登録販売者 2023年 奈良・関西広域連合・福井 問29
問題文
乗物酔い防止薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a ジプロフィリンは、不安や緊張などの心理的な要因を和らげることにより乗物酔いの発現を抑える。
b メクリジン塩酸塩は、胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげる。
c スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、肝臓で速やかに代謝されるため、抗ヒスタミン成分と比べて作用の持続時間は短い。
d ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:誤、b:正、c:正、d:誤
3:a:誤、b:誤、c:正、d:正(正解)
4:a:誤、b:誤、c:誤、d:正
5:a:正、b:誤、c:誤、d:誤
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乗物酔い防止薬の成分分類【登録販売者解説】
正解の理由
ジプロフィリン=中枢神経系を軽く興奮、メクリジン=抗ヒスタミン、スコポラミン=持続時間が短い、ジフェニドール=前庭神経の調節と内耳の血流改善です。
正しい組合せは3です。a・bは誤り、c・dは正しい記述です。根拠は、第3章「主な医薬品とその作用」の乗物酔い防止薬に関する項目です。厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」では、各成分の分類と作用が整理されています。
解法ステップ
- aの「不安や緊張を和らげる」に注目します。これはジプロフィリンではなく、鎮静成分の働きです。
- bの「胃粘膜への麻酔作用」は、メクリジンではなく局所麻酔成分の働きです。
- cは、スコポラミンが肝臓で速やかに代謝されるため、作用の持続時間が短いという内容です。
- dは、ジフェニドールの前庭神経の調節作用と、内耳への血流を改善する作用を述べており、正しい記述です。
組合せを照合すると、選択肢1はa・b・c・dのすべて、選択肢2はb・d、選択肢4はc、選択肢5はa・c・dの正誤が合いません。
選択肢別の誤答解説
-
a 誤り
×(ジプロフィリンが不安や緊張を和らげる)
→ ジプロフィリンは、脳に軽い興奮を起こさせ、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減することを目的に配合されるキサンチン系成分です。不安や緊張などの心理的要因を和らげる目的で配合されるのは、ブロモバレリル尿素などの鎮静成分です。 -
b 誤り
×(メクリジン塩酸塩が胃粘膜への麻酔作用で嘔吐刺激を和らげる)
→ メクリジン塩酸塩は抗ヒスタミン成分です。抗ヒスタミン成分は、延髄(えんずい)にある嘔吐(おうと)中枢への刺激や、内耳の前庭(ぜんてい)における自律神経反射を抑えます。胃粘膜への麻酔作用を目的とするのは、アミノ安息香酸エチルのような局所麻酔成分です。 -
c 正しい
スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗コリン成分です。消化管からよく吸収され、脳内に移行しやすい一方、肝臓で速やかに代謝されるため、抗ヒスタミン成分などと比べて作用の持続時間は短いとされています。 -
d 正しい
ジフェニドール塩酸塩は抗めまい成分です。内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用に加え、内耳への血流を改善する作用があります。
よくある誤解
- 「酔いに関係する作用」をひとまとめにする誤りに注意します。中枢神経系を興奮させる成分、鎮静成分、抗ヒスタミン成分、局所麻酔成分は、それぞれ役割が異なります。
- 「胃粘膜への麻酔作用」を抗ヒスタミン成分に結びつける誤りに注意します。この作用は局所麻酔成分の説明です。
- 「速やかに代謝される」と「作用が長く続く」を逆にする誤りにも注意が必要です。ここでは、スコポラミンは速やかに代謝されるため、作用の持続時間が短いとされています。
補足コラム
乗物酔い防止薬の成分は、作用の手がかりと一緒に覚えると整理しやすくなります。
- ジプロフィリン:キサンチン系成分。脳に軽い興奮を起こし、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減します。
- ブロモバレリル尿素:鎮静成分。不安や緊張などの心理的要因を和らげる目的で配合される場合があります。
- メクリジン塩酸塩:抗ヒスタミン成分。作用が現れるのは他の抗ヒスタミン成分より遅く、持続時間は長いとされています。
- アミノ安息香酸エチル:局所麻酔成分。胃粘膜への麻酔作用により、嘔吐刺激を和らげます。
FAQ
抗ヒスタミン成分は、どこに働いて乗物酔いを抑えるのですか?
延髄にある嘔吐中枢への刺激や、内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用によって、乗物酔いに伴う吐きけなどを防止・緩和します。
延髄にある嘔吐中枢への刺激や、内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用によって、乗物酔いに伴う吐きけなどを防止・緩和します。
カフェインが配合されていれば、眠気も防げますか?
手引きでは、カフェインが配合されていても、抗めまい成分・抗ヒスタミン成分・抗コリン成分・鎮静成分による眠気が解消されるわけではないとされています。
手引きでは、カフェインが配合されていても、抗めまい成分・抗ヒスタミン成分・抗コリン成分・鎮静成分による眠気が解消されるわけではないとされています。
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