登録販売者 2022年 中国・四国 問96
問題文
肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢
1:防已黄耆湯は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされる。
2:防風通聖散は、体力が充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に適すとされる。
3:大柴胡湯は、体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされる。
4:構成生薬として防已黄耆湯と防風通聖散にはカンゾウが含まれ、防風通聖散と大柴胡湯にはマオウが含まれている。(正解)
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肥満症の漢方処方【登録販売者解説】
正解の理由
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は「水ぶとり型」、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)・大柴胡湯(だいさいことう)は「体力充実型」です。
誤っているのは4です。防已黄耆湯と防風通聖散にカンゾウが含まれるという前半は正しいですが、大柴胡湯にマオウは含まれません。問題の根拠は、手引きの第3章「主な医薬品とその作用」の漢方処方製剤に関する項目です。ここでは「試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)」を、以後「手引き」と呼びます。
解法ステップ
- まず処方名と体力の区分を照合します。防已黄耆湯は「体力中等度以下」、防風通聖散と大柴胡湯は「体力充実」が目印です。
- 次に、症状の特徴を見ます。「疲れやすい・汗をかきやすい・水ぶとり」は防已黄耆湯、「腹部に皮下脂肪が多い・便秘がち」は防風通聖散、「脇腹からみぞおちあたりが苦しい・便秘傾向」は大柴胡湯に対応します。
- 最後に、構成生薬の組み合わせを確認します。大柴胡湯とマオウを結びつけている記述が誤りです。
選択肢別の誤答解説
-
1:正しい
防已黄耆湯は、体力中等度以下で、疲れやすく汗をかきやすい人の肥満症などに用いられます。「筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり」という特徴も手引きの記載どおりです。構成生薬としてカンゾウを含みます。 -
2:正しい
防風通聖散は、体力が充実し、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人の肥満症などに用いられます。カンゾウを含む処方です。なお、体の虚弱な人や胃腸が弱く下痢しやすい人などには不向きとされています。 -
3:正しい
大柴胡湯は、体力が充実し、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向がある人の肥満症などに用いられます。症状の説明は手引きの記載と合っています。 -
4:誤り
×「防風通聖散と大柴胡湯にはマオウが含まれている」→ ○「防風通聖散にマオウは含まれるが、大柴胡湯にマオウは含まれない」
防已黄耆湯と防風通聖散にカンゾウが含まれるという部分は正しいため、誤りはマオウと大柴胡湯を結びつけている部分です。
よくある誤解
- 似た症状の処方を、同じ体力区分だと思い込む
肥満症に用いられる処方でも、体力の区分や特徴は異なります。防已黄耆湯は「体力中等度以下」、防風通聖散・大柴胡湯は「体力充実」です。 - 「処方に含まれる生薬」の組み合わせを取り違える
症状の適応が合っていても、生薬の記述が誤りなら選択肢全体として誤りです。処方名とカンゾウ・マオウの組み合わせを別々に確認しましょう。 - 肥満症なら、どの処方も幅広く使えると思い込む
手引きは、これらの処方がどのような肥満症にも適するわけではないとしています。
補足コラム
3処方の見分け方を、体力の区分と特徴で整理しましょう。
- 防已黄耆湯:体力中等度以下。疲れやすく汗をかきやすい傾向があり、「水ぶとり」が特徴です。
- 防風通聖散:体力充実。腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人が目安です。
- 大柴胡湯:体力充実。脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘傾向がある人が目安です。
また、肥満症では、糖質や脂質を多く含む食品の過度な摂取を控えることや、日常生活に適度な運動を取り入れることなど、生活習慣の改善も重要とされています。
FAQ
「肥胖症」は肥満症と別の状態ですか?
手引きでは、肥胖症(ひはんしょう)は肥満症を指す漢方医学における呼称として説明されています。
手引きでは、肥胖症(ひはんしょう)は肥満症を指す漢方医学における呼称として説明されています。
漢方処方製剤は、生薬が共通していても一緒に使えるのですか?
同じ生薬を含む処方を併用すると、作用が強く現れたり、副作用が生じやすくなったりするおそれがあります。他の漢方処方製剤などとの併用には注意が必要です。
同じ生薬を含む処方を併用すると、作用が強く現れたり、副作用が生じやすくなったりするおそれがあります。他の漢方処方製剤などとの併用には注意が必要です。
関連キーワード: 防已黄耆湯、防風通聖散、大柴胡湯、肥満症、カンゾウ、マオウ

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