登録販売者 2022年 奈良・関西広域連合・福井 問12
問題文
妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)への医薬品の使用等に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。
b 一般用医薬品では多くの場合、妊婦に対する安全性の評価は確立されているが、配慮が必要であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
c 便秘薬は、配合成分やその用量にかかわらず、流産や早産が誘発されることはない。
d 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:正
4:a:正、b:誤、c:誤、d:正(正解)
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正
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妊娠・授乳中の医薬品使用【登録販売者解説】
正解の理由
血液-胎盤関門はあるが、医薬品の移行を完全には防げません。妊婦の安全性評価は困難で、便秘薬は成分や用量によって流産・早産のおそれがあります。
正しい組合せは4です。記述は a:正、b:誤、c:誤、d:正 です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第1章「妊婦・授乳婦」にあります。
解法ステップ
- aは「胎盤に、母体と胎児の血液が混ざらない仕組みがある」という記述です。この仕組みがあるかどうかを確認します。
- bは「妊婦に対する安全性の評価は確立」という部分に注目します。手引きの表現と合うかを見ます。
- cは「配合成分や用量にかかわらず」「誘発されることはない」という断定を確認します。
- dは、医薬品の成分の一部が乳汁(にゅうじゅう)へ移行する場合があるかを判断します。aとdを正しいと確定すると、両方が正しい選択肢に絞れます。
選択肢別の誤答解説
-
a:正
胎盤(たいばん)には、胎児の血液と母体の血液が混ざらない仕組みである「血液-胎盤関門」があります。ただし、これによって医薬品の成分が胎児へ移行するのをどの程度防げるかは、未解明のことも多いです。「関門がある」ことと「医薬品が胎児へ移行しない」ことは同じではありません。 -
b:誤
×「安全性の評価は確立されている」→ ○「安全性に関する評価が困難」
妊婦に対する安全性の評価は困難な場合が多いため、一般用医薬品では妊婦の使用について「相談すること」としているものが多いです。「配慮が必要だから」だけでなく、安全性の評価が困難である点が重要です。 -
c:誤
×「流産や早産が誘発されることはない」→ ○「配合成分やその用量によっては、流産や早産を誘発するおそれがある」
便秘薬はすべて一律にリスクがないわけではありません。配合成分や用量によっては、腸の急激な動きに刺激されて流産(りゅうざん)や早産(そうざん)を誘発するおそれがあります。 -
d:正
医薬品の種類によっては、使用した成分の一部が乳汁中に移行します。その結果、母乳を介して乳児(にゅうじ)が成分を摂取する場合があるため、授乳中の使用にも注意が必要です。
選択肢ごとの誤りは、照合すると次のとおりです。
- 選択肢1:a正・b正・c誤・d誤です。bは誤り、dは正しいため、この2記述が違います。
- 選択肢2:a正・b誤・c正・d誤です。cは誤り、dは正しいため、この2記述が違います。
- 選択肢3:a誤・b正・c正・d正です。aは正しく、bとcは誤りのため、この3記述が違います。
- 選択肢5:a誤・b正・c誤・d正です。aは正しく、bは誤りのため、この2記述が違います。
よくある誤解
- 「関門がある」から「医薬品は胎児へ移行しない」と考える
関門の存在と、成分の移行を完全に防げることは別です。 - 「相談すること」を「妊婦には安全性が確認されている」と読み替える
相談が必要なのは、安全性の評価が困難な場合が多いためです。 - 「便秘薬は一律に安全」または「一律に危険」と決めつける
流産・早産のおそれは、配合成分や用量によって異なります。
補足コラム
妊婦については、胎児への成分移行や安全性評価の難しさが注意点です。授乳婦については、乳汁中に移行した成分を乳児が摂取する可能性が注意点です。なお、成分が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では具体的な悪影響が判明していないものもあります。
FAQ
「相談すること」と書かれている医薬品は、妊婦が必ず使ってはいけないのですか?
必ずしも「使用してはいけない」という意味ではありません。安全性の評価が困難な場合もあるため、自己判断で使用せず、必要に応じて医師や薬剤師に相談するという注意です。
必ずしも「使用してはいけない」という意味ではありません。安全性の評価が困難な場合もあるため、自己判断で使用せず、必要に応じて医師や薬剤師に相談するという注意です。
血液-胎盤関門があれば、成分が胎児へ移行する量は一定ですか?
一律にはいえません。医薬品の成分がどの程度移行するかは、未解明のことも多いです。
一律にはいえません。医薬品の成分がどの程度移行するかは、未解明のことも多いです。
関連キーワード: 血液-胎盤関門、妊婦の安全性評価、便秘薬、流産・早産、乳汁中への移行

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