登録販売者 2023年 奈良・関西広域連合・福井 問34
問題文
整腸薬又は止瀉薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 腸内殺菌成分の入った止瀉薬は、下痢の予防で服用したり、症状が治まったのに漫然と服用したりすると、腸内細菌のバランスを崩し、腸内環境を悪化させることがある。
b トリメブチンマレイン酸塩は、消化管の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるが、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。
c ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、効き目が強すぎて便秘が現れることがあり、まれに重篤な副作用としてイレウス様症状を生じることがある。
d ベルベリン塩化物は、海外において長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるため、1週間以上継続して使用しないこととされている。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:正
2:a:誤、b:誤、c:正、d:誤
3:a:正、b:正、c:正、d:誤(正解)
4:a:正、b:誤、c:正、d:誤
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正
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止瀉薬の配合成分【登録販売者解説】
正解の理由
腸内殺菌成分は使い方に注意し、トリメブチンマレイン酸塩とロペラミド塩酸塩には重篤な副作用の記載があります。1週間以上の服用制限は、ベルベリン塩化物ではなくビスマスを含む成分についてです。
正しい組合せは3です。a・b・cは正しく、dは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」です。腸内殺菌成分の注意、トリメブチンマレイン酸塩とロペラミド塩酸塩の作用・副作用、止瀉薬の使用上の注意がポイントです。
解法ステップ
- aは「下痢の予防」「症状が治まった後の漫然とした服用」に注目します。腸内細菌のバランスを崩すことがあるため、正しい記述です。
- bは「消化管の平滑筋(胃や腸の壁にある筋肉)に直接作用」「肝機能障害」が、トリメブチンマレイン酸塩の説明と合うかを確認します。
- cは、ロペラミド塩酸塩の副作用として「便秘」「イレウス様症状(腸の内容物が通りにくくなる状態)」が記載されているかを見ます。
- dは、成分名と「1週間以上継続して服用しない」という注意が対応しているかを確認します。ここで成分の取り違えを見抜きます。
選択肢別の誤答解説
-
a 正しい腸内殺菌成分は、通常の腸内細菌にも抗菌作用を示します。下痢の予防目的や、症状が治まった後も漫然と服用すると、腸内細菌のバランスを崩し、腸内環境を悪化させることがあります。
-
b 正しいトリメブチンマレイン酸塩は、消化管の平滑筋に直接作用し、消化管の運動を調整します。まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがあります。
-
c 正しいロペラミド塩酸塩は腸管の運動を低下させます。そのため、効き目が強すぎると便秘が現れることがあり、まれに重篤な副作用としてイレウス様症状を生じることもあります。
-
d 誤り×(ベルベリン塩化物)→ ○(ビスマスを含む成分)海外で長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があり、「1週間以上継続して服用しないこと」とされているのは、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマスなどのビスマスを含む成分です。問題文は成分を取り違えています。
各選択肢の組合せも確認しましょう。
- 1は「a正・b正・c誤・d正」です。cとdが異なります。
- 2は「a誤・b誤・c正・d誤」です。aとbが異なります。
- 4は「a正・b誤・c正・d誤」です。bが異なります。
- 5は「a誤・b正・c誤・d正」です。a・c・dが異なります。
- 3は「a正・b正・c正・d誤」と一致します。
よくある誤解
- **「腸内殺菌成分は、腸内細菌のバランスを必ず悪化させる」**とは限りません。下痢の予防や、症状が治まった後の漫然とした服用が問題です。
- 「1週間以上継続して服用しない」という注意を、止瀉薬の成分すべてに当てはめるのは誤りです。この記述では、対象はビスマスを含む成分です。
- 「精神神経症状の報告」と「肝機能障害」など、副作用と成分の組合せを入れ替えるひっかけにも注意しましょう。
補足コラム
生菌成分を含む整腸薬と、腸内殺菌成分を含む止瀉薬を併用すると、腸内殺菌成分によって生菌成分の働きが弱められることがあります。どちらも軟便に用いられる場合があっても、配合成分の働きまで同じではありません。
FAQ
Q. ロペラミド塩酸塩は、どのような下痢にも使える成分ですか?
A. いいえ。手引きでは、食あたりや水あたりによる下痢は適用対象ではないとされています。また、発熱や血便などがある場合も、安易な使用を避けるべきとされています。
A. いいえ。手引きでは、食あたりや水あたりによる下痢は適用対象ではないとされています。また、発熱や血便などがある場合も、安易な使用を避けるべきとされています。
Q. 「イレウス様症状」とは、どのような状態ですか?
A. 腸管自体がふさがっていなくても、腸の運動が妨げられ、腸の内容物が通りにくくなった状態です。
A. 腸管自体がふさがっていなくても、腸の運動が妨げられ、腸の内容物が通りにくくなった状態です。
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