登録販売者 2023年 北海道・東北 問17
問題文
サリドマイド製剤及びサリドマイド訴訟に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a サリドマイド訴訟は、日本では、国及び製薬企業を被告として提訴され、その後に和解が成立した損害賠償訴訟である。
b サリドマイドの光学異性体のうち、R体には有害作用がないことから、R体のサリドマイドを分離して製剤化すると催奇形性を避けることができる。
c サリドマイド製剤は、一般用医薬品として販売されていたことはない。
d 催眠鎮静成分であるサリドマイドには、血管新生を妨げる作用もある。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:正
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:誤
4:a:正、b:誤、c:誤、d:正(正解)
5:a:誤、b:正、c:正、d:正
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サリドマイド薬害【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:R体とS体は体内で相互に転換するため、R体だけを使っても催奇形性は避けられません。
正しい組合せは4です。aは正、bは誤、cは誤、dは正です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の「薬害の歴史」です。
解法ステップ
- aの「国及び製薬企業を被告」「和解が成立」は、訴訟の経緯を問う部分です。
- bは「R体を分離すれば催奇形性を避けられる」という結論に注目します。R体とS体が体内で転換する点が判断の鍵です。
- cは「一般用医薬品として販売されたことはない」という断定、dは「血管新生を妨げる作用」という語句を確認します。
- 正しい組合せはa正・b誤・c誤・d正です。選択肢1はb、選択肢2はc・d、選択肢3はa・b・c・d、選択肢5はa・b・cの正誤が合いません。
選択肢別の誤答解説
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a 正しい サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠中に使用したことによる先天異常への損害賠償訴訟です。日本では、製薬企業を被告とする提訴に続き、国と製薬企業を被告としても提訴され、その後、和解が成立しました。
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b 誤り ×「R体を分離して製剤化すると催奇形性を避けることができる」→ ○「R体を分離して製剤化しても催奇形性は避けられない」サリドマイドの光学異性体(こうがくいせいたい)は、分子の並びが同じでも、鏡に映したような関係にあるものです。血管新生(けっかんしんせい:既にある血管から新しい血管ができること)を妨げる作用はS体にありますが、R体とS体は体内で相互に転換します。そのため、R体だけを分離しても催奇形性(さいきけいせい:胎児に先天異常を起こす性質)は避けられません。
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c 誤り ×「一般用医薬品として販売されたことはない」→ ○「過去に一般用医薬品として販売されていたこともある」手引きでは、サリドマイド製剤は過去に一般用医薬品として販売されていたこともあるとされています。「販売されていたことはない」という否定が誤りです。
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d 正しい サリドマイドは催眠鎮静成分として承認されました。また、副作用として血管新生を妨げる作用もありました。妊娠中に摂取すると胎児に移行し、胎児の器官の成長に影響することが、先天異常につながります。
よくある誤解
- 「R体には有害作用がない」から「R体だけなら安全」と考えるのは誤りです。R体とS体は体内で相互に転換します。
- **「一般用医薬品として販売されたことはない」**のような、歴史についての断定に注意しましょう。サリドマイド製剤は過去に一般用医薬品として販売されていました。
- 催眠鎮静成分だから、血管新生への作用とは無関係と考えないようにしましょう。手引きでは、鎮静作用と、血管新生を妨げる作用の両方が示されています。
補足コラム
サリドマイド製剤は日本で1958年から販売されていました。また、サリドマイド訴訟やスモン訴訟などを契機として、医薬品の副作用による健康被害を救済する制度が創設されました。薬害の経緯は、医薬品の安全性を考えるうえで重要な背景です。
FAQ
光学異性体は、どのように覚えるとよいですか?
分子の化学的な並びは同じでも、鏡に映したような左右の関係にあるもの、と押さえましょう。サリドマイドではR体とS体を区別して覚えます。
分子の化学的な並びは同じでも、鏡に映したような左右の関係にあるもの、と押さえましょう。サリドマイドではR体とS体を区別して覚えます。
サリドマイドの鎮静作用と血管新生を妨げる作用は、同じ異性体にありますか?
手引きでは、鎮静作用はR体のみ、血管新生を妨げる作用はS体のみが有するとされています。ただし、体内ではR体とS体が相互に転換します。
手引きでは、鎮静作用はR体のみ、血管新生を妨げる作用はS体のみが有するとされています。ただし、体内ではR体とS体が相互に転換します。
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