登録販売者 2025年 中国・四国 問17
問題文
サリドマイド、サリドマイド製剤及びサリドマイド訴訟に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a サリドマイド製剤は、これまでに一般用医薬品として販売されていたことはない。
b サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
c サリドマイドには、血管新生を妨げる作用がある。
d サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(R体)のサリドマイドを分離して製剤化したものであれば、妊娠している女性が摂取しても催奇形性を避けることができる。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、c)
3:(a、d)
4:(b、c)(正解)
5:(b、d)
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サリドマイド薬害と光学異性体【登録販売者解説】
正解の理由
サリドマイドは血管新生を妨げ、R体とS体は体内で相互に転換します。
正しい組み合わせは、記述 b・c を含む4です。記述aは誤り、bは正しく、cは正しく、dは誤りです。根拠は『試験問題の作成に関する手引き(令和7年4月一部改訂)』第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の「薬害の歴史」です。
解法ステップ
- aの「一般用医薬品として販売されたことはない」という断定に注目します。サリドマイド製剤は、過去に一般用医薬品として販売されていました。
- dは「R体だけなら催奇形性を避けられる」という説明です。R体とS体が体内で相互に転換する点を思い出します。
- bの訴訟の内容と、cの血管新生を妨げる作用を確認します。これらが正しい記述です。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
×「一般用医薬品として販売されたことはない」→ ○「過去に一般用医薬品として販売されたこともある」
サリドマイド製剤は、日本で販売されていたほか、過去に一般用医薬品として販売されていたこともあります。「一度もない」という断定が誤りです。 -
b:正しい
サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損(ししかけっそん)、耳の障害などの先天異常が発生しました。これに対する損害賠償訴訟がサリドマイド訴訟です。 -
c:正しい
サリドマイドには、血管新生(既存の血管から新しい血管ができること)を妨げる作用があります。妊娠中に摂取すると、血液-胎盤関門(けつえき・たいばんかんもん)を通過して胎児に移行し、成長や器官の形成に影響することがあります。 -
d:誤り
×「R体を分離して製剤化すれば催奇形性を避けられる」→ ○「R体とS体が体内で相互に転換するため、催奇形性は避けられない」
血管新生を妨げる作用はS体にありますが、R体だけを製剤化しても、体内でS体に転換するためです。
誤答の選択肢は、含まれる記述を照らして確認します。
- 選択肢1(a、b):aを含む点が誤りです。cを含んでいません。
- 選択肢2(a、c):aを含む点が誤りです。bを含んでいません。
- 選択肢3(a、d):誤りのa・dを含み、正しいb・cを含んでいません。
- 選択肢5(b、d):dを含む点が誤りです。cを含んでいません。
よくある誤解
- 「一般用医薬品として販売されたことはない」のような、歴史を否定する断定に注意します。サリドマイド製剤は過去に一般用医薬品として販売されていました。
- R体とS体の作用を覚えていても、「R体だけを取り出せば安全」と判断しないようにします。体内で相互に転換するため、その考え方は誤りです。
補足コラム
光学異性体とは、分子の化学的な配列は同じでも、鏡に映したように左右対称の関係にあり、重ね合わせることができないものです。サリドマイドでは、血管新生を妨げる作用はS体にあり、鎮静作用はR体にあるとされます。ただし、体内で相互に転換するため、R体とS体を分けても催奇形性を避けられません。
FAQ
Q. サリドマイド製剤は、もともと何を目的として承認されたのですか?
A. 催眠鎮静成分として承認されました。その鎮静作用を目的に、胃腸薬にも配合されていました。
A. 催眠鎮静成分として承認されました。その鎮静作用を目的に、胃腸薬にも配合されていました。
関連キーワード: サリドマイド、サリドマイド訴訟、サリドマイド胎芽症、血管新生、光学異性体、R体、S体

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