登録販売者 2023年 北海道・東北 問73
問題文
医薬品の有効成分の吸収に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢
1:一般に、内服薬の有効成分の消化管からの吸収は、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。
2:内服薬の有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受ける。
3:鼻腔粘膜の下には毛細血管が豊富なため、点鼻薬の成分は循環血液中に移行しやすい。
4:アレルギー反応は微量の抗原でも生じるため、点眼薬や含嗽薬でもショック(アナフィラキシー)等のアレルギー性副作用を生じることがある。
5:坐剤は、内服の場合よりも全身作用が現れるのが遅い。(正解)
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医薬品の有効成分の吸収【登録販売者解説】
正解の理由
坐剤は内服薬より全身作用が現れるのが速く、「遅い」とする記述が誤りです。
誤っている記述は5です。1〜4は正しく、5は誤りです。根拠は、厚生労働省『試験問題の作成に関する手引き(令和5年4月一部改訂)』第2章「人体の働きと医薬品」の「有効成分の吸収」です。
解法ステップ
- 問題は「誤っているもの」を選ぶので、正しい記述ではなく、誤りのある記述を探します。
- 「坐剤」と「内服薬」の比較に注目します。坐剤は肛門から挿入し、直腸内で溶けて有効成分が吸収されます。
- 「全身作用が現れるのが遅い」という部分が、坐剤と内服薬の関係を逆にしているため、5を選びます。
選択肢別の誤答解説
-
1:正しい記述です。
消化管からの吸収は、一般に有効成分が濃度の高い方から低い方へ移動する「受動的拡散」です。特別な力で押し出されるのではなく、濃度差によって広がると考えます。 -
2:正しい記述です。
消化管の内容物や、ほかの医薬品の作用によって、有効成分の吸収量や吸収速度は変わることがあります。 -
3:正しい記述です。
点鼻薬は鼻腔(びくう)に使う薬ですが、鼻粘膜の血管から成分が吸収され、循環血液中に移行しやすいとされています。 -
4:正しい記述です。
含嗽薬(がんそうやく)や点眼薬でも、微量の抗原でアレルギー反応が起こることがあります。そのため、ショック(アナフィラキシー)などのアレルギー性副作用を生じる可能性があります。 -
5:誤りです。
×「全身作用が現れるのが遅い」→ ○「全身作用が現れるのが速い」
坐剤は直腸内で溶け、直腸の粘膜から有効成分が吸収されます。手引きでは、内服の場合より全身作用が現れるのが速いと整理されています。
よくある誤解
-
「坐剤は内服薬と同じように、消化管を通ってから吸収される」と考える
坐剤は口から飲む薬ではありません。直腸で溶けて、直腸の粘膜から吸収されます。 -
「点眼薬や含嗽薬は局所に使うので、全身性の副作用は起こらない」と考える
主な使用場所が局所でも、成分が吸収されたり、微量の抗原でアレルギー反応が起きたりすることがあります。 -
「遅い・速い」の比較を読み飛ばす
この問題では、坐剤の全身作用が内服より「遅い」とする逆転が誤りの手がかりです。
補足コラム
坐剤は、直腸のどの部分から吸収されるかによって、肝臓で代謝を受けるかどうかが異なる場合があります。直腸上部から吸収された成分は、門脈を通って肝臓で代謝を受けます。「坐剤は必ず肝臓で代謝されない」と覚えないようにしましょう。
FAQ
受動的拡散とは何ですか?
成分が、濃度の高い側から低い側へ広がることです。消化管からの吸収の基本として押さえましょう。
成分が、濃度の高い側から低い側へ広がることです。消化管からの吸収の基本として押さえましょう。
点眼薬の成分が鼻から吸収されることもありますか?
あります。手引きでは、点眼薬の成分が鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがあるとされています。
あります。手引きでは、点眼薬の成分が鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがあるとされています。
関連キーワード: 受動的拡散、消化管吸収、坐剤、点鼻薬、点眼薬、含嗽薬、アナフィラキシー

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