登録販売者 2022年 中国・四国 問72
問題文
胃に作用する薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 制酸成分を主体とする胃腸薬は、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下することが考えられるため、炭酸飲料等での服用は適当でない。
b オウバク、ゲンチアナ及びユウタン等の生薬成分が配合された健胃薬は、苦味の強い製剤が多いため、一般の生活者に対してはオブラートで包む等、味を遮蔽する方法で服用するよう指導することが望ましい。
c ピレンゼピン塩酸塩は、抗コリン作用を示すため、排尿困難や動悸等の副作用を生じることがある。
d 胃液分泌を抑制することを目的として、ヒスタミンの働きを抑える成分が配合された医薬品は、H1ブロッカーと呼ばれている。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:誤、d:正
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤(正解)
3:a:誤、b:正、c:正、d:誤
4:a:誤、b:誤、c:正、d:正
5:a:誤、b:正、c:誤、d:誤
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胃液分泌抑制成分と健胃薬【登録販売者解説】
正解の理由
制酸成分は胃酸を中和し、健胃成分は味や香りで胃の働きを高め、胃液分泌抑制成分は胃液の分泌を抑えます。
正しい組み合わせは2です。記述は a:正、b:誤、c:正、d:誤 となります。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)」第3章「主な医薬品とその作用」の胃に作用する薬に関する項目です。
解法ステップ
- aは「酸度の高い食品」「炭酸飲料等」に注目します。制酸成分の中和作用に影響するため、炭酸飲料等での服用は適当でないという内容です。
- bは、オウバクなどの苦味をどう扱うかを確認します。苦味や香りは健胃作用に関係するため、オブラートで隠すという記述に注意します。
- cは、ピレンゼピン塩酸塩の「抗コリン作用」と副作用の組み合わせを確認します。
- dは、胃液分泌を抑える薬の「H1ブロッカー」という部分を見ます。胃液分泌を抑えるものはH2ブロッカーです。
選択肢別の誤答解説
記述a:正しいです。
酸度の高い食品や炭酸飲料等と一緒に使用すると、制酸成分の胃酸に対する中和作用が低下することがあります。そのため、炭酸飲料等で服用するのは適当でないとされています。
酸度の高い食品や炭酸飲料等と一緒に使用すると、制酸成分の胃酸に対する中和作用が低下することがあります。そのため、炭酸飲料等で服用するのは適当でないとされています。
記述b:誤りです。
× オブラートで包むなど、味や香りを遮蔽して服用する
→ ○ 味や香りを遮蔽する方法での服用は適当でない
× オブラートで包むなど、味や香りを遮蔽して服用する
→ ○ 味や香りを遮蔽する方法での服用は適当でない
オウバク、ゲンチアナ、ユウタンなどの生薬成分は、苦味や香りによる刺激で唾液や胃液の分泌を促し、胃の働きを高めることが期待されます。味や香りを隠すと、その作用が期待できなくなります。
記述c:正しいです。
ピレンゼピン塩酸塩は胃液の分泌を抑えますが、消化管以外では一般的な抗コリン作用(アセチルコリンの働きを抑える作用)を示すことがあります。そのため、排尿困難(はいにょうこんなん)や動悸(どうき)、目のかすみなどが副作用として現れることがあります。
ピレンゼピン塩酸塩は胃液の分泌を抑えますが、消化管以外では一般的な抗コリン作用(アセチルコリンの働きを抑える作用)を示すことがあります。そのため、排尿困難(はいにょうこんなん)や動悸(どうき)、目のかすみなどが副作用として現れることがあります。
記述d:誤りです。
× H1ブロッカー
→ ○ H2ブロッカー
× H1ブロッカー
→ ○ H2ブロッカー
胃液分泌に関わるヒスタミンの働きを抑える成分が配合された医薬品は、H2ブロッカーと呼ばれます。H1ブロッカーではありません。
組み合わせの照合
- 選択肢1は、c・dの正誤が違います。
- 選択肢3は、a・bの正誤が違います。
- 選択肢4は、a・dの正誤が違います。
- 選択肢5は、a・b・cの正誤が違います。
よくある誤解
- 健胃薬は苦味があるから飲みやすくするために隠す、と思いがちです。しかし、苦味や香りが健胃作用に関わるため、遮蔽する飲み方は適当でないとされます。
- 「ヒスタミンの働きを抑える」という語だけでH1ブロッカーと判断しがちです。胃液分泌を抑える薬はH2ブロッカーです。
- ピレンゼピン塩酸塩は胃液分泌を抑える成分なので、抗コリン作用による副作用は関係ないと思いがちです。消化管以外では抗コリン作用による副作用が生じることがあります。
補足コラム
制酸成分は、すでにある胃酸を中和します。一方、胃液分泌抑制成分は、胃液が分泌される働きを抑えます。「胃酸を弱める」のか「胃液の分泌を抑える」のかを区別すると、成分の働きを整理しやすくなります。
FAQ
Q. 健胃薬の苦味は、なぜ大切なのですか?
A. 味覚や嗅覚への刺激が、反射的な唾液や胃液の分泌につながり、胃の働きを高めることが期待されているためです。
A. 味覚や嗅覚への刺激が、反射的な唾液や胃液の分泌につながり、胃の働きを高めることが期待されているためです。
Q. H1ブロッカーとH2ブロッカーは、どちらもヒスタミンの働きを抑えるのですか?
A. どちらもヒスタミンの働きを抑える成分ですが、この問題で問われている「胃液分泌を抑える成分」はH2ブロッカーです。
A. どちらもヒスタミンの働きを抑える成分ですが、この問題で問われている「胃液分泌を抑える成分」はH2ブロッカーです。
関連キーワード: 制酸成分、健胃成分、ピレンゼピン塩酸塩、抗コリン作用、H2ブロッカー

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