登録販売者 2024年 奈良・関西広域連合・福井 問72
問題文
薬の代謝、排泄に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 有効成分が体内で代謝を受けると、作用を失ったり、作用が現れたり、あるいは体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化したりする。
b 有効成分の体外への排泄経路として母乳中もあるが、その排泄量は微量であるため、乳児に対する副作用の発現の点では重要ではない。
c 経口投与後、消化管で吸収されて血液中に移行した有効成分は、全身循環に入る前に、門脈という血管を経由して腎臓を通過する。
d 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が過剰となり、血中濃度が速やかに低下する。
選択肢
1:a:誤、b:正、c:正、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:正、b:正、c:誤、d:正
4:a:正、b:誤、c:誤、d:誤(正解)
5:a:誤、b:誤、c:誤、d:誤
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薬の代謝と排泄【登録販売者解説】
正解の理由
代謝は有効成分を化学的に変化させ、腎機能の低下は尿への排泄を遅らせます。
正しい組合せは 4 です。aは正、b・c・dは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和6年4月一部改訂)」第2章「人体の働きと医薬品」の「薬の代謝、排泄」などにあります。
解法ステップ
- aは、代謝によって有効成分がどう変化するかを確認します。
- bは、「母乳中への移行は乳児への影響を軽視できない」という点に注目します。
- cは、門脈の後に通る臓器が腎臓か肝臓かを見ます。
- dは、腎機能低下で尿への排泄が速くなるのか、遅くなるのかを確かめます。
選択肢別の誤答解説
-
a:正しい記述です。
代謝とは、体内で物質が化学的に変化することです。有効成分は代謝により、作用を失うこともあれば、作用が現れることもあります。また、尿などで排泄されやすい水溶性の物質に変化することもあります。
この記述を「誤」とする選択肢1・5は、aの正誤が異なるため誤りです。 -
b:誤りです。
×「乳児に対する副作用の発現の点では重要ではない」→ ○「乳児に対する副作用の発現という点で、軽視することはできない」
母乳中への移行は、体内からの消失経路としての意義は小さいとされます。しかし、乳児への副作用の可能性は軽視できません。「排泄量が微量だから影響も重要ではない」と結び付けないようにしましょう。
bを「正」とする選択肢1・3は、bの正誤が異なるため誤りです。 -
c:誤りです。
×「門脈を経由して腎臓を通過する」→ ○「門脈を経由して肝臓を通過する」
経口投与後に消化管から吸収された有効成分は、全身循環に入る前に門脈を通って肝臓へ向かいます。ここを「腎臓」とした点が誤りです。
cを「正」とする選択肢1・2は、cの正誤が異なるため誤りです。 -
d:誤りです。
×「尿中への排泄が過剰となり、血中濃度が速やかに低下する」→ ○「尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい」
腎機能が低下すると、腎臓からの排泄が遅れます。そのため、有効成分が体内に残りやすくなり、血中濃度も下がりにくくなります。
dを「正」とする選択肢3は、dの正誤が異なるため誤りです。
よくある誤解
- 「排泄量が少ない」から「乳児への影響も小さい」とは限りません。 母乳中への移行は、乳児への副作用の点で軽視できません。
- 「門脈を通る」という記述だけで正しいと判断しないこと。 門脈の後に向かうのは肝臓です。
- 腎機能低下を「尿が多く出る」と結び付けないこと。 この問題では、有効成分の尿中への排泄が遅れる点が問われています。
補足コラム
有効成分は、未変化体のまま、または代謝物として体外へ排出されます。主な経路は、腎臓から尿中、肝臓から胆汁中、肺から呼気中です。汗中や母乳中への排出もありますが、母乳中への移行は乳児への影響という点で注意が必要です。
FAQ
Q. 代謝された有効成分は、必ず作用を失いますか?
A. いいえ。作用を失う場合だけでなく、代謝によって作用が現れる場合もあります。
A. いいえ。作用を失う場合だけでなく、代謝によって作用が現れる場合もあります。
Q. 腎臓の働きが低下すると、なぜ血中濃度が下がりにくくなるのですか?
A. 有効成分の尿中への排泄が遅れ、血液中に残りやすくなるためです。
A. 有効成分の尿中への排泄が遅れ、血液中に残りやすくなるためです。
関連キーワード: 代謝、排泄、門脈、肝臓、腎機能、母乳中への移行

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