登録販売者 2022年 中国・四国 問19
問題文
サリドマイド製剤及びサリドマイド訴訟に関する記述のうち、正しいものはどれか。
選択肢
1:サリドマイド訴訟とは、糖尿病薬として販売されたサリドマイド製剤を、妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損等が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
2:サリドマイド製剤は、過去に一般用医薬品として販売されたことはない。
3:サリドマイド製剤には、副作用として血管新生を妨げる作用がある。(正解)
4:日本では、1961年に西ドイツ企業からサリドマイド製剤の催奇形性についての勧告が届き、同年中に出荷停止された。
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サリドマイド薬害の経緯【登録販売者解説】
正解の理由
サリドマイドの副作用には、血管新生(けっかんしんせい)を妨げる作用があります。
正しいのは3です。1・2・4は誤りで、3は正しい記述です。根拠は、手引き第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の「薬害の歴史」です。厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)」では、サリドマイドの作用と販売停止までの経緯が説明されています。
解法ステップ
- 選択肢1の「糖尿病薬」と、選択肢2の「一般用医薬品として販売されたことはない」に注目します。どちらも、手引きにあるサリドマイドの説明と照らして判断できます。
- 「血管新生を妨げる作用」は、サリドマイドの副作用として手引きに記載されています。ここが正しい記述を見つける手がかりです。
- 選択肢4は「1961年中に出荷停止」という時期を確認します。勧告が届いた年と、実際に出荷停止された年は同じではありません。
選択肢別の誤答解説
-
選択肢1:誤り
× 糖尿病薬 → ○ 催眠鎮静成分として承認
サリドマイドは、催眠鎮静成分として承認され、その鎮静作用を目的として胃腸薬にも配合されました。妊娠中の女性が使用し、出生児に四肢欠損(ししけっそん)などの先天異常(せんてんいじょう)が発生したことが、サリドマイド訴訟の背景です。 -
選択肢2:誤り
× 一般用医薬品として販売されたことはない → ○ 過去に一般用医薬品として販売されていた
手引きには、サリドマイド製剤は過去に一般用医薬品として販売されていたとあります。「販売されたことはない」という否定が誤りです。 -
選択肢3:正しい
サリドマイドには、副作用として血管新生を妨げる作用があります。妊娠中に使用すると、成分が胎盤を通って胎児に移行し、器官が形成される過程で血管新生が妨げられることがあります。その結果、器官が十分に成長せず、先天異常につながることがあります。 -
選択肢4:誤り
× 同年中に出荷停止 → ○ 出荷停止は1962年5月
1961年11月に西ドイツのレンツ博士が催奇形性(さいきけいせい)について警告し、同年12月には西ドイツ企業から日本に勧告が届きました。しかし、日本で出荷停止されたのは1962年5月です。勧告が届いた年と出荷停止の年を取り違えないようにしましょう。
よくある誤解
- 「薬害を起こした医薬品なら、一般用医薬品として販売されたことはない」と考えてしまうことがあります。サリドマイド製剤は、過去に一般用医薬品として販売されていました。
- 「1961年に勧告が届いた」という情報だけで、「1961年中に出荷停止された」と結びつけてしまいがちです。勧告は1961年、出荷停止は1962年です。
- サリドマイドの承認時の目的と、副作用として起きたことを混同しないようにしましょう。承認時は催眠鎮静成分として扱われ、血管新生を妨げる作用は副作用として問題になりました。
補足コラム
サリドマイドによる薬害を受け、医薬品の市販後に副作用情報を集める重要性が改めて認識されました。薬害の歴史は、被害が起きた経緯だけでなく、その後の医薬品安全対策につながった点も押さえておきましょう。
FAQ
Q. サリドマイドの一方の光学異性体だけを使えば、催奇形性を避けられますか?
A. 手引きによると、血管新生を妨げる作用を持たないR体だけを分離して製剤化しても、体内でR体とS体が相互に転換するため、催奇形性は避けられません。
A. 手引きによると、血管新生を妨げる作用を持たないR体だけを分離して製剤化しても、体内でR体とS体が相互に転換するため、催奇形性は避けられません。
関連キーワード: サリドマイド、血管新生、催奇形性、サリドマイド訴訟、薬害の歴史

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