登録販売者 2022年 中国・四国 問20
問題文
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a HIV訴訟とは、脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介して、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
b HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療・研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進してきている。
c HIV訴訟の和解を契機に、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
d HIV訴訟は、国及び製薬企業を被告として提訴された。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:誤、d:正
2:a:誤、b:誤、c:正、d:正
3:a:正、b:誤、c:正、d:誤
4:a:誤、b:正、c:誤、d:正(正解)
5:a:誤、b:正、c:誤、d:誤
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HIV訴訟と薬害救済制度【登録販売者解説】
正解の理由
HIV訴訟は血液凝固因子製剤による感染被害、医薬品副作用被害救済制度はサリドマイド訴訟・スモン訴訟が契機です。
組合せは4です。aは誤り、bは正しく、cは誤り、dは正しい記述です。根拠は「試験問題の作成に関する手引き」第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の「医薬品による副作用等にかかる主な訴訟」です。
解法ステップ
- aの「ヒト乾燥硬膜」は、HIV訴訟ではなく、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟の説明と照らし合わせます。
- HIV訴訟の感染経路として、「HIVが混入した原料血漿」と「血液凝固因子製剤の投与」が記述されているかを確認します。
- cは「副作用被害救済制度」の契機に注目します。「HIV訴訟」ではなく、サリドマイド訴訟とスモン訴訟が契機です。
- dは訴訟の被告に「国及び製薬企業」の両方が含まれているかを確認します。
選択肢別の誤答解説
記述a
×「ヒト乾燥硬膜を介して」→ ○「HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けて」
HIV訴訟は、血友病患者が血液凝固因子製剤の投与を受け、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟です。ヒト乾燥硬膜を介した感染被害は、CJD訴訟の説明です。
記述b
HIV訴訟の和解を踏まえた国の恒久対策として、エイズ治療・研究開発センターや拠点病院の整備、治療薬の早期提供などが進められてきました。記述は正しいです。
記述c
×「HIV訴訟の和解を契機」→ ○「サリドマイド訴訟、スモン訴訟を契機」
医薬品副作用被害救済制度は、医薬品の副作用による健康被害を迅速に救済する制度です。手引きでは、サリドマイド訴訟とスモン訴訟を踏まえて1979年に創設されたとされています。
記述d
HIV訴訟は、国及び製薬企業を被告として提訴されました。記述は正しいです。
組合せの確認
よくある誤解
- 「ヒト乾燥硬膜」と「HIV」を結びつけてしまう点に注意です。ヒト乾燥硬膜はCJD訴訟、HIVは血液凝固因子製剤による感染被害です。
- 「健康被害の救済」という共通点だけで、救済制度の契機を混同しないようにしましょう。副作用被害救済制度は、HIV訴訟ではなくサリドマイド訴訟・スモン訴訟が契機です。
- 訴訟の説明では、被害の原因や制度の契機が別の訴訟のものに入れ替えられることがあります。固有名詞と原因をセットで覚えましょう。
補足コラム
HIV訴訟の和解を踏まえ、生物由来の医薬品等による感染被害についても救済制度の創設が進められました。2002年の薬事法改正に伴い、「生物由来製品感染等被害救済制度」が創設されています。
医薬品副作用被害救済制度と、生物由来製品感染等被害救済制度は、対象となる健康被害が異なる制度です。「副作用」と「感染等」を分けて整理すると、制度の取り違えを防ぎやすくなります。
FAQ
生物由来製品感染等被害救済制度は、医薬品副作用被害救済制度と同じ制度ですか?
別の制度です。医薬品副作用被害救済制度は副作用による健康被害を対象とし、生物由来製品感染等被害救済制度は生物由来製品を介した感染等による健康被害を対象とします。
関連キーワード: HIV訴訟、血液凝固因子製剤、医薬品副作用被害救済制度、生物由来製品感染等被害救済制度、CJD訴訟

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