登録販売者 2024年 奈良・関西広域連合・福井 問73
問題文
薬の体内での働きに関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 循環血液中に移行した有効成分は、多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。
b 医薬品が摂取された後、有効成分の血中濃度は上昇し、ある時点でピークに達するが、代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回ると低下していく。
c 医薬品の有効成分がわずかでも循環血液中に移行すると、生体の反応としての薬効が現れる。
d 一度に大量の医薬品を摂取したり、十分な間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くしても、ある濃度以上になると薬効は頭打ちとなり、有害な作用(副作用や毒性)も現れにくくなる。
選択肢
1:a:正、b:正、c:正、d:誤
2:a:正、b:正、c:誤、d:正
3:a:正、b:正、c:誤、d:誤(正解)
4:a:誤、b:誤、c:正、d:誤
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正
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血中濃度と薬効【登録販売者解説】
正解の理由
薬効は血中濃度が閾値を超えると現れ、濃度が高すぎると有害な作用も現れやすくなります。
3は、a・bを正、c・dを誤とする組合せです。根拠は、手引きの第2章「人体の働きと医薬品」にある「薬の体内での働き」です。『試験問題の作成に関する手引き』では、有効成分が標的のタンパク質に作用すること、血中濃度の変化、薬効が現れる濃度の目安などが説明されています。
解法ステップ
- aの「受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合」は、薬の作用の説明として手引きにある内容です。
- bの「代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回ると低下」は、血中濃度がピークを過ぎた後の変化です。
- cの「わずかでも」は要注意です。薬効が現れるには、血中濃度が閾値を超える必要があります。
- dの「有害な作用も現れにくくなる」は、手引きの説明と逆です。組合せでは、1はc、2はd、4はa・b・c、5はa・dの判断が手引きと異なります。
選択肢別の誤答解説
-
a:正
循環血液中に移行した有効成分は、標的となる細胞の受容体(成分が結びつく部分)や酵素、トランスポーター(物質を運ぶタンパク質)などに結合し、その働きを変えることで薬効や副作用を現すことがあります。記述のとおりです。 -
b:正
医薬品を摂取すると血中濃度は上昇し、ある時点でピークに達します。その後、代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回ると、血中濃度は低下します。記述のとおりです。 -
c:誤
×「わずかでも循環血液中に移行すると薬効が現れる」→ ○「血中濃度が閾値(いきち)を超えたとき、薬効が現れる」
成分が血液中に移行しただけで、必ず薬効が現れるわけではありません。薬効が現れるには、一定以上の濃度が必要です。 -
d:誤
×「有害な作用も現れにくくなる」→ ○「有害な作用は現れやすくなる」
血中濃度を高くしても、ある濃度以上では薬効は頭打ちになります。一方、副作用や毒性などの有害な作用は現れやすくなります。
よくある誤解
- 「血液中に入れば薬効が現れる」と考えがちですが、薬効には閾値を超える濃度が必要です。
- 「薬効が頭打ちなら、有害な作用も増えない」と取り違えないようにしましょう。薬効と有害な作用の変化は同じではありません。
- 「低下する」の主語を血中濃度と薬効で混同しないことも大切です。bでは血中濃度が低下し、さらに最小有効濃度を下回ると薬効が消失します。
補足コラム
全身作用を目的とする医薬品では、血中濃度が最小有効濃度と、毒性が現れる濃度域(危険域・中毒域)の間に保たれるよう、使用量や使用間隔が定められています。この範囲は有効域または治療域と呼ばれます。
FAQ
Q. 血中濃度がピークを過ぎると、すぐに薬効はなくなりますか?
A. すぐに消失するとは限りません。血中濃度が低下しても、最小有効濃度を下回るまでは薬効が続きます。
A. すぐに消失するとは限りません。血中濃度が低下しても、最小有効濃度を下回るまでは薬効が続きます。
Q. 血中濃度は、飲んだ量だけで決まりますか?
A. 摂取した量だけでなく、吸収・分布・代謝・排泄などの過程も関係します。手引きでは、これらを薬物動態として扱います。
A. 摂取した量だけでなく、吸収・分布・代謝・排泄などの過程も関係します。手引きでは、これらを薬物動態として扱います。
関連キーワード: 血中濃度、閾値、最小有効濃度、有効域、薬物動態

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