登録販売者 2024年 中国・四国 問32
問題文
医薬品の吸収、分布、代謝、排泄に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢
1:皮膚に適用する医薬品のほとんどが、適用部位に対する局所的な効果を目的としている。
2:加齢により皮膚のみずみずしさが低下すると、有効成分が浸潤・拡散しにくくなる。
3:循環血液中に移行した有効成分と血漿タンパク質の複合体は、腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。
4:点鼻薬は鼻腔粘膜への局所作用を目的として用いられるものであり、循環血液中に移行する量は比較的少なく、初めに肝臓で代謝を受けるため全身性の副作用を生じることはない。(正解)
5:医薬品の有効成分は、未変化体又は代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、又は肺から呼気中へ排出される。
🔒 解説は解答すると表示されます
点鼻薬の吸収と全身作用【登録販売者解説】
正解の理由
点鼻薬は局所に使いますが、成分は血液中に移行しやすく、全身性の副作用も起こり得ます。
誤っているのは4です。1、2、3、5は正しい記述です。根拠は、厚生労働省『試験問題の作成に関する手引き』(令和6年4月一部改訂)の第2章「人体の働きと医薬品」にある、吸収、代謝・排泄の項目です。
点鼻薬は鼻腔粘膜への局所作用を目的としますが、鼻腔粘膜の下には毛細血管が多く、成分は循環血液中に移行しやすいとされています。また、初めに肝臓で代謝を受けずに全身へ分布するため、全身性の副作用を生じることがあります。
解法ステップ
- 「局所作用を目的とする」と「全身作用が起こらない」は同じ意味ではない、と切り分けます。
- 点鼻薬について、「循環血液中に移行する量は比較的少ない」「初めに肝臓で代謝を受ける」「全身性の副作用はない」という部分を確認します。
- 手引きでは、点鼻薬の成分は血液中に移行しやすく、初めに肝臓で代謝されずに全身へ分布し、副作用を生じることがあるとされています。この記述と反対の4が誤りです。
選択肢別の誤答解説
- 1:正しい記述です。 塗り薬や貼り薬など、皮膚に適用する医薬品のほとんどは、適用した部位への局所的な効果を目的としています。
- 2:正しい記述です。 加齢などで皮膚のみずみずしさが低下すると、有効成分が浸潤(しんじゅん)・拡散しにくくなります。
- 3:正しい記述です。 血漿(けっしょう)タンパク質と複合体を形成した有効成分は、腎臓で濾過(ろか)されません。そのため血液中に長くとどまり、作用が持続する原因となることがあります。
- 4:誤っている記述です。
×「循環血液中に移行する量は比較的少なく」→ ○「点鼻薬の成分は循環血液中に移行しやすく」
×「初めに肝臓で代謝を受ける」→ ○「初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布」
そのため、「全身性の副作用を生じることはない」も誤りです。 - 5:正しい記述です。 有効成分は、未変化体または代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、または肺から呼気中へ排泄(はいせつ)されます。
よくある誤解
- 「局所作用が目的」だからといって、「全身性の副作用は起こらない」とは限りません。
- 「肝臓で代謝される」という知識を、点鼻薬にも当てはめてしまいがちです。点鼻薬は、初めに肝臓で代謝を受けずに全身へ分布します。
- 選択肢4は、「移行量が少ない」「初めに肝臓で代謝される」「副作用はない」と、手引きの説明を逆向きに書き換えています。
補足コラム
皮膚に適用する医薬品も局所作用が目的のものがほとんどですが、皮膚から循環血液中へ移行する量は通常、比較的少ないとされています。また、加齢による皮膚の変化や傷の有無などで、成分が浸透する量は変わります。点鼻薬と皮膚に使う医薬品では、血液中への移行のされやすさを区別して覚えましょう。
FAQ
点眼薬の成分も、目以外に影響することがありますか?
あります。点眼薬の成分が鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収され、目以外の部位に到達して副作用を起こすことがあります。
あります。点眼薬の成分が鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収され、目以外の部位に到達して副作用を起こすことがあります。
関連キーワード: 点鼻薬、局所作用、全身作用、血漿タンパク質、代謝、排泄

\ せっかくなら /
登録販売者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!
