。
- 2は、aを正、bを誤としています。正しくはaが誤、bが正です。
- 3は、aを正、cを誤、dを誤としています。正しくはaが誤、cとdが正です。
- 5は、cを誤としています。cは正しい記述です。
- 4は、aを誤、b・c・dを正としており、正しい組合せです。
よくある誤解
- aは、前半の「腸の運動を鎮める作用」が正しいため、記述全体も正しいと思いがちです。後半の「細菌性の下痢や食中毒に適している」が誤りです。
- bでは、「アルブミン」という名前だけから牛乳との関係を見落としがちです。タンニン酸アルブミンは、牛乳アレルギーの人が避けるべき成分です。
- dの「抗菌作用」を、あらゆる原因の下痢に使えるという意味に広げないようにしましょう。ここで問われているのは、細菌感染による下痢の症状に用いられる場合があることです。
補足コラム
ベルベリンは、腸内殺菌成分として用いられます。タンニン酸ベルベリンは、タンニン酸の収斂作用と、ベルベリンの抗菌作用をあわせ持つ成分です。成分名が似ていても、問われている作用が「収斂」なのか「抗菌」なのかを分けて覚えると、選択肢を判断しやすくなります。
FAQ
Q. ロペラミド塩酸塩は、どのような下痢を目的とした成分ですか?
A. 手引きでは、食べすぎ・飲みすぎや寝冷えによる下痢の症状に用いることを目的としています。食あたりや水あたりによる下痢は適用対象ではありません。
A. 手引きでは、食べすぎ・飲みすぎや寝冷えによる下痢の症状に用いることを目的としています。食あたりや水あたりによる下痢は適用対象ではありません。
Q. 牛乳アレルギーとカゼインの関係は、どのように覚えればよいですか?
A. カゼインは牛乳に含まれるタンパク質です。タンニン酸アルブミンのアルブミンはカゼインから精製されるため、牛乳アレルギーとの関係が問われます。
A. カゼインは牛乳に含まれるタンパク質です。タンニン酸アルブミンのアルブミンはカゼインから精製されるため、牛乳アレルギーとの関係が問われます。
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