戦国登販登録販売者試験 過去問
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登録販売者 2022年 奈良・関西広域連合・福井 問31


問題文

咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤及び生薬成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 麻杏甘石湯は、体力中等度以上で、咳が出て、ときにのどが渇くものの咳、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、感冒、痔の痛みに適すとされる。 b 半夏厚朴湯は、構成生薬としてカンゾウを含むため、摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意を促すことが重要である。 c キョウニンは、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を興奮させる作用を示すとされる。 d 麦門冬湯は、体力中等度で、気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、かぜをひきやすく、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴うものの小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症、虚弱体質に適すとされる。

選択肢

1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:正、b:正、c:誤、d:正
3:a:正、b:誤、c:誤、d:誤(正解)
4:a:誤、b:誤、c:正、d:正
5:a:誤、b:誤、c:正、d:誤

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咳止め・去痰薬の漢方処方と生薬【登録販売者解説】

正解の理由

ひと言まとめ:麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)は咳と口渇、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)はカンゾウを含まず、キョウニンの代謝物は咳の中枢を鎮静します。
正しい組合せは3です。記述は、aが正、b・c・dが誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)」第3章「主な医薬品とその作用」の、咳止め・痰を出しやすくする薬の項目です。

解法ステップ

  1. aは「体力中等度以上」「咳」「ときにのどが渇く」という麻杏甘石湯の特徴を確認します。
  2. bは、半夏厚朴湯がカンゾウを含むかを確認します。カンゾウを含む処方の例外として覚えると判断できます。
  3. cは、キョウニンの代謝物が呼吸中枢・咳嗽中枢(がいそうちゅうすう:咳の反射を調節する中枢)に示す作用が、「興奮」か「鎮静」かに注目します。
  4. dは、処方名と特徴の組合せを確認します。「気分がふさぐ」「のど・食道部の異物感」「かぜをひきやすい」は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)ではなく柴朴湯(さいぼくとう)の説明です。

選択肢別の誤答解説

記述ごとの確認

  • a:正しいです。
    麻杏甘石湯は、体力中等度以上で、咳が出て、ときにのどが渇く人の咳などに適するとされます。記述は手引きの説明と一致しています。
  • b:誤りです。
    ×「半夏厚朴湯は、構成生薬としてカンゾウを含む」→ ○「半夏厚朴湯を除く処方は、構成生薬としてカンゾウを含む」
    半夏厚朴湯は、咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる処方のうち、カンゾウを含まないものです。そのため、カンゾウ由来のグリチルリチン酸の総量について述べた注意を、半夏厚朴湯の構成生薬を理由に結び付けるのは誤りです。
  • c:誤りです。
    ×「興奮させる」→ ○「鎮静させる」
    キョウニンは、体内で分解されて生じた代謝物の一部が、延髄(えんずい)の呼吸中枢や咳嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされます。
  • d:誤りです。
    ×「麦門冬湯」→ ○「柴朴湯」
    「体力中等度」「気分がふさいで、咽喉(いんこう)・食道部に異物感がある」「かぜをひきやすい」といった特徴は、柴朴湯の説明です。麦門冬湯は、体力中等度以下で、痰が切れにくい、強く咳き込む、または咽頭の乾燥感がある場合の、から咳などに用いられます。

処方の見分け方

  • 麻杏甘石湯: 体力中等度以上/咳が出て、ときにのどが渇く
  • 半夏厚朴湯: 体力中等度を目安/気分がふさぐ、咽喉・食道部の異物感、ときに動悸・めまい・嘔気(おうき)
  • 麦門冬湯: 体力中等度以下/痰が切れにくい、強く咳き込む、咽頭の乾燥感
  • 柴朴湯: 体力中等度/気分がふさぐ、咽喉・食道部の異物感、かぜをひきやすい

組合せの選択肢

  • 1:誤りです。 a正・b正・c誤・d誤の組合せですが、bは誤りです。半夏厚朴湯はカンゾウを含みません。
  • 2:誤りです。 a正・b正・c誤・d正の組合せですが、bとdが誤りです。半夏厚朴湯はカンゾウを含まず、dの特徴は麦門冬湯ではなく柴朴湯のものです。
  • 4:誤りです。 a誤・b誤・c正・d正の組合せですが、a・c・dが誤りです。麻杏甘石湯の説明であるaは正しく、キョウニンの代謝物は中枢を興奮させるのではなく鎮静させ、dの特徴は柴朴湯のものです。
  • 5:誤りです。 a誤・b誤・c正・d誤の組合せですが、aとcが誤りです。aは正しく、cは「興奮」ではなく「鎮静」が正しい作用です。

よくある誤解

  • 「構成生薬としてカンゾウを含む」という例外の見落とし: 咳止め・去痰目的の漢方処方は、半夏厚朴湯を除いてカンゾウを含むと整理します。
  • 作用の方向を逆にする書き換え: キョウニンの代謝物について、「鎮静」を「興奮」に入れ替えています。作用の方向まで確認しましょう。
  • 処方名だけを見て適応を決める誤り: dは症状の説明自体が誤っているのではなく、処方名が入れ替わっています。

補足コラム

咳止め・去痰目的の漢方処方では、半夏厚朴湯以外は構成生薬としてカンゾウを含むとされています。カンゾウは、体内でグリチルリチン酸に関係する生薬です。医薬品や食品などからの摂取が重なることもあるため、総量が継続して多くならないよう注意を促す点が試験で問われます。

FAQ

麦門冬湯は、痰が多いときにも用いられますか?
手引きでは、痰が切れにくい場合などに用いる一方、水様痰の多い人には不向きとされています。「痰が切れにくい」と「水っぽい痰が多い」を区別して覚えましょう。
半夏厚朴湯の特徴を短く覚えるには、どこに注目しますか?
「気分がふさぐ」と「のど・食道部の異物感」が目印です。加えて、咳やしわがれ声なども適応として挙げられています。

関連キーワード: 麻杏甘石湯、半夏厚朴湯、麦門冬湯、柴朴湯、キョウニン、カンゾウ、グリチルリチン酸
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