登録販売者 2024年 奈良・関西広域連合・福井 問18
問題文
HIV訴訟に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された免疫グロブリン製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
b 本訴訟の和解を踏まえ、国は、薬害の再発を防止するための様々な取り組みを推進したが、その後、サリドマイド訴訟、スモン訴訟が相次いで起こった。
c 本訴訟を踏まえ、医薬品の副作用等による健康被害の再発防止に向けた取り組みの一つとして、製薬企業に対し、感染症報告の義務づけ等を内容とする薬事法の改正が行われた。
d 本訴訟を契機に、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られた。
選択肢
1:a:正、b:正、c:正、d:正
2:a:誤、b:誤、c:正、d:正(正解)
3:a:誤、b:誤、c:誤、d:正
4:a:正、b:正、c:誤、d:誤
5:a:正、b:誤、c:正、d:誤
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HIV訴訟と薬害再発防止策【登録販売者解説】
正解の理由
HIV訴訟では、感染の原因となった製剤名と、その後に講じられた再発防止策を整理します。
2が正解です。aは誤、bは誤、cは正、dは正です。厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の「薬害の歴史」に基づく問題です。
解法ステップ
- aは「免疫グロブリン製剤」という製剤名に注目します。HIV訴訟の原因として手引きに記載されている製剤名と照らします。
- bは「その後」という時系列を確かめます。サリドマイド訴訟・スモン訴訟と、HIV訴訟後の取り組みを混同していないかを見ます。
- cは「感染症報告の義務づけ」、dは「検査や献血時の問診の充実」が述べられているかを確認します。
- a・bが誤、c・dが正となる組合せを選びます。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤
×「免疫グロブリン製剤」→ ○「血液凝固因子製剤」
HIV訴訟は、血友病患者がHIVの混入した原料血漿(けっしょう)から製造された血液凝固因子製剤の投与を受け、感染したことに対する損害賠償訴訟です。製剤名の取り違えが誤りです。 -
b:誤
×「本訴訟の後に、サリドマイド訴訟、スモン訴訟が相次いだ」
サリドマイド訴訟・スモン訴訟は、HIV訴訟後に起きたのではありません。手引きでは、これらの訴訟を契機として、1979年に医薬品副作用被害救済制度が創設されたと説明されています。一方、HIV訴訟の和解を踏まえ、国はHIV感染者への恒久対策などを進めました。 -
c:正
HIV訴訟を踏まえた健康被害の再発防止策として、製薬企業に従来の副作用報告に加えて感染症報告を義務づけるなどの内容を含む薬事法改正が行われました。したがって、この記述は正しいです。 -
d:正
HIV訴訟を契機とした血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られました。したがって、この記述は正しいです。
誤答の選択肢
- **1**はa・bを正としているため、a・bの判定が違います。
- **3**はcを誤としているため、cの判定が違います。
- **4**はa・bを正、c・dを誤としており、4つすべての判定が違います。
- **5**はa・dを正・誤としているため、a・dの判定が違います。
よくある誤解
- HIVが混入した製剤を、問題文に出てくる「免疫グロブリン製剤」と読み違えやすいです。訴訟の説明では「血液凝固因子製剤」と結び付けて覚えます。
- 「和解を踏まえ、国が取り組みを進めた」という文の流れに引かれ、サリドマイド訴訟・スモン訴訟もその後に起きたと思い込むことがあります。「その後」という時系列表現に注意しましょう。
- cとdはどちらも再発防止に関する記述です。報告の義務づけと、血液製剤の安全確保対策をそれぞれ別の内容として押さえます。
補足コラム
薬害に関する制度改正は、きっかけとなった訴訟と内容を対応させて整理しましょう。手引きでは、1979年に医薬品副作用被害救済制度が創設され、1996年の薬事法改正では感染症報告の義務づけなどが行われ、2002年の薬事法改正では生物由来製品の安全対策強化などがなされたと説明されています。
FAQ
「副作用報告」と「感染症報告」は同じものですか?
同じではありません。HIV訴訟後の改正では、従来の副作用報告に加えて、感染症報告が義務づけられました。「加えて」という関係で整理しましょう。
同じではありません。HIV訴訟後の改正では、従来の副作用報告に加えて、感染症報告が義務づけられました。「加えて」という関係で整理しましょう。
関連キーワード: HIV訴訟、血液凝固因子製剤、薬害の歴史、感染症報告、血液製剤の安全確保策

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