登録販売者 2022年 中国・四国 問64
問題文
解熱鎮痛成分の働き及び副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 大部分の解熱鎮痛成分による解熱作用は、末梢神経系におけるプロスタグランジンの産生抑制作用のほか、腎臓における水分の再吸収を促して循環血流量を増し、発汗を促進する作用も寄与している。
b 心臓病、腎臓病等の基礎疾患がない場合でも、解熱鎮痛薬を長期連用することにより、自覚症状がないまま徐々に臓器の障害が進行するおそれがある。
c アルコールは、解熱鎮痛成分の吸収や代謝に影響を与え、副作用を起こしやすくするおそれがあるため、解熱鎮痛薬の服用期間中は、飲酒を避けることとされている。
d いわゆる「アスピリン喘息」は、アスピリン特有の副作用であり、他の解熱鎮痛成分では生じない。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:正
2:a:正、b:誤、c:正、d:正
3:a:正、b:正、c:正、d:誤
4:a:誤、b:正、c:正、d:誤(正解)
5:a:誤、b:誤、c:誤、d:誤
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解熱鎮痛成分の作用と注意点【登録販売者解説】
正解の理由
解熱作用は中枢神経系、長期連用と飲酒には注意、アスピリン喘息はアスピリンだけに限りません。
4は、aが誤、bが正、cが正、dが誤という組み合わせです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の解熱鎮痛薬に関する記載です。
解法ステップ
- aの「末梢神経系」に注目します。解熱作用に関わるプロスタグランジンの産生抑制は、どの場所で起こるとされているかを確認します。
- bは「長期連用」「自覚症状がないまま」という部分を確認します。手引きの注意と一致するかを見ます。
- cは「吸収や代謝に影響」「飲酒を避ける」というつながりを確認します。
- dは「アスピリン特有」「他の成分では生じない」という断定に注目します。例外なくアスピリンだけに限られるかを考えます。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤りです。
×「末梢神経系」→ ○「中枢神経系」
解熱作用には、中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生抑制が関わります。腎臓で水分の再吸収を促して循環血流量を増やし、発汗を促進する作用も解熱に寄与しますが、「末梢神経系」とする部分が誤りです。aを正としている選択肢1・2・3は、この点が合いません。 -
b:正しい記述です。
心臓病や腎臓病などの基礎疾患がない人でも、解熱鎮痛薬を長期間使用すると、自覚症状がないまま臓器の障害が進むおそれがあります。bを誤としている選択肢2・5は、この点が合いません。 -
c:正しい記述です。
アルコールは解熱鎮痛成分の吸収や代謝に影響し、副作用を起こしやすくするおそれがあります。そのため、解熱鎮痛薬の服用期間中は飲酒を避けることとされています。cを誤としている選択肢1・5は、この点が合いません。 -
d:誤りです。
×「アスピリン特有」「他の解熱鎮痛成分では生じない」→ ○「アスピリン特有ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じる」
「アスピリン喘息」という名称でも、アスピリンだけに限られる副作用ではありません。dを正としている選択肢1・2は、この点が合いません。
選択肢3はaだけが正誤の組み合わせと異なり、選択肢5はbとcが異なります。選択肢1はa・c・d、選択肢2はa・b・dが異なるため、a誤・b正・c正・d誤となるのは4です。
よくある誤解
- 「末梢」と「中枢」の取り違えに注意します。解熱作用の説明にあるプロスタグランジンの産生抑制は、中枢神経系の働きとして整理します。
- 「アスピリン喘息」という名前から、アスピリンだけの副作用だと思い込むのは誤りです。「特有」「のみ」「他では起こらない」といった限定表現は慎重に確認します。
- 長期連用による臓器障害は、症状が出てから気づけるとは限りません。「自覚症状がないまま進行するおそれ」という記述も押さえます。
補足コラム
解熱鎮痛成分の作用は、解熱と鎮痛・抗炎症で整理すると見分けやすくなります。
- 解熱:中枢神経系でのプロスタグランジン産生抑制などが関わります。
- 痛みや炎症の抑制:局所でのプロスタグランジン産生抑制が関わります。ただし、アセトアミノフェンでは末梢における抗炎症作用は期待できません。
FAQ
解熱鎮痛薬で空腹時を避けるものが多いのはなぜですか?
プロスタグランジンには胃腸の粘膜を保護する働きもあります。その働きが妨げられると胃粘膜に障害が起こりやすくなるため、空腹時を避けて服用することとされている場合が多いです。
プロスタグランジンには胃腸の粘膜を保護する働きもあります。その働きが妨げられると胃粘膜に障害が起こりやすくなるため、空腹時を避けて服用することとされている場合が多いです。
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