登録販売者 2021年 奈良・関西広域連合・福井 問57
問題文
肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 防已黄耆湯は、体力が充実して脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの肥満症に適すとされる。
b 防風通聖散は、体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満症に適すとされる。
c 大柴胡湯は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に適すとされる。
d 防已黄耆湯及び防風通聖散は、いずれも構成生薬としてカンゾウを含まない。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:正
3:a:誤、b:正、c:誤、d:誤(正解)
4:a:正、b:誤、c:正、d:誤
5:a:誤、b:誤、c:正、d:正
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肥満症に用いる漢方処方製剤【登録販売者解説】
正解の理由
体力充実・脇腹からみぞおちの苦しさ・便秘傾向は大柴胡湯(だいさいことう)、疲れやすさ・汗をかきやすい傾向は防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の目印です。
正しい組合せは3です。各記述は、a誤、b正、c誤、d誤となります。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の漢方処方製剤の適応と構成生薬に関する項目です。
解法ステップ
- aの「体力が充実」「脇腹からみぞおち」「便秘傾向」に注目します。これは大柴胡湯を見分ける手がかりです。
- bの「体力充実」「腹部に皮下脂肪が多い」「便秘がち」は、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の特徴と照らします。
- cの「体力中等度以下」「疲れやすい」「汗をかきやすい」は、防已黄耆湯の特徴と照らします。
- dは「カンゾウを含まない」という成分の有無を確認します。防已黄耆湯と防風通聖散は、どちらもカンゾウを含みます。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
× 防已黄耆湯 → ○ 大柴胡湯
防已黄耆湯は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗をかきやすい傾向がある人の肥満などに用いられます。問題文の「体力が充実し、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘傾向」という特徴は、大柴胡湯に当てはまります。 -
b:正しい
防風通聖散は、体力が充実し、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人の肥満症などに用いられます。記述の特徴は手引きの内容と合っています。 -
c:誤り
× 大柴胡湯 → ○ 防已黄耆湯
「体力中等度以下で、疲れやすく、汗をかきやすい傾向」は防已黄耆湯の特徴です。大柴胡湯は、体力が充実し、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘傾向がある人に用いられます。 -
d:誤り
× カンゾウを含まない → ○ カンゾウを含む
防已黄耆湯も防風通聖散も、構成生薬としてカンゾウを含みます。「どちらも含まない」という記述は誤りです。
組合せを各選択肢で確認すると、次のとおりです。
- 選択肢1はaを「正」としていますが、aは誤りです。b・c・dの正誤は合っています。
- 選択肢2はaを「正」、bを「誤」、cを「正」、dを「正」としています。a・b・c・dのすべてが正しい組合せと異なります。
- 選択肢4はaを「正」、bを「誤」、cを「正」としています。この3つが正しい組合せと異なり、dは一致します。
- 選択肢5はbを「誤」、cを「正」、dを「正」としています。この3つが正しい組合せと異なり、aは一致します。
よくある誤解
- 適応の特徴は合っているのに、処方名だけが入れ替わっている場合があります。aとcは、体力や症状の特徴から処方名を見直しましょう。
- 「肥満症に用いる漢方処方」という共通点だけで判断すると、処方ごとの体力や症状の違いを見落とします。
- 「含まない」という否定表現に注意が必要です。防已黄耆湯と防風通聖散は、どちらもカンゾウを含みます。
補足コラム
この3処方は、どのような肥満症にも適するわけではありません。手引きでは、糖質や脂質を多く含む食品の過度な摂取を控えることや、日常生活に適度な運動を取り入れることなど、生活習慣の改善も重要とされています。
また、防風通聖散はカンゾウのほか、マオウ、ダイオウも構成生薬として含みます。構成生薬の有無を問う問題では、処方名とあわせて確認しましょう。
FAQ
Q. 「肥満」と「肥満症」は、処方を見分ける手がかりになりますか?
A. 手引きでは、処方ごとに記載される適応が異なります。用語だけで判断せず、体力や特徴的な症状もあわせて覚えましょう。
A. 手引きでは、処方ごとに記載される適応が異なります。用語だけで判断せず、体力や特徴的な症状もあわせて覚えましょう。
Q. 防已黄耆湯の「水ぶとり」とは、どのような特徴ですか?
A. 手引きでは「筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり」と説明されています。防已黄耆湯の適応を思い出す手がかりです。
A. 手引きでは「筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり」と説明されています。防已黄耆湯の適応を思い出す手がかりです。
関連キーワード: 防已黄耆湯、防風通聖散、大柴胡湯、カンゾウ、漢方処方製剤

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