登録販売者 2022年 中国・四国 問97
問題文
消毒薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らすために行われる処置であり、また滅菌は物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することである。
b 消毒薬が微生物を死滅させる仕組み及び効果は、殺菌消毒成分の種類、濃度、温度、時間、消毒対象物の汚染度、微生物の種類や状態などによって異なる。
c 次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などの有機塩素系殺菌消毒成分は、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。
d クレゾール石ケン液は微生物のタンパク質を変性させ、それらの作用を消失させることから、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。
選択肢
1:(a、b)(正解)
2:(a、c)
3:(a、d)
4:(b、c)
5:(c、d)
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消毒薬の作用と滅菌【登録販売者解説】
正解の理由
殺菌・消毒は微生物の数を減らし、滅菌はすべての微生物を殺滅・除去します。
正しい組合せは1で、記述a・bが正しく、c・dは誤りです。根拠は『試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)』第3章「主な医薬品とその作用」の「消毒薬」です。
解法ステップ
- aでは「殺菌・消毒」と「滅菌」の定義を確認します。滅菌は、物質中のすべての微生物を対象とします。
- bは、消毒薬の効果を左右する要因の列挙を見ます。成分の種類や濃度だけでなく、温度・時間・汚染度・微生物の種類や状態も含まれています。
- cは「有機塩素系」という分類名に注目します。手引きが強い酸化力などを説明しているのは「塩素系」です。
- dはクレゾール石ケン液の対象を確認します。大部分のウイルスには殺菌消毒作用を示さないため、記述全体が正しいとはいえません。
選択肢別の誤答解説
記述ごとの確認
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a 正しい 殺菌・消毒は、生存する微生物の数を減らすための処置です。一方、滅菌(めっきん)は、物質中のすべての微生物を殺滅(さつめつ)または除去することです。すべてを対象とするかどうかが、両者を見分けるポイントです。
-
b 正しい 消毒薬の効果は、殺菌消毒成分の種類や濃度、温度、作用させる時間、消毒対象物の汚染度、微生物の種類や状態などで異なります。「消毒薬なら、どの微生物にも同じように効く」とは限りません。
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c 誤り ×「有機塩素系殺菌消毒成分」→ ○「塩素系殺菌消毒成分」 次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉について、手引きは「塩素系殺菌消毒成分」として説明しています。強い酸化力や人体の消毒に通常用いられない点は、塩素系の特徴です。有機塩素系の成分は別に扱われ、プールなどの大型設備に用いられることが多いとされています。
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d 誤り クレゾール石ケン液は、結核菌(けっかくきん)を含む一般細菌類や真菌類(しんきんるい)に対して比較的広い殺菌消毒作用を示します。しかし、手引きでは大部分のウイルスに対する作用はないとされています。「大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用を示す」という部分が誤りです。
組合せの照合
- 2(a、c):aは正しいですが、cを含み、正しいbを含まないため誤りです。
- 3(a、d):aは正しいですが、dを含み、正しいbを含まないため誤りです。
- 4(b、c):bは正しいですが、cを含み、正しいaを含まないため誤りです。
- 5(c、d):c・dの両方が誤りで、正しいa・bを含まないため誤りです。
よくある誤解
- 「塩素系」と「有機塩素系」を同じものとして扱う誤りです。手引きでは別々の項目として説明されています。
- 「殺菌消毒作用がある」から、ウイルス全般にも効くと考えるのは危険です。クレゾール石ケン液は、大部分のウイルスに作用しないとされています。
- 「殺菌・消毒」と「滅菌」を同じ意味と考える誤りです。滅菌は、すべての微生物を対象とする定義です。
補足コラム
塩素系殺菌消毒成分には、次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉があります。金属を腐食させたり、プラスチックやゴム製品を劣化させたりすることがあり、酸性の洗剤・洗浄剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生するおそれがあります。
一方、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどは有機塩素系殺菌消毒成分として扱われます。分類名の違いを、成分名と結びつけて覚えましょう。
FAQ
Q. 消毒薬の効果が、使う状況によって変わるのはなぜですか?
A. 微生物の種類や状態、対象物の汚染度、消毒薬の濃度や作用時間などが異なるためです。条件によっては、消毒薬が十分に効かない微生物もいます。
A. 微生物の種類や状態、対象物の汚染度、消毒薬の濃度や作用時間などが異なるためです。条件によっては、消毒薬が十分に効かない微生物もいます。
Q. 塩素系の消毒薬を使う前に、対象物を洗浄することがあるのはなぜですか?
A. 吐瀉物(としゃぶつ)や血液などの有機物の影響を受けやすいためです。対象物を洗浄した後に使うほうが、効果的とされています。
A. 吐瀉物(としゃぶつ)や血液などの有機物の影響を受けやすいためです。対象物を洗浄した後に使うほうが、効果的とされています。
関連キーワード: 殺菌・消毒、滅菌、塩素系殺菌消毒成分、有機塩素系殺菌消毒成分、クレゾール石ケン液

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