登録販売者 2023年 北海道・東北 問74
問題文
次の記述は、薬の代謝及び排泄に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、全身循環に入る前にリンパ管を経由して肝臓を通過する。
b 医薬品の有効成分と血漿タンパク質との複合体は、腎臓で濾過されないため、この複合体が形成されると、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。
c 肝初回通過効果とは、全身循環に移行する有効成分の量が、消化管で吸収された量よりも、肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなることをいう。
d 医薬品の有効成分は、未変化体のままで、あるいは代謝物として体外へ排出されるが、肺から呼気中へ排出されることはない。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、c)
3:(a、d)
4:(b、c)(正解)
5:(b、d)
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薬の代謝と排泄【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:肝初回通過効果は肝臓で代謝される分だけ全身循環に移行する量が減り、血漿タンパク質との複合体は作用の持続に関わります。
4(b、c)の組み合わせが正しいです。記述aは誤り、bとcは正しく、dは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「人体の働きと医薬品」の「薬の生体内運命」「薬の代謝と排泄」です。
解法ステップ
- aの「リンパ管を経由」に注目します。経口投与後に肝臓へ向かう経路は、リンパ管ではなく門脈です。
- bの「腎臓で濾過されない」「長く循環血液中に留まる」は、血漿タンパク質との複合体についての説明と照らします。
- cは「肝初回通過効果」の定義です。吸収された量と全身循環に移行する量の関係を確認します。
- dは排泄経路を問う記述です。「肺から呼気中へ排出されることはない」という断定が、排泄経路の説明と合うかを確認します。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
×(リンパ管を経由して肝臓を通過)→ ○(門脈という血管を経由して肝臓を通過)
経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、全身循環に入る前に門脈を通って肝臓へ運ばれます。リンパ管を経由するという説明が誤りです。 -
b:正しい
血漿タンパク質と結合して複合体を形成した有効成分は、腎臓で濾過されません。そのため有効成分が循環血液中に長く留まり、作用が持続する原因となります。 -
c:正しい
肝初回通過効果とは、消化管で吸収された有効成分のうち、肝臓で代謝を受けた分だけ、全身循環に移行する量が少なくなることです。 -
d:誤り
×(肺から呼気中へ排出されることはない)→ ○(肺から呼気中へ排出されることがある)
有効成分は未変化体または代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、また肺から呼気中へ排出されることがあります。
選択肢の組み合わせも、記述ごとの正誤で確認できます。
- (a、b)は、正しいbを含みますが、誤りのaも含むため不適切です。
- (a、c)は、正しいcを含みますが、誤りのaを含み、正しいbを含まないため不適切です。
- (a、d)は、aとdのどちらも誤りで、正しいbとcを含まないため不適切です。
- (b、d)は、正しいbを含みますが、誤りのdを含み、正しいcを含まないため不適切です。
- (b、c)は、正しい記述だけを組み合わせています。
よくある誤解
- 肝臓へ向かう経路を「リンパ管」と取り違えやすいです。経口投与後は、門脈を通って肝臓へ向かう点を押さえます。
- 「肺は排泄に関係しない」と考えがちですが、呼気中への排出もあります。「ない」とする断定に注意します。
- 血漿タンパク質との結合を、作用が弱まることだけで覚えるのは不十分です。複合体が腎臓で濾過されず、作用の持続につながる点も重要です。
補足コラム
有効成分の主な排出経路は、腎臓から尿中、肝臓から胆汁中、肺から呼気中です。汗中や母乳中への排出もありますが、体内からの消失経路としての意義は小さいとされています。ただし、母乳中への移行は乳児への副作用という点で軽視できません。
FAQ
Q. 血漿タンパク質との複合体は、なぜ血液中に長く留まるのですか?
A. 複合体は腎臓で濾過されず、代謝や分布も制限されるため、血中濃度の低下が徐々に起こるとされています。
A. 複合体は腎臓で濾過されず、代謝や分布も制限されるため、血中濃度の低下が徐々に起こるとされています。
Q. 肝初回通過効果は、すべての投与方法で起こりますか?
A. この名称は、主に経口投与後、消化管で吸収された有効成分が肝臓を通過する前後の変化を説明するものです。手引きでは、直腸上部から吸収される坐剤についても、肝臓で代謝を受ける場合があると説明しています。
A. この名称は、主に経口投与後、消化管で吸収された有効成分が肝臓を通過する前後の変化を説明するものです。手引きでは、直腸上部から吸収される坐剤についても、肝臓で代謝を受ける場合があると説明しています。
関連キーワード: 肝初回通過効果、門脈、血漿タンパク質、複合体、薬物代謝、排泄経路

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